先日、ヤボ用で茨城県のとある地方都市へ行ったのだが、バスを待っていた時、近くに妙な建物があった。
造りからして、どう見てもラブホテルなのだ。
（念のため言っておくが、我輩はラブホなどに行った事はない）

しかし、ホテルそのものの看板よりはるかに大きな看板があって、そこにまるでファミレスのような料理の値段が写真付きで載っていた。
東京では、出前を取るのはともかく、ルームサービスがあるラブホなど聞いたことがない。
（繰り返すが、我輩はラブホなどに行った事はない）

今日、あるニュースサイトの記事で謎が解けた。
その記事によると、ラブホかビジネスホテルかの区別を、飲食設備があるかどうかで当局が判断する場合が多いのだそうだ。

我輩のお屋敷は浅草に近いので、観光客用のビジネスホテルが多いのだが、場所柄食事をする所なんて他にいくらでもあるのに、なんでどのホテルもいつもガラガラのレストランを併設しているのだろう？と前から不思議に思っていた。

つまり違法営業のラブホと間違われないように、という目的なのだろう。
しかしラブホかどうかなんて、入り口に休憩料金を表示しているかどうかで、一目で分かりそうなものだと思うのだが。
（くどいようだが、我輩はラブホなどに行った事はない）

逆にラブホとしての営業許可を取っていない所が、ビジネスホテルのふりをしたければ、形だけでも内部に食堂などの飲食設備があればいい事になる。
場所が場所だったから、その茨城県のあれも偽装ラブホで、規制逃れのためにことさら食事サービスをおおげさに宣伝していたのかもしれない。

だとすれば、普通のビジネスホテルもラブホも、本来なくてもいい飲食設備をわざわざ造っている事になる。
実際に食事する客がいなければ、経営上はお荷物だろうし、そのコストは宿泊費なり料金に上乗せされているはずだ。客にとっても損である。

ビジネスホテルなんて寝るための施設が整っていればいい。
ラブホだって東京のは、入浴剤の種類が多いとか、バスローブの生地が上等だとか、頼めばソバガラ枕と換えてくれるとか、冷蔵庫の中の缶飲料が一人一本までは無料だとか、そういう本来のサービスで競争している。
（しつこいようだが、我輩はラブホなどに行った事は・・・・・・）

文字通りの性風俗店ならともかく、風営法の規制はやればやるほどイタチゴッコになって、取り締まる方も余計な苦労が増えるだけである。

普通のパブとかクラブでも、ホステスさんがお酌してくれる店は法律上は「風俗営業店」という分類で、そういう許可証を公安委員会からもらわないと営業できない。
ところが、そういう普通の飲み屋さんの場合でも、新規の風俗営業店としての許可を取るのは不可能に近い状態なのだそうだ。

だから、新しくホステスさんのいる店を始めようとすると、既にそういう許可証を持っている人から権利を譲り受けるしか方法がない。
しかし、そう簡単に譲ってくれる人を見つけられるものではないから、営業許可のブラックマーケットみたいな物が出来ていて、それを仕切っているのは暴力団というケースが東京では多いそうだ。

風紀の取り締まりの必要性は分かるが、あまりしゃくし定規にやると、逆効果になってしまうのではないか、と心配している。