Nicotto Town



ジェネレーション・ギャップを感じる時

もう十年ほどになるが、職場でジェネレーション・ギャップを感じる事が多い。
ただし「近頃の若い者は」という話ではない。
全ての年代で「シゾフレ人間」の割合が高まっている、という事だ。

和田秀樹という精神科医が日本で広めた概念で「シゾフレ」とは「シゾフレニア」という心理学用語の略。簡単に言うと「自分の意見や信念という物が希薄で、周りに流されやすい」傾向の事だ。

この反対がメランコリーを略して「メランコ人間」。真面目さに強くこだわり、自分がこうと決めたら周りが何と言おうと我が道を行くのみ、という傾向。

面白いのは、メランコ人間とシゾフレ人間の二種類がいるのではなく、全ての人間がこの二つの心理的傾向を併せ持っている、という点である。
メランコ人間かシゾフレ人間か?というのは、どちらの傾向がより強いかという違いに過ぎない。だから大抵は後天的に決まる物であるし、一生の間に双方向に変化し得る。

どちらの傾向も極端に強すぎると異常性格になる。
メランコ傾向が強すぎるとうつ病になったり、最悪自殺したりする。
シゾフレ傾向が強すぎると不真面目な人間になり、犯罪を犯しても反省のかけらもない、という異常人格になる。

一方、適度にメランコな人は、努力家であり向上心がある。会社員だと常に改善を意識し、自己研さんにも意欲的である。
適度にシゾフレな人は、失敗してもくよくよせず、仕事であれ何であれ、どうせやるなら楽しくやった方がいいじゃん、という性格になる。

だからメランコとシゾフレの比率が50:50が理想的なのだが、そういう人は滅多にいないそうだ。
また日本のように均質性が高い社会の場合、メランコ人間とシゾフレ人間の割合が世相を大きく左右する。

1960年代の日本には圧倒的にメランコ人間が多かった。
真面目にこつこつ働く事で人生を切り開こうというタイプで、こういう人が製造業の発展を支えてきたから日本は経済大国になれた。

ところが、バブル期に20代から30代初めのサラリーマンだった人たちあたりからシゾフレ人間の割合が増えているように思える。
シゾフレ人間は人生を楽しむ友人としてはいいが、職場の同僚としてはメランコ人間には厄介だ。

シゾフレ人間は職場に深刻な問題があっても、それを解決しようという発想を持たない。
たとえば会社なり自分の部署なりの業績が悪化して「このままだと大変な事になるぞ」と分かっていても、それを「自分で変える事はできない運命」としか考えない。

だから下っ端なら自分がその問題に巻き込まれずに済むように努力はするが、その努力とは大抵派閥の親分について、その問題のある部分に自分が関わらずに済むようにしてもらう、というケースだ。

管理職だと問題を解決すべく奮闘しようとはせず、部下のご機嫌取りをして「問題を表面化させない」あるいは「もっと偉い人の耳に問題の存在が届かないようにする」というような事が最優先の至上命題になる。

企業の内部だけ見てもこうなのだから、世の中全体では推して知るべしだろう。
例えば子供の学校の給食費を平気で踏み倒す親が増えているというのも、シゾフレ人間の割合が社会全体で高まっているからだろうと思う。

メランコ人間にとっては、これも一種のジェネレーション・ギャップである。
日本社会では今はシゾフレ人間の方が多数派だから、メランコ人間にとっては信じられない、なんて非常識な、と感じる事が多いだろうが、しかしそっちの方が多数派である社会ではメランコ人間の努力が報われる事はない。

近年、企業内での「心の病」の急増が社会問題になっているのも、これが大きな原因ではないかと思う。
シゾフレ人間は会社というのを「自分の個人的な欲望を満たすための道具」としか考えない。また世の中の人間はみんな自分と同じだと信じて疑わない。

だからメランコ人間がいくら「危機打開」とか「業務改善」を叫んでも、「かっこつけてもっともらしい事言ってやがる」としか解釈しない。
業務の本質とは無関係な馬鹿げたルールを山ほど作って、それを周りに強要して何か改善をやっている気になる。それがオチだ。

だからサラリーマン諸氏は自分と周りの同僚がメランコ人間なのかシゾフレ人間なのかを一度よく考えてみる事だ。
自分がシゾフレ人間なら問題ない。周りの大多数がシゾフレ人間の時代なのだから、周りに流されていればうまく世渡りができる。

問題は自分が明らかにメランコ人間で周りの大多数がシゾフレ人間、という状況にいる人だ。こういう人たちが心の病に陥る危険性が高い。

しょせんメランコ人間とシゾフレ人間は価値観を共有する事はできない。
メランコ人間が多数派の職場を見つけて転職するのが最善の解決法だが、今の日本は社会全体がシゾフレ人間優位だから、これは難しいだろう。

会社での自己実現はあきらめて他に何か生きがいを探す、というのも解決法の一つである。

アバター
2010/10/22 10:33
自分の中のモヤモヤが明確になった気がします。

メランコとシゾフレの比率が50:50に近いものであれば、
うまく対応できるのかも。
アバター
2010/10/21 19:40
確かにバブル期から後の世代は問題解決が下手な人が多いですね。
そんな人が次第に中間管理職になりつつあるので面倒なことは増えてます。

昔の上司は煙がくすぶっている段階で水ぶっ掛けて終わらせてしまう人が多かった。
対して、今の上司は「それはわかるけど、とりあえず・・・」と何がわかったのかわからないコメントと共に問題にふたをしようとする。
しかし、火は消えたわけではないので、次第に燃え広がり問題はより深刻化する。
大きくなってから部下に「お前何とかしろ」とくるので関係がギクシャクしてくる。
「それなら最初に消しとけばよかったのに」って。

でも、昔の人は全てすばらしかったかといえばそうでもないかもしれない。
オイルショック後、今の生活の維持・向上のために漫然と赤字国債を容認し続けて今の惨状があるわけだから・・・
そして自分たちは十分生活していける年金を死守し続けている・・・
昔の人が自分たちに有利な社会のルールを構築することで、今の歪みが生じているという見方もできそうです。
アバター
2010/10/21 18:24
む・・難しい・・・・
シゾフレ?メランコ??・・・・すみません難しくて・・・・
でも・・・コロのまわりはどっちでも無いみたいな気がするですが・・・・orz
会社で自己実現って出来るって思わなかったです←お馬鹿コロ~はい♪




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.