まだエアコンの暖房をつける日が多いこの時期に扇風機がバカ売れしている。
関東ではこの夏電力不足が避けられず、ヒートアイランド現象で灼熱地獄になる東京は「冷房難民」が続出すると予想されている。

そこで今のうちから扇風機を買って備えておこうというわけだ。
え？でも停電したら扇風機だって使えないはずだろ？
と思ったら、「充電式扇風機」なのである。

見た目は普通の扇風機とあまり変わらないのだが、大型のリチウムイオンバッテリーを搭載しているらしく、フルに充電するとバッテリーだけで、短い物で２～３時間、長いものだと１０時間連続稼働できる。

これにLEDライトと小型ラジオが一体になった製品もあり、災害時には扇風機兼懐中電灯兼ラジオとして使えるのだそうだ。
楽天市場あたりで「充電式扇風機」で検索するとゾロゾロ出てくる。ただし、ほとんどが既に売り切れであった。

リチウムイオンバッテリーとは、携帯電話やノートパソコンに使われている電池である。
近年蓄電容量が著しく大型化していて、我輩のノートPCも音声をオフにしておけば、バッテリーだけで２時間はもつ。

他にもいろんなネットショップで「充電式」で検索するといろんな商品がある。
「え？こんな物まで？」と思えるような品物があるから、是非お試しあれ。

この「充電式家電」、今年の最大の売れ筋商品になるかもしれない。
リチウムイオン電池はまだまだ大型化の余地があるから、扇風機や電灯だけでなく、いろんな新製品が出てくるかもしれない。

一番期待するのは「充電式テレビ」である。
液晶テレビなら充分可能なはずだ。まあ、値段は高くなるだろうが。

今回の被災地では、津波の直撃を免れて家屋がなんとか持ちこたえた地域でも、停電でテレビなどから情報を得られない状況が何日も続き、その結果生活が混乱した所も多かった。

充電式テレビが計数時間稼働できてアンテナなどが無事なら、ニュース番組で自分の地域の状況を知ることもできる。
そうすれば余計なパニックや混乱は避けられる。

関東の夏場も、停電してから初めて充電式扇風機を回すのではなく、一般家庭やオフィスが電力消費が冷房で最大になる時間帯にエアコンを止めて、扇風機でしのげばいい。
凍らせるタイプの保冷材を送風口の前に置けば、かなり過ごしやすくなる。

電力消費の少ない夜に充電式の家電にたっぷり充電しておいて、停電の危険のある時間帯ではバッテリー駆動に切り替える。
多くの世帯がこれをやれば、かなりピーク時の消費電力を抑えられる。

一部のマスコミが「さあ、今年の夏は大変な事になるぞ」と煽っているが、それは電力消費のパターンが震災前と全く同じという前提での話である。
去年までは夏のオフィスでは冷房がガンガンに効いている部屋で女性がヒザ掛けやショールを着こんで仕事しているなんて光景があちこちで見られた。

今年の夏もそんな風にクーラーをガンガンにかけまくる・・・日本人はそこまで愚かだろうか？