報道によるとカンボジア政府が、自国の女性と韓国人男性との国際結婚を禁止したそうだ。当分の間は、という一時的措置らしいが、理由は韓国人男性１人と多数のカンボジア女性の集団見合いが、政府の禁止令にもかかわらず蔓延しているからだという。

先進国では女性の社会的地位があがり、早い話が女が強くなって、相対的に気弱になった男性が経済的に遅れた国の女性と結婚したがるという現象が広がっている。
アメリカではロシア人女性との結婚をとりもつ業者が一時ブームだったし、今でも続いているかもしれない。

韓国は日本以上の格差社会だから、中流以下の低所得層の男性は、他のアジアの国の女性に走るわけだろう。

問題は、こういうお見合い形式の国際結婚にはたいてい怪しげなブローカーが絡んでいて、場合によっては花嫁の身売りと大差ないようなケースが起きることだ。
今回のカンボジア政府の措置もそれを警戒してのことだろう。

なんて人事みたいに考えていたのだが、日本も無縁ではなかった。
厚生労働省の人口動態統計によれば、平成１７年のデータだが、日本人と外国人の結婚が国内の全婚姻数の５％近くにまで達している。
その年に結婚したカップルの２０組のうち１組は国際結婚だったというわけで、これは決して少ない数ではない。

しかも国際結婚の約８割は日本人の夫と外国人の妻。日本人女性が外国人と結婚したケースの４倍になる。
戦後靴下とともに強くなった女性に恐れをなした日本人の男性が、比較的古風な発展途上国から花嫁を迎えたというケースが多いのだろう。韓国の男性の事をとやかく言える状況ではないようだ。

それに対して、日本人女性が国際結婚する場合、相手は先進国の男性というケースの方が多いそうだ。欧米人から見れば、日本人女性というのは今でも「おとなしくて夫に従順」というイメージがあるのだろう。
日本人女性は西欧、特にフランス人に人気が高いようだ。

もちろん双方自由恋愛の結果として結婚して幸せになるのなら国際結婚大いに結構なのだが、日本人男性が夫の場合、経済力に者を言わせて、というケースも多いのではないだろうか。

花嫁さんの方も相手への愛情より、豊かでお金持ちの国へ行けるから、という理由で日本人と国際結婚するケースも少なくないだろう。

だが、本当に好き合っての結婚ならいいが、そういうイメージに引きずられて結婚すると離婚する確率も高いそうだ。

日本は確かに他のアジア諸国より経済的には豊かだが、それは楽に暮らせるという事とイコールではない。経済水準が高いからこそ、日本でそれなりの暮らしをしようと思えば稼ぐのは大変だ。特に今のように不況で失業者があふれている時代はなおさらである。

結婚前は夢の世界の大金持ちに見えた日本人夫が、いざ日本で生活してみると低所得層に入る人だったり、失業してワーキングプアに転落する事だって十分あり得る。

日本人女性とフランス人男性を例にとっても、今の日本人女性は決してお人形さんではない。変なイメージにあこがれて日本人妻持ったはいいが、大抵の場合いざ共同生活を始めてみれば、そんな身勝手な幻想は打ち砕かれるだろう。

国際結婚で妻が日本人の割合が極端に低いのは、日本人女性がそれだけ現実をよく知っているからかもしれない。

いずれにせよ、自分の国の女性が近寄りがたいから、途上国の女性へ、というパターンの国際結婚はやめたほうがいい。
陳腐な言い方だが、愛のない結婚は伴侶が自国人でも外国人でも不幸な結末にしかならないと思う。