Nicotto Town



親権一時停止をこそ応援しよう

児童養護施設にランドセルを送りつける(あえてこういう言い方をさせてもらう)運動が広まるばかりである。
もうこれについては論じる気はない。

が「そんなにランドセルばかりで本当にいいのか?」という疑問を抱く事ができる程度に頭のいい人たちには、是非以下の事を知っておいて欲しい。

現在、厚生労働省が中心になって、民法の一部改正を検討している。
虐待や育児放棄をした親の親権を、期限付きで停止する事ができるようにしよう、という話だ。

これは児童相談所の人から直接聞いた話だが、こんな例が実際にある。
出産間際の女性が病院に駆け込んで来て出産、子供を置いて病院から逃げ出して行方をくらました。
病院のスタッフが入院時に記入された名前と住所をたよりに探そうとしたら、名前は偽名、住所はでたらめだった。

最初から病院に産み捨てにするつもりでいたわけだ。
さて残されたこの赤ちゃん、一旦その都道府県の児童相談所の手で「乳児院」と呼ばれる乳幼児専門の児童養護施設に預けられる。

生まれた時の状況から考えて親が後で引き取りに来る可能性はゼロに近いだろう。
さてここに、共に49歳で子宝に恵まれない夫婦がいて、孤児を養子にして自分たちの子供として育てたい、そう言ってその児童相談所に身よりのない子供を紹介してもらえないか、と頼んだとする。

さて、この赤ちゃんはめでたくその夫婦の養子になってその後幸せに暮らせるだろうか?
答は十中八九、ノーである。

これは育児放棄のケースだが、虐待の一種ではあるし、この赤ちゃん、たとえ親が生きていても孤児と変わらない。
しかし、現在の法律では上記の逃げた母親の「親権」を守る事が優先されるため、どこにいるのかも、名前も分からない親が名乗り出て来て同意書にサインしてくれないと、行政サイドは勝手にこの赤ちゃんを養子に出せない。

まあ、その後四年も五年も母親の行方が不明のままなら、行政の権限で養子に出す事は不可能ではない。
だが、その時、上記の心優しい夫婦は、その子供の養父母にはなれない。行政から養子を迎えるには夫婦そろって満50歳未満でなければならない、という決まりがあるからだ。
上記の夫婦の場合、数年後では時間切れ、なのである。

孤児や捨て子や虐待された子供を保護する法律はいくつかあるが、「上位法」と言って、それらの法律は「民法」の規定の範囲内でしか物事を決められない。
そして現在の民法は、生物学的親の親権を絶対として厳重に保護している。

現在の民法では「親権はく奪」と言って、親の親権を永久に無効にしてしまう方法しかない。裁判所の判断で完全に親子の縁を切ってしまうわけだ。
だから、上記のような悪質な産み捨てのケースでも、万が一の場合を考えると、親権はく奪の手続きを取って養子に出してしまう事ができない。

だが何かおかしいとは感じないだろうか?
児童ナントカ法という名前の法律は「子供を少しでも幸せにするため」に存在しているはずだ。
しかし、結果的には、法律があるがために、育児放棄や捨て子や虐待をした親の権利ばかりが手厚く保護され、その結果子供自身は不幸になってもしょうがない、幸せになれるチャンスを逃してもしょうがない・・・そういう事になってしまっている。

そこで、親の親権を期限付きで停止して、子供が幸せになるためなら親の権利が制限されても仕方ない、そういう方向へ民法を変えようというのが、最初に書いた民法改正案なのである。

この改正が通れば、産み捨てにされた子供をもっと早く養子に出したりできるし、虐待を繰り返す親が親権を盾に子供を渡さない、といった現在の矛盾を解消する事が可能になる。

この件を管轄している国のお役所は厚生労働省である。一般庶民でも詳しい事を教えてくれと言えば、何か協力できる事はないかぐらい教えてくれるだろう。

また「児童虐待防止全国ネットワーク」というNPOもある。
これは虐待防止運動をしている各地のNPOの全国連絡組織だから、自分の住んでいる地域の団体がどこにあるかぐらい教えてくれる。

今一番必要なのは、児童養護施設に入らなければならない子供を減らす事である。
それには、どうしようもない親、鬼のような親の親権を一時的に停止する事を可能にする法改正が必要だ。

今の法律をそのままにしておくと、肝心の子供がいつまで経っても救われないし、今後も児童養護施設に収容される子供の数は増えこそすれ減る事はない。

児童養護施設は、文字通りの孤児が心優しい養父母に引き取られるまでの一時的な避難所。そういう未来こそが一番望ましいと思うのだが、どうだろうか?

この意見に賛成してくれて、なおかつ自分も何かしたいと思う人は、厚生労働省なり児童虐待防止全国ネットワークに連絡を取って、一過性でない貢献をどんなささいな形でもいいからしてみていただきたい。

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2011/01/15 23:50
法学部での腐った知識の中に、生みの親との縁を切り、子供の記憶がないような時期から養子にする制度があった気がして
調べてみましたが養子制度は養子制度です。結局生みの親の承認が必要なため、上記のケースでは使い物になりません(ちなみに特別養子縁組というものです)。
少子化だから子供を増やそうと言うものの、生まれてみればこのような運命を辿る子供もいるわけで、、、
なんだか上手くまとまりませんが、養子でも構わないので、家族と一つ屋根の下で暮らす子供が増えて欲しいです。
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2011/01/14 21:39
現状を見てきた私としては、すぐにでも親権はく奪して欲しいと 思うことがあります。
実の親と一緒にいることが 不幸になる子どもが 
この国には 一体どれだけいるのか。

親権はく奪の措置と同時に 考えねばならないことが もう一つあると思います。
それは、養子縁組をした親子に対する 世間の捉え方。
諸外国に比べ、日本では まだ「養子縁組」に対する 偏見のようなものが残っていると感じています。
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2011/01/14 07:15
福祉は根本的に性善説なところがありますからね~
「今は虐待に走っているが、適切な支援をすればよい親になることは可能であるはずだ」ってね。

でも、その考えによって子どもが不幸な立場にいるのはどうするんだというのが現在の問題。
親権の一時停止はおっしゃるとおりこれに対する有効策のひとつになると思う。
剥奪というとためらう行政も「一時停止なら」というのはありますから。

また、親に問題があれば養護施設にいるのが当然というような現在の風潮より、望まれて養父母に引き取ってもらえる方がよいには決まってますね。
施設の職員がどんなに親身でも限界はあります。
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2011/01/14 02:44
リーマンショックの発生を察知して、山奥で自給自足を始めた時に
近所の、“戦争を経験した世代”のお婆ちゃんが
「昔だったら、兵隊さんにされとるねぇ」と言われたので
今後も、ステルスモードで20年間も続けられた「0っ子政策」は続くじゃないかなぁ・・・。
http://video.google.co.jp/videoplay?docid=-1872129233640140908&hl=ja&emb=1#docid=4326166236938823019

日本の現在の総人口:約1億2千万人
江戸時代の日本の人口:推定3千万人
現在の東京の人口;1千2百万人
http://video.google.co.jp/videoplay?docid=5060773590624437679#docid=3247105649894468507

「子供手当て」も「景気対策」も
「40億人抹殺計画」に対抗できるかどうか疑問だ。
http://www.ustream.tv/recorded/9176342
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2011/01/13 22:48
タイガーマスク問題=児童養護施設にランドセルを送りつける運動に疑問を感じる者の一人として、
不知詠人さんの主張は大変参考(=勉強)になりますので、先日に引き続いてのコメント失礼します。

「今一番必要なのは、児童養護施設に入らなければならない子供を減らす事」については
全くの同感であり、
「どうしようもない親、鬼のような親」の存在については、少子高齢社会の現代において、
もう少し有効的な打開策がないものか、独り身の未熟者ながら常々憂慮している次第です。

『ささいな形でも 一過性でない貢献』 について、
非常に微力ながら勉強を深め&行動を起こしたいと思いますm(_ _)m




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