中国人船長釈放と法相指揮権
- カテゴリ:30代以上
- 2010/09/26 21:45:10
尖閣諸島で逮捕された中国人船長が釈放された後も中国からの無理難題の要求が止まらない。
だが、これは釈放した事自体が問題なのではなく、その決定のプロセスに致命的な問題があったせいだと思う。
中国政府側で船長の釈放を要求してきたのは温家宝首相だった。中国政府の首相というのはNo.2か3というところだが、一応トップクラスの高官と言っていい。
だから日本側が釈放を決定するのなら同じクラスの政府高官の決定としてでなければならなかった。
ところが釈放を決定したのも、それを記者会見で報道陣に発表したのも那覇地方検察庁だった。沖縄一県を所管しているに過ぎない地方組織である。
これが釈放後に中国側をつけあがらせたのである。
海上保安庁が逮捕した状況はほとんど現行犯だったのだから、それを釈放するのは「超法規的措置」である。
つまり、日本の法律上許されない事を特別に許したという行為だ。
これは法務大臣の「指揮権発動」でやるのがスジである。
検察庁は法務省の下部機関だから法相の部下になる。そして法相には検察庁に捜査を止めるように命令する権限がある。
これを法相の「指揮権発動」と呼ぶ。
検察庁は捜査機関だから「外交上の配慮で容疑者を釈放する」という判断をしてはいけない。また、それを検察庁が発表してはいけない。
検察庁がそれをやっていいのは法相からの「指揮権発動」があった時だけである。
今回、中国の恫喝に屈して釈放せざるを得なかったのは起きてしまった事だから仕方がない。
しかし、その決定の仕方が中国を不必要につけあがらせた。これが内閣の今回の最大の失態である。
本来はこういう手順で釈放すべきだった。
まず首相が「外交上の配慮で」と正式に発言して法相に指揮権発動を命ずる。
そして法相が検察庁に船長を釈放するよう命令して、かつそれをマスコミを通じて公表する。
しかる後に那覇地検が釈放する。
ところが今回、菅内閣の閣僚は口をそろえて「検察の判断」「検察の判断を尊重する」と発言した。しかもそれをマスコミに公言した。
「検察が勝手に釈放したんだもんね。僕らの責任じゃないもんね」と言ったようなものだ。
中国大使館はこの件に関する日本国内の報道を全てモニターしていたはずだから、当然「なんだ、日本政府の閣僚は。下っ端に責任押し付けてやんの。よっしゃ、これならもう少し脅かしてやりゃもっと譲歩するぞ」と考えたはずである。
中国首相の釈放要求を呑むという形なら、法相の指揮権発動という大げさな形式をあえて取るべきだった。
なぜなら、戦後の歴史で法相の指揮権発動が公式に行われたのは一度しかないからだ。
1954年、当時自由党の幹事長だった佐藤栄作に対する「造船疑獄」という収賄事件の捜査を止めるよう当時の法務大臣が指揮権発動で命じた。
これが唯一の前例である。
もし中国人船長の件で指揮権が発動されていたら歴史上二度目、民主党政権下では初、外交問題での発動としても歴史上初になっていた。
当然国内マスコミは大々的に報道したはずだし、釈放までのプロセスが仰々しい物になって欧米メディアの関心も惹けた可能性が高い。
出来るだけ大げさで仰々しい手順を踏んで釈放すべきだったのだ。
今回の中国の恫喝と報復措置の深刻さを考えれば、釈放という結果は変わらなかっただろう。
しかし、外交は「勝つか負けるか」も大事だが、勝ち目が無い時に「どういう負け方をするか」もそれに劣らず重要である。
負けを認める場合でも相手がその後必要以上に増長しないように毅然とした態度で負けないといけない。
今回の菅内閣の対応は一地方検察庁に決定と発表をやらせて閣僚全員が逃げを打った。
これは無責任とか弱腰とかを通り越して「卑怯卑劣」と言うしかない。
だから釈放後も中国をとことんつけあがらせたし、諸外国からこれ以上ないという軽蔑を受けた。
釈放してしまった事自体が問題なのではない。
釈放の決定のプロセスがあまりにも恥さらしだった。
だから中国にさらになめられた。この点こそが今回の最大の問題点である。
マスコミ各社の報道姿勢も情けない。
民主党を叩きたいなら、ここを叩かないでどうする?
最近の新聞記事では蓮舫氏の「問題発言」があった。
蓮舫氏の発言内容は「日本は領土に関する問題ではもっと毅然とした態度を取るべき」という内容だった。
が、うっかり「領土問題」という言葉を使ってしまったのだが、これを「問題発言」として大きく取り上げた。
さらに菅首相が「疾病」を「しつびょう」と読み間違えたなんて記事もあった。
閑話休題として取り上げるならまだしも、政治面の記事にして喜んでいる。
そんなに民主党政権を叩きたいのなら、こんな小学生レベルの上げ足取りに血眼になっていないで、もっとレベルの高い叩き方をすべきだろう。
民主党の政治は衆愚政治かもしれないが、今回の最大の問題点を論じないマスコミは、その「衆愚」の一員でしかない。
この件に関しての政府の説明はゴニョゴニョとよくわからない。
しかも小沢なんかも何にも言わない。
釈放するなら堂々とやってほしかった。
このまま民主党のままだと~危うい日本へまっしぐら…
選挙の事しか考えていない民主党には何も出来ないのは当然なのかもしれませんね。
カードが無くなった日本、スパイ容疑で捕まった4人の
救出ができるのか心配です。
船長の生首を掻っ切って
中国外相へ送りつけて
「これが、日本側の回答だ
お前も同じ目に遭わせるぞ」
と、恫喝すれば良かったと思ってる
http://www.youtube.com/watch?v=MvQk44xa2-I
指揮権発動なしに「法によらず」釈放を決定した那覇地検の責任者は
それ相応の懲戒処分をうけねば話が成り立ちそうにありませんね。
自民党は次席検事の証人喚問を検討しているようですが、
この席で次席検事が明確に指揮権発動を否定した場合、
次席検事は超法規措置を独断で実施した罪状で懲戒免職に処すべきでしょう。
さて、この線から指揮権発動があったと言う言質をとることができるでしょうか?
法律を曲げてよい、という判断を、法律を実行する側がしても良いというのは、釈然としません。
対中国、ということではなく、筋を通して欲しいです。
中国側が衝突してきたのは目的があってのことと捉えるのが当然。
拘束するからにはその先の反応もある程度予測できていたはずです。
ここで政府が真っ先にやらなければならなかったのは、中国漁船の異様な行動を全世界に映像配信するということ。
これをしておかなかったばっかりに、中国側の一連の行動を黙認するような結果となってしまいました。
そして腹をくくって拘束したからには何らかの処分をこの船長に課するべきでした。
略式起訴であれ、何であれね。
罪を問うた事実なしに帰国させれば「処分保留」と言ってみたところで先方が「無実を勝ち取った」と主張してくるのは当たり前のことです。
更に、はーぶさんも書かれているように帰国させるタイミングが最悪。
商社マンが拘束された直後、なおかつ首相と外相不在の状況での釈放というのは海外に対して誤ったメッセージを送る結果を引き起こしました。
ひとつは日本に自国民を拘束されたときは、自国民に非がある場合でも日本人を拘束すれば解放される可能性があると示したことで、海外居住の日本人の危険性を高めてしまったということ。
もうひとつは、日本は首相や外相の地位の軽い国だと示してしまったことで、今後の外交で足元を見られる素地を作ってしまったということ。
加えて中国に対して深夜のチャーター機を許可したのも最悪。
罪状決定し、しかるべく処分が済んでから日本の航空機(税金で支援している日航がベストと思う)でこれ見よがしに強制送還してやればよかったのです。
あの国はこちらが下手に出て成功することは何一つない「はったり」の必要な国です。
こちらも腹芸で応じるところは応じておかないと日本の利益を損ねるだけです。
マスコミにも多くの外国人がまぎれて、本来のニュースや報道になっていないように思います。
いつまで日本が日本でいられるか、心配でたまりません。
拘留期限は29日まであったはずなのに・・
1年前、かすかな望みで選択した結果がこれですか・・
憂国日本
最早 涙も出ませんよ~><