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S&P格付けとは何か

スタンダード&プーアズ(S&P)という格付け会社が、日本国債の格付けを引き下げたとして、話題になっているようだ。
S&Pはムーディーズという会社と並んで、世界で最も権威ある格付け機関とされている。

で、それが我々庶民にナンか関係あんの?というと、あるかもしれないのである。
国債というのは早い話が借金証文だ。「これ一枚あたり~円貸して下さい。~年後に利子を~%つけて返します」という事だ。

S&Pなどの格付けというのは、その約束が本当に守られるかどうか、その信用性を表した物だ。
会社が似たような債券を出すと「社債」と呼ばれるが、会社は倒産する事があり得るし、そもそも借りた金返す気が最初からない悪質な企業だって存在するから、債券が紙くずになったり、約束通りの金額を返してもらえない事だってある。

国の政府は倒産する事はあり得ないが、「デフォールト」と言って、「借金返せなくなりました~。あしからず」と宣言してしまう事はあり得る。
この場合はその国債は紙くずになって、払い込んだ金は一円も戻って来ない。

国債の格付けというのは、このデフォールトが起きる危険性がどれぐらいかを表した物だ。
表示の仕方は格付け会社によって異なる。
S&Pの場合、基本的には以下のようになる。
AAA
AA

BBB
BB

CCC
CC
この順に、デフォールトの危険が少ない。
それぞれに「+」と「-」をつけてもう少し細かく分類する場合もある。

投資家は国債を買おうかな?あるいは今持っている国債を売ろうかな?と考える時、S&Pなどの格付けを参考にして決める。
格付けが下がった場合、既に持っている投資家は「なんか、やばそう。今のうちに売っとこうか」と考える。
これから買おうと言う人は、「やっぱ、やめとこうかな?」とか「もっと値段が下がらないと買わない方がいいかも」とか考える。

この結果、国債の値段は下がる事がある。
日本国債は「額面」つまり政府が売り出す時の値段が100円、それに年1~2%の利子がつく、という物が主流だ。

まあ、実際には個人向け国債でも10万円単位でしか買えないし、満期が1年、2年、10年、15年、利率も固定、変動といろんな種類がある。
ややこしいので、一口100円、年利2%で単利計算、満期は10年としておこう。

満期まで持っていると利息がついて120円払い戻されて、20円の儲けになる。
だが、国債を大量に買う機関投資家はたいてい証券取引所で売りに出す。
一旦市場に売り出されると、額面の金額とは関係なく、値段が上下する。
理論上は110円に上がったり、90円に下がったりする。

国債が値下がりして額面100円の物が90円になったとする。
しかし満期になった時にもらえる金額は120円で変わらない。
すると満期まで持っていたら何%の儲けになるかが、利率とは違ってくる。

額面の100円で買って20円の儲けなら、10年で20%の儲けである。
だが、90円で買ったなら満期になれば30円の儲けである。
33%の儲けという事になり、1年単位なら3.3%。この数字を「利回り」と呼ぶ。

国債の固定利率は一度発行すると変わらないが、利回りは国債の値段の上下によって変わる。
国債の値段が下がれば下がる程、利回りは高くなり、その分オイシイ投資になる。

投資家にとっては、デフォールトの心配さえ無ければ、国債は値下がりすればするほどいい。
そうすると企業などの銀行の大口預金者が預金から金を引き出して国債を買った方が得だぞ、と考える事になる。
これは銀行にとっては困る。

つまり銀行にとって国債は最大の商売仇なのだ。だから銀行の預金やローンの利率は、長期国債の利回りに合わせて変える事が多いのだ。
だから国債の格付けが下がって値下がりすると、銀行は預金の利率を同じぐらいにまで上げないと、大口の顧客を取られてしまう。

そこで銀行は預金の利率を上げるが、同時にローンなどの貸している金の利息も上げる。
そうしないとプラスマイナスで損になってしまうからだ。
だから「国債の格付けが下がると、ローンの金利が上がる」という関係が成り立つのだ。

変動金利の住宅ローンを抱えている人ならすぐ分かると思うが、月々の返済額が5千円も1万円も増えたら家計に響く。
何か他の出費を切り詰める事になるから、物を買わなくなり、商売をやっている人の場合、お店の売り上げに響く。

企業も金を借りると利息が高くなるから、予定していた新規事業をやめたりする。
そうなるとボーナスや給料が減ったり、最悪リストラされるサラリーマンも出る。
あるいは来年の採用を減らそう、となると学生さんにもとばっちりが来る。

S&Pなどの格付けはあくまで投資家のための「参考情報」なので、日本国債の格付けが下がったからと言って、必ず直ちに、上記のような事が起きるわけではない。

しかし、総理、「そういうことに疎いので」で済む話じゃないんですよ!

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2011/02/01 21:51
こちらに失礼します。。

コメントありがとうございます。

独学でもできないことはないんですね^^
今やっていることが終わり時間が空き次第やってみようかと思います。

留学もできるならしたいですが資金がないですね…(;

けど、参考になりました*.ありがとうございました^^
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2011/01/31 20:35
別に下がっていいんじゃないのかな。
日本国債を買ってるのは主に日本国内の銀行がメインだしいっそのことBBBあたりまで評価が下がったら円安に
なりそうだけど・・・
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2011/01/30 03:36
『中央銀行』作らなアカンね
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2011/01/29 19:58
中1には全くわかんないですが・・・><


そういえば友申有難うございます!これからもよろしくです!
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2011/01/28 20:52
日本の国債の累積赤字からいって、
格付けが下がる事は、
素人の私ですら、
充分に予測できることです。
そういうことに疎いひとは
総理になるべきではないでしょう。

訪問&コメントありがとうございます♪
訪問&ステプ&水やり&伝言板&ブログコメのハッピーセットお届けです♪

毎日寒くて震えていますが、
こんなに寒いのも今日までですって、
よかったですね。^^
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2011/01/28 20:32
こりゃ大変だ、ですね。
国債買ったことないけど・・・

格付けはリーマンショックの時に散々批判されましたが、喉元過ぎれば何とやらで元気にやっているんですね。
何か指標がないと不安というのもあるんでしようけど。

何事も地道が一番ですが、地道だと大波をもろにかぶるのが昨今のつらいところですね。
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2011/01/28 15:22
私は個人国債、だんなは株のデイリー(ってほどでもありませんが)で遊んでいます。
いや・・・遊んではいませんがw
今はダメですねぇ~、何をやっても・・・。
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2011/01/28 11:46
はじめまして。訪問ありがとうございます。いきなりのコメで失礼します。
S&Pの意味を今知りましたw  カンの「疎いので」発言にはうんざりしてましたが
わかりやすい説明ですね。
これからも時々お勉強させていただきます^^
でも、ムーディーもS&Pも世界的にみんなに信用されているのかもしれませんが
日本人はあんまりに気にしすぎると聞いてますが・・・どうなんでしょか?
  
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2011/01/27 22:59
ボツワナよりも、格付けが下がった時に、
直ぐに取り戻せると言っていましたが・・・
少しショックです。
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2011/01/27 22:35
げーーー

総理。。。総理。。

アイムソウリー




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