プロ野球である。
ただし、好きだからとか、野球そのものに興味があるのではなく、経営的に将来大丈夫か？という意味でである。

そう思うのはアメリカ・大リーグのテキサス・レンジャーズが倒産したというニュースを最近目にしたからだ。
もうずいぶん昔の事だが、我輩はアメリカに出張した際、レンジャーズの本拠地であるアーリントン球場へ連れて行ったもらった事がある。初めてアメリカのメジャーリーグの試合を見たのがレンジャーズだったわけだ。

だからチームが破産したというニュースはちょっとショックだった。
野球が「国技」とまで言われるアメリカでさえ、メジャーリーグのチームが破産、普通の会社で言えば「倒産」、する事態にまでなっている。

我輩自身は生来の運動オンチであまりスポーツには興味はないのだが、子供の頃プロのスポーツと言えば野球とプロレスと相場は決まっていた。

プロ野球の経営に翳りが出てきたのはいつごろからだろうか？
ここ数年、ネットで東京ドームの空席情報をチェックすると、ジャイアンツのホームゲームでもチケットの空きがある。
ドームで巨人戦と言えばダフ屋が出て当たり前という時代と比べると隔世の感がある。

数年前、巨人軍の親会社である某大手新聞社のトップがプロ野球の１リーグ化を言いだして物議を醸した事があった。当時は批判されたが、案外経営的な観点からはプロ野球全体の危機を予感していたのかもしれない。

実際、地方では巨人戦以外は球場に客が入らない、テレビ中継しても視聴率が取れない、という状況はかなり前から起きていた。
Ｊリーグなど他のプロスポーツが盛んになり、またスポーツ観戦以外にも様々な娯楽がある時代だから、日本のプロ野球も今のうちに何か工夫をしておかないと、レンジャーズの二の舞という事はあり得る。

この際、１リーグ制などとケチな事を言わないで「１球団制」にしてしまったらどうだろう？
つまりプロ野球は巨人軍だけにするのである。

どうやって試合やるのかだが、地域ごとに巨人のチームにして、例えば「東京ジャイアンツ」「大阪ジャイアンツ」「福岡ジャイアンツ」てなのを１０ばかり作る。
そこ同士でリーグ戦やれば、日本中どこでやっている試合も全部「巨人戦」という事になってチケットが売れて試合の視聴率も取れるという具合にならないだろうか？

現在の他球団、特にタイガースファンは反対だろうが、日本にも独立リーグがあちこちに出来ているから、巨人に吸収合併されたくない選手とファンで新しいプロ野球リーグを作るのも手である。

ただし、「オール巨人リーグ」と同じではつまらないから独自のルールをいろいろ作る。
例えばバントは一切禁止とか、走者がいる時の敬遠は禁止とか、素人目に「勝つためだけのせこい戦法」と見える物は全て排する。

バントや敬遠も立派な作戦だというのは分かるが、よほどの野球好きでないと、そういう戦法が多用される試合は面白くない。

女子のプロ野球リーグもあるそうだが、そこのリーグとハンデ付きで試合してもいいだろう。男子のチームは全員両足に重りつけてプレーするとか。
そうしているうちに女子リーグの経営も安定し、女子選手が力つけてハンデなしの試合が出来るようになれば、もっと面白い試合になるだろう。

プロ野球というだけで客が入る時代はもう終わったのかもしれない。オール巨人リーグとはいかなくても、もっとファンを楽しませ、そして野球にそれほど興味がない人たちを惹きつける工夫が必要な時代になっているのではないだろうか？