我輩の仕事は時間が不規則で、非常に健康には悪い職業である。
でまた我輩自身が大酒飲みなので、さすがに数年前から健康に気を使うようになった。
特にメタボである。若い頃は痩せの大食いタイプだったのだが、さすがに年のせいか、ちょっと油断すると途端にズボンがきつくなる。

そこで愛用しているのが「コタラヒムブツ」という植物エキスのサプリメントである。
南インドとスリランカに自生しているサラシア属の樹木で、現地では昔から糖尿病の治療薬として使われていたそうだ。

いくつもの会社からいろんな製品が出ているが、我輩はエキスを乾燥させて粉末にした物を愛用している。お湯に溶かして飲むのだが、粉末自体にはほとんど味も匂いもないので、中国茶やコーヒーに溶かして飲んでもいい。

このコタラヒムブツという製品、日本でもれっきとした大学の化学や医学の先生達が効果を研究している。まだ正式な学会にはなっていないが、そういう大学の先生達が年に１回程度集まって会合を行っており、我輩は一度仕事の関係で出席させてもらった事がある。

その先生達によると、コタラヒムブツは腸の中で一定の量以上の糖分が体内に吸収されるのを邪魔する効果があるという。
ご飯やパンなどの炭水化物を食べると最終的にはブドウ糖に分解されて腸から吸収される。が、このブドウ糖の吸収量が体が必要とする量を超えていると、脂肪が貯まって肥満になるわけだ。

だから食事の直前、大体１５分前、にコタラヒムブツを飲んでから食事をすると、普通の食品を普通の量食べても、体内に吸収される糖分は普通より減る。
結果的に食事制限をしたのと同じ効果が得られるのだそうだ。

タンパク質などの他の栄養素の吸収は邪魔されないから、普通にご飯を食べてもご飯の量を減らしたのと同じ効果が得られる。
食べる量を減らしたいのに意思が弱くてなかなか出来ないという人には、非常に便利である。かくいう我輩もそういうタイプだから、「我慢する」という事をしなくていいのはありがたい。

さらに、腸で吸収されなかった糖分は「オリゴ糖」に変化する。女性ならオリゴ糖は良く知っているだろう。大腸内の善玉菌のえさになる物質だ。
その結果大腸内で善玉菌が増殖し、相対的に悪玉菌が減る。
腸内細菌のバランスが良くなる結果、免疫細胞が悪玉菌の相手しなくて済むようになり他の場所へ移動するので、免疫力も向上するそうだ。

まさにいい事ずくめなのだが、現在まで日本に輸入されている製品は、野生の木を伐採して製造したもので、その結果原産地の南インドやスリランカではこの木が減少して貴重品になってしまった。

そこで前述の大学の先生達は現地での木の人工栽培や、日本での栽培が出来ないかどうか研究しているとのことだった。ただ、やはり気候の関係で日本での栽培は難しいらしい。

３ヶ月も毎日飲み続けるとお腹の周りの余分な脂肪は減る。決して痩せ薬ではないが、メタボ予防にはなかなか重宝である。

ただ、使い始めた頃は一つだけ困った事があった。
腸内の善玉菌が増殖し始める頃、腸内にかなりの量のガスが発生する。つまりおならである。２，３週間ほど所構わずブッ、ブッ、ブーという状態が続くので、女性は要注意かもしれない。

ちなみに飲むとブッ、と来るからコタラヒム「ブツ」という名前なのかは定かではない。