街角をあてもなくさまよう少女
その手には唯一彼女に救いをもたらすケータイ
少女は今度こそ「神が降臨」するかな？
という一縷の願いを託してメールの送信ボタンを押す・・・・・・

というと何かの新興宗教か？と思うだろう。
最近「神待ち」少女に、救いの手を差し伸べる「神」が降臨する
そういうケータイネットのサイトが人気だと聞いた。

面白そうなので検索してみたら、こういう話なのだそうだ。
「神待ち」というのは家出少女の事である。一晩、せいぜいでも２，３日のプチ家出を含む。というか、大半はそれだろう。
で降臨する「神」というのは、彼女たちに一夜の宿と食事を与えてくれる男性の事である。

ケータイメールで連絡が取れると、その家出少女と「神」たる男性が会うという段取りだ。
こういう男性に連絡がついて泊めてもらえる事を「神降臨」と呼ぶのだそうである。

そういう掲示板があると聞いたので検索してみた。
そしたらあっと言う間に１ダース以上のサイトが引っかかった。
この時点で「ハハアーン」と思ったのだが、どんな騙しのテクニックが見られるか、それを目当てに三つばかり登録してみた。

ケータイのメルアドと適当な年齢を入れただけなのだが、五分としない内にメールの嵐である。
内容を見ると、やっぱり、インチキ出会い系サイトであった。
以前ＰＣで、懸賞サイトと偽ったサイトに引っかかった経験があるので、手口がそっくりなのはすぐ分かった。

なんだ、詐欺の手口も全然進歩してないな、と最初は思ったのだが、しばらく「神になりたがっているスケベオヤジ」を演じていると、意外に手口が進歩しているのに気づいた。
面白い事に、昨年ベストセラーになった「もしドラ」に紹介してあったビジネス心理学の理論とかなり共通するテクニックを使っているのだ。

このテクニックの理論的な部分は会社の人間関係などにも大いに役立つので、しばらくサイトのサクラをおちょくって遊んでみようと思っている。
これについては別の機会に書こう。

しかし家出というからには大半がＪＫ，JCのはずだが、こんなに家出少女が大量にいるのなら、とっくに新聞沙汰になっているはずだ。
おかしいな？と気づかない男が大勢いるから１ダースもの有料サイトが成り立っているのだろうから、日本人の知的水準も落ちたものである。

この神待ちだの神降臨だのは、明らかに意図的に作られた都市伝説のようだ。
だいたい家出を決行するような未成年なら、裏を返せばそれだけ行動力と度胸があるわけで、こんな「神」の家にのこのこついて行ったら、ただでは出て来れない事ぐらい分からないはずはあるまい。

困るのは一部のマスコミがネット上の書き込みだけ見て実際試してみようともせずに、「こんな事が起きている。けしからん」という記事を載せる事だ。
ちょっと試してみればインチキだという事はすぐ分かるのだが、お固いメディアの記者ほど鵜呑みにしてしまう傾向がある。

以前、ネット上の「援助交際サイト」が問題になった時も、ある大新聞に「検索してみたら、これほどの数のサイトがヒットした」という記事が載った事があった。
我輩が同じ方法で検索してみたら、その全部が今回と同じようなインチキサイトで、しかも素人でもそうだと一目で分かる物ばかりだった、という事もあった。

しかしまともなマスコミが鵜呑みにして真面目に批判すると、そんなサイトが実在するかのような錯覚を未成年に起こさせてしまう。
このタウンにもＪＫ，ＪＣは多いし、中には本気で家出を検討している人もいるかもしれないが、一つだけ覚えておくこと。

実際の世間には「神降臨」なんて、まずありませんよ～。