Nicotto Town



脱原発は利権の交代でしか進まない

蛍光灯が発明された時の歴史の裏話として、こんな事が言われてきた。
消費電力が白熱電球より少ない蛍光灯が出回ると既存の電球メーカーが損をするため、米国の電球メーカーが蛍光灯の特許を買い取ってそのまま塩漬けにし、白熱電球工場への投資が回収されるまでの間、蛍光灯を商品化させなかったという話である。

これは「巷間に伝わる話」であって、本当かどうかは分からないが、あったとしてもおかしくはない話である。
もちろん、アメリカの消費者はその間割高な電気料金を払わされたわけだが、「消費者、庶民の利益より、自社の金儲けの方が大事」、これが資本の論理である。
これは百年以上前にカール・マルクスが喝破していた事だ。

これと同じ事が原子力発電に関しても言える。
福島第一原発の事故以来、「えっ!そんな技術があったの?」「そんな事が既に可能だったの?」と言いたくなる話が次々に出てきた。

一例が、東北電力が能代火力発電所の敷地内に建設する「NAS蓄電池」である。
詳しい事は東北電力のウェッブサイトにある。

http://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1183342_1049.html

NAS電池とは正式にはナトリウム・硫黄電池と言い、ナトリウムと硫黄を電極に使い、β アルミナという特殊な電解質(自動車のバッテリーで言う電解液にあたる)を用いる新しいタイプのバッテリーである。
現在の鉛バッテリーの3分の1程度の大きさで、サイズが同じなら3倍の電力を貯めておける。

東北電力が新設するNAS電池の総容量は、五万世帯の一般家庭の丸一日分だそうだ。
稼働するのは早くて来年の一月だそうだが、夏の午後、冬の朝夕の電力需要のピーク時にこの蓄電池から大量の電気を供給すれば、電力危機を回避出来ると同時に、ピーク時以外は必要ない発電所をこれ以上建てなくてもよくなる。

注目すべきなのは、この「NAS」という名称は東京電力の商標である事だ。
つまり東京電力が中心になって開発した技術のはずだが、首都圏に住んでいる人でも初めて聞いたという方が多いのではないか?

火力発電所は万一の事態に備えて非常に広い敷地を取っている。
東電の全ての火力発電所の敷地内に大規模なNAS蓄電設備があったら、ピーク時の需給調整はずいぶん楽になるはずだ。
NAS電池は摂氏300度の高温に保たないと作動しないので火災の危険があるのは確かだが、なぜ東京電力ではなく東北電力が最初に導入するのか?

答えは蛍光灯の時と同じであろう。
そんな技術がある事が世間に知れたら、「じゃあ、これ以上原発はいらないだろ?」という世論が出てくるからだ。

おそらく東電はNAS電池を最大限に活用すれば原発の、少なくとも新規増設は不要かもしれない、という事実は知っていたのではないか?
しかし、原発はそれ自体が一個の産業と化しており、当然巨大な利権や既得権益が発生しているはずだ。

どんどん新しい原発を作って、ゼネコン、装置メーカー、メインテナンス会社などが末永く儲かるようにする。
新しい原発の必要性に疑問を抱かせるような技術は封印しなければならない。
未来への可能性を閉ざしてしまうから、御用学者に「原発は安全」と吹聴させるより、こっちの方がはるかに性質が悪い。

菅首相の「脱原発」も、この「原子力利権」と決別する覚悟があっての事なのかどうか、それがはっきりしないから今一つ信用できない。
エネルギー政策の見直しと言うが、従来の利権に代わり得る新しい利権がなければ、所詮政治というのはその方向には動かない。

孫正義氏のメガソーラー発電構想などを「どうせソフトバンクの利権のためだろ?」とくさしている人がいるが、それはその人たちの方がナイーブ過ぎる。
企業が動くのは所詮利益、利権のため。そんな事は資本主義社会の常識だ。

問題にすべきなのは、その利権追求行為が一般庶民と地球環境にとって、現在より良い結果をもたらすかどうか、なのである。
原発を駆逐できる新技術が利権として世の中にデビューし、その新しい利権構造の下で脱原発が進むのなら結構なことではないか?

福島県民が永遠に流浪の民になろうが、何万人もの子供たちが将来ガンになって死のうが、東北が死の土地になろうが、「うちの会社の儲け、自分たちの金には換えられない」。
これが資本の論理であり、資本主義国家に住んでいる限り、これから逃れる事はできない。

それが嫌なら社会主義国家に移民するしかないが、社会主義そのものが歴史的に終わっているし、現在残っている社会主義国家では人間の命なんて日本以上に軽々しい。

だから本気で脱原発を実現したいなら、蛍光灯のように封印されてきた技術を表舞台に引っ張り出し、新しい利権を作り出して政治家に提供するのが現実的な道である。
冷酷な資本の論理に対抗できるのは、同じぐらい冷酷な論理だけだ。

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2011/06/29 21:36
まあ偶然でしょうが、東京新聞がNAS電池の事を詳しく報道してます。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011062902000180.html

こういう物があるなら、まず宣伝してから電力不足をうんぬんして欲しいですよ、東電さん。
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2011/06/28 11:02
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=671552&aid=29349417へ伝言お願いします
原発不要論あがったりしますけど、難しい問題もいっぱいある
今ある原発を廃炉にしたところでじゃあ 燃料棒とかどーするのとか
それに変わるほかの電力を火力、水力などでどこまで補うの?とか
一概にいえないところでもあるし、狭い日本だからということもあるだろう・・・
また世界にはこれから作るところもあったりする
「(´へ`;ウーム
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2011/06/28 07:27
別に東電の擁護をするつもりは無いんだが、あなた、知識なさすぎ。
NAS電池は、東京電力管内でもすでに設置運用されてますよ(公式発表では2002年)。
佐賀県でも運用されてますし、もうちょっと全体を調べる癖をつけたほうがよろしいのでは?
また、初耳の方が多いのは当然。なぜなら、300度の高温という特殊環境でしか
運用できない電池だから、大型事業者とか大学などの実験室、電力供給事業者が
自分たちの設備として設置するためのものだからだ。
さらに実際にNAS電池が量産化されたのは、まだ2003年でしかないことも書いて無いな。
また、製造は世界中でたった一社でしかないことも。
海外で大容量のものが利用され始めたのは2006年に入ってからだ。
また、理論的には確立された技術であっても、原発と同様にデメリットがある事も
あなたは一箇所も書いていない。

そういった、中途半端な知識は、下に書かれているような「本当かどうか」が判断できない
意見を生む原因だと俺は思うよ。

最大のアナタが忘れてることは、分析したところで何も変わらないこと。
今、何が起こっているのかしってて政治家みたいなわけのわからん分析だけ書いてるのは
なぜ?
よっぽど街頭で反対運動してる人のほうが生産的だと思うよ。
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2011/06/28 00:55
東京電力は、嘘ばかりの報告している。
原発事故を全く止めようとしていない。
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2011/06/27 22:10
そうなんだ???

金の亡者が、、すべてを、、破壊していくんですね、、、

新技術があるんなら、、転換して行きましょう、

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2011/06/27 21:48
i一時期、マンションを造り続けていたよね。
ゼネコンの生きる道だ・・・
でも、今はそれほどでもない。
需要の無いものを作り続けるというのも大変なことだ。
それより、注目しなければならないのが、アメリカ。
戸建を大量に作り続けている。
金利が上昇すれば解決する問題だよ・・・




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