福島第一原発の１号機への３月１２日の海水注入が中断した件について、政府、東京電力の双方が大迷走している。

一時５５分間注水が中断されたと報じられ、誰が中止を命じたのか、それが事故を悪化させたのではないか、と騒がれた。

が、福島第一原発の所長の、吉田昌郎さんという人が東電本社の指示を無視。
注水を続けさせていて、中断は起きていなかったと今日の報道で明らかにされた。

「海水を入れると再臨界」という話の馬鹿さ加減と菅政権のでたらめぶりはもうどうでもいい。

一番許せない点は、東電の上層部が注水中断を命じたのが、官邸の「意向に配慮して」という理由だったという事だ。

つまり、首相がまだ海水注入の是非について検討中だから、そのご機嫌を損ねないように、現場の最高責任者の判断を無視して、中断を命じたというのだ。

中断があったとされていた時点では、既に１号機の核燃料棒はあらかたメルトダウンして圧力容器の底にたまり、その高熱で圧力容器の壁を溶かし始めていたと推測される。

もし実際に海水注入が５５分も止まっていたら、どろどろに融けた超高温の核燃料が原子炉の外へ飛び出していたかもしれない。

もしそうなっていたら、１号機は炉全体が完全なメルトダウンを起こし、原発事故はもっと深刻な状態に陥っていただろう。

だから、その所長さんのやった事は結果オーライである。
「海水を入れると再臨界」というのが、専門家なら誰でも「アホか」と思う話であるなら、この所長さんはむしろ「英雄」である。

さて報道によれば、東電はこの吉田所長の「処分」を検討しているそうだ。
つまり「罰する」と言っているのである。

確かに上層部からの命令を無視し、海水注入を止めたフリをして実は続けていたというのだから、会社の内規としては命令違反だろう。
だが、この所長が処罰されるのなら、暴走した原子炉のケアより首相や政府幹部の顔色をうかがう事を優先して、そんな危険な命令を出した上層部には何の罪もないのか？

ふざけんじゃねえ！

もし、完全メルトダウン起こしてたら、東電の社員全員の命と引き換えにしたってまだ足りんほどの大惨事になっていたはずだ！

自分の社内での立場を犠牲にしてそれを防いだ原発所長はクビで、社長は退任しただけ、会長は居座りか？

そんなのおかしいじゃないか！と思ってくれる人は是非、東電のウェッブサイトの「ご意見・ご要望」のコーナーで訴えて欲しい。
↓
https://www4.tepco.co.jp/info/custom/service/echob_s-j.html

吉田所長をクビにするな、処分があっても注意とか、形式だけの物にするよう東電に訴えて欲しい。

もしこの所長がクビになるようなら、こんな会社もう要らん！
今すぐ東電を破綻させて、政府は代わりの国営電力会社と取り替えろ！