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関東節電対策:中期2

関東の計画停電は気温が上がってきたので、見送られる日が多くなった。
だが、今後夏場と冬場には毎年電力の供給不足が起きる事は避けられない。

節電と東京電力の送電量確保は当然としても、巨大原発2基分の発電量をすぐに取り戻すのは不可能である。
また、家庭の停電も深刻だが、企業の工場が停電すると日本経済に与えるダメージが大きい。

政府は一律の電力料金値上げを考えているようだが、これは確実に東日本全体の、ひいては国全体の経済を失速させる。
広告やレジャー施設などの、生活に必需でない施設、装置の電力消費を抑制する方策をまず考えるべきだ。

まず、関東全域で一定以上の大電力を消費する屋外広告塔、ライトアップ設備などをリストアップする。
多いと言っても、巨大な物に限定すれば把握する事は可能なはずだ。

そして、これを一旦全て使用禁止にして、しかる後「電力使用権」という物を設定、これを証券化する。
モデルは地球温暖化防止のための国別の「炭素排出権取引」である。

京都議定書に従って、加盟各国は二酸化炭素などの温暖化ガスの年間排出量を制限されている。
これは言い換えれば「石炭、石油などの化石燃料を燃やす権利」である。

本来、いつどれだけ石炭石油を燃やそうが、それは金出してその化石燃料を買った方の勝手である。
しかし、地球温暖化防止という大義名分のもとに、それとは別に金払ってもらおう、というのが排出権取引である。

日本のような工業国は割り当てられた排出権の枠では足りないので、割り当てを使いきれない国や、省エネがずば抜けて進んだ国から、お金で「炭素換算にして何トン分」という排出権を買う事ができる。
その分、余分に化石燃料を使う事が許されて、かつ貧しい国や省エネに努力した国はそれだけで金が入る。

京都議定書自体はアメリカや中国などの排出大国が参加していないなど不備が多いが、排出権取引の仕組みは、関東の電力危機でも使えるはずだ。

まず洗い出した広告、レジャー用の設備、装置に通電をオン、オフにできる装置を取り付ける。
そしてこれらの所有者や使いたいという希望者に対して「電力使用権証券」を売り出すのである。

たとえば何月何日の何時から何時までと指定された証券を、季節や時間帯ごとに値段を変えて売り出し、東京証券取引所で自由に売買させる。
買った企業はその指定された時間に指定された「大電力消費」施設を遠慮なく使える、という仕組みである。

証券の発行主体は政府にする。発行、売買の実務は証券会社に委託すればいい。
つまり、停電や産業全体への悪影響をおよぼさないようあらかじめ計算して、電気を大量に使う権利を買わせるわけだ。

広告やレジャー施設と言うと真っ先に節電すべし、という事になるが、全く使わせないと経済が必要以上に委縮してしまう。
そうなると最終的には政府の法人税収入が減り、財政が悪化し、被災地復興の公的支援も不十分になりかねない。

この権利証券を買った上での電力消費なら、通常の電気料金とは別に金を払っているのだから、派手な広告だろうがライトアップだろうが、気兼ねせずに堂々と使える。

電力の供給全体が不足気味である以上、夏場や冬場のピーク時には証券の売り出し時の値段も高くできる。
そしてそれが東京証券取引所で公開で売買されれば、額面の何倍もの値段がつく事もあるだろう。

その収入は政府に入る。そして政府はその全額を被災地復興、被災者支援に使途を限定して使う、という事にすればいい。

企業などは金を払って、お上のお墨付きをもらった上で「電気の無駄遣い」と言われかねない事を気兼ねなくやれる。
政府は正当な対価としてその金を受け取り、復興につぎ込む。そのための新しい財源ができる。
ついでに関東限定ではあるが、今までになかった新しい金融商品が誕生するから、証券業界が活気づく。

「不要不急」のイメージが強い広告やレジャー施設で成功したら、工場などの生産施設にも順次拡大していけばいい。
経済に打撃を与えずに電力消費を抑えるとともに、復興のための政府の財源もある程度確保できるはずだ。

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2011/04/01 21:34
是非、、管さんに、、押し得てあげて下さい。。

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2011/04/01 21:09
やはり原発は、いらない。
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2011/04/01 20:07
面白い!!
電力の証券化ですかぁあああ~凄く良いと思います!
でも売り出せるかって事ですよねぇ~
使用権を売れるだけの電力が今現在に無いのが痛いにゃあ~♪
ガスエネルギーになるか?太陽光発電へ移行するか?
どっちだと思うですか?
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2011/04/01 15:07
ブログに
ていねいに、コメしてくれて
本当に助かります^p^

ありがとうございますwww
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2011/04/01 06:42
電気料金はいろいろあるので、違う料金体系では同じ量使っても違う料金になるはずです。
ですからそういった証券の導入でフェアになるかは不透明な部分もあります。
企業も電気代は要経費として税務署に申告したいでしょうし。

そんな問題はありますが、夏に向けて節減できる対応を考えないと都市機能に支障をきたすのは間違いないですから、おっしゃるように利用選択という発想は必要でしょうね。
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2011/04/01 00:07
とてもおもしろい意見で感銘を受けました!

池上永一著の”シャングリ・ラ”という、小説で炭素経済(炭素税や、炭素排出権の取引)という

ものが出てきましたが、この、電力の証券取引も新しい経済の形として似ていると思いました。

しかし、派手に電力消費する広告やライトアップは、やはり最初のうちは、

関東の住民に反感を買うと思います。←「自分たちは、電力を抑えているのに……」という声ですね。

その辺の、対処の仕方も気になりました^^




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