Nicotto Town



外国人観光客には食のタブーを考慮

震災と原発事故以来遠ざかっていた外国人観光客が少しずつ戻ってきているようだ。
東京の観光地近辺では一時聞こえなくなっていた中国語の会話をまた耳にするようになっている。
ついでに我輩のお屋敷の近くでは、小さな中華料理店がやたら増えてきた。これは中国人観光客狙いではないかと思う。

個人的には日本に来てもらった以上、日本の食文化を味わって欲しいのだが、いろんな国からの観光客を誘致するなら、ひとつ気をつけるべき事がある。
それは世界には宗教上の食のタブーがある国の方が多いという点だ。

イスラム教のタブーは結構知られているだろう。
アルコール飲料と豚肉禁止であるが、これはそう単純ではない。

まずアルコールだが、これは国によってだいぶ差がある。
一般的にイスラム発祥の地であるアラビア半島に近いほど厳しく、そこから遠くなるほど緩くなる。

サウジアラビアでは外国人と言えど酒は厳禁で、長期間滞在する欧米企業の駐在員の中には砂糖からアルコールを自家製造するキットを持ちこんでいた人もいたそうだ。
イランあたりになると、地域によっては自宅で人目に触れないように飲む分には黙認してくれるらしい。

東南アジア、南アジアになるともっと緩くなる。
以前パキスタンから来たイスラム教徒に「ビールでも一杯どう?」と言われて驚いた事がある。
イスラム教徒なら酒はご法度だろ?と言ったら、その答がふるっていた。
「アラーが禁じたのは泥酔するほど飲む事であって、ビール一本ぐらいは許される」

実際パレスチナやシリア産のビールなんてのもあるから、結構国により地域により違うし、どこまで厳格に守るかは本人次第というイスラム教の国も多いらしい。

ただし、豚肉の禁忌の方は全イスラム教徒共通に厳格だと思った方がいい。
インドのヒンズー教徒が牛肉を食べない事も有名だが、これは「牛は神聖な動物だから」という理由で、いわば禁断の味覚。だから都市部の世俗化した富裕層の中には、外国では平気で口にする人もいる。

それに対して、イスラムで豚を食べてはいけないのは「不浄な生き物だから」。
イスラム教徒にとって豚肉は「汚物」なのだ。
今の平均的な日本人が「蛇を食べろ」と言われたらぞっとするだろう。あの感覚に近い。
だから、ビールを平気で飲むイスラム教徒であっても豚肉は絶対禁物。豚肉を調理したのと同じ鍋や食器を使う事も絶対許容できない、という厳格なイスラム教徒もいる。

アメリカのインテリにはユダヤ教徒が多いが、ユダヤ教の食の禁忌はあまり知られていない。
まず四本足の動物は「蹄が完全に二つに分かれ、反芻する動物の肉」以外は禁じられている。
だから豚肉はユダヤ教徒にもNGである。あるいはイスラム教の豚肉のタブーは、ユダヤ教のそれを引き継いだのかもしれない。

魚介類でも「鱗のある海の生き物」以外は食べてはいけないとされる。
イカ、タコなどの軟体動物、エビ、カニなどの甲殻類はだめ。川魚も相手によってはNG。
またウナギも鱗がないからユダヤ教徒にはNGである。
ユダヤ教徒もどこまでこだわるかは人によるが、日本に来たからと言って寿司はNGである可能性が高い。

ユダヤ教徒の食のタブーで一番厄介なのが「肉と乳製品を同時に食べてはいけない」という物である。
一回の食事で両方を食べてはいけない。これは聖書に「子羊を母羊の乳で煮てはならない」というような記述があるから。

だから肉料理のデザートにアイスクリームはNG。チーズハンバーグも駄目。
意外と見落としやすいが、肉のソースにバターや牛乳を使うフレンチの手法もNGである。
イスラエルでは、一軒の家に肉を料理する流し台と乳製品を扱う流し台を別々にしたキッチンのある家が多いというほどだ。

ではキリスト教徒でアメリカ人なら大丈夫かというと、意外とそうでもない。
聖書の「全ての血のある物を食べてはならぬ」という記述を文字通りに解釈して、完全ベジタリアンであるアメリカ人のキリスト教徒も多い。

またユタ州に多いモルモン教徒というキリスト教の一派の人たちは「一切の刺激物」がNG。
酒、タバコはもちろん、コーヒー、紅茶、清涼飲料さえNGという人が多い。
たぶん日本茶もカフェインが入っているからNGだろう。抹茶味のお菓子やアイスも確認してから勧めた方がいい。

たぶん他の国の他の宗教にも日本人が知らない食のタブーはもっとあるかもしれない。
上記のような人たちが日本に観光に来て、ふらりとその辺の食堂に入ると、どれかの食のタブーに引っかかってしまう可能性が高い。

異国の食事は海外旅行の最大の楽しみの一つだから、日本に来てそれで嫌な思いをしたとか、食べられる店を探すのに苦労した、という経験をさせると日本の印象が悪くなってしまう。

外国人観光客を今後も誘致するなら、各国、各宗教の食のタブーに触れない事を表示するなどの工夫も必要になってくるだろう。

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2011/07/04 15:05
こんにちは><久しぶりです~~

恥ずかしいですか、日本能力試験でした。
合格できるかなあ~~~~~~^^

そうですね。。。主観的に食べ物は国境がないと思いますか、
私にとって日本食の魅力はやっぱり工夫が感じるところですね
形も繊細し、色も華やかにして。外国人にかなり人気がありますよ。

でも原爆のせいで、
本格なラーメンのために4月来るつもりオーストラリアの友達も予定をキャンセルしました。。。
そこまで気にする必要ではないなのに
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2011/07/01 03:44
ブログにコメント有難う御座いました
上の記事を見て感想を言うならば、
社会(この場合地理カナ??)は意外とおもしろい教科なのかもしれないと思えてきました
私は歴史を『苦手』と思っていたのではなく
単に、『興味のないことを覚える費用性はない』………そう思っていたのかもしれませんね
これからは頑張るのではなく、好奇心というのでしょうか…w
まぁとにかく何事にも興味を持って歩んでいこうかな?!ってなかんじです☆
訪問有難う御座いました。
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2011/06/29 09:24
広く 一般に浸透させるのは なかなかむつかしそうですね
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2011/06/29 01:08
母が大きな工場の食堂で働いてたんですが、
イスラム教徒用・ヒンズー教徒用のカウンターがあったそうです。
イスラムの人は、「このスープは豚肉を使ってるか?」まで必ず聞くんだとか。
工場からの指導で、鍋から別の物を使ってたそうです。
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2011/06/29 00:23
郷に入っては郷に従えは、通じない訳ですね。
日本人で良かったと思います。
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2011/06/28 22:32
中国人が増えてきたのは入国許可の条件が異様に緩くなっているからという面もあるので単純に喜べないのですが・・・
何しに来た人が増えたかにもよりますね。

日本人はほとんど食のタブーがない民族なので、そういった厳格さは想像もつかないところがあります。
イスラムでもユダヤでも食肉はその処理の仕方が決まっていたはず。
指定どおりの手順で処理されていない肉は食べられないそうです。

食のタブーのない日本に生まれてよかったとも思いますが、外国の方も日本の食を楽しめたらいいですね。
日本人はマークを作るのが上手いらしいので、宗教別お食事可能シールなんてのをデザインして流通させてもよいのかも。




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