放射性セシウムに汚染された牛肉が全国に出回っている事が判明し大騒ぎになっている。
まあ食べてすぐに具合が悪くなる程ではないそうだが、あまりいい気もちがしないのは事実だろう。

さて以前何かで聞いた事があったので検索してみたら、味噌を摂取すると体内の放射性物質を排出する作用がある、という説がやはりあった。
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http://www.takeya-miso.co.jp/column/008.html

ただ、見ての通り味噌製造会社の言っている事だし、効果が確認できたのがあくまでマウスでの動物実験なので、どこまで信用するかは各人でご判断を。

味噌などの大豆から作った発酵食品にはジピコリン酸という物質が含まれており、これが放射性元素を吸着するのは事実らしい。
だが科学者の中には、だからと言って味噌を食べれば放射能汚染に効くという説は真っ向から否定する人もいるようだ。

セシウムはカリウムに化学的性質が似ている。そのため主に筋肉に集まりやすい。
しかし放射性であっても、セシウムそれ自体が化学的な毒性を持っているわけではない。
だから放射性セシウムを含んだ牛肉を食べたとしても、中毒のような急性の病気は起きない。

放射性セシウムはベータ線やガンマー線という放射線を四方八方に放出する。
これが細胞の中のDNAを壊してしまい、その細胞が分裂して増殖する時に遺伝情報のコピーミスを起こしてガン細胞になる危険がある。
放射性セシウムを含んだ牛肉を食べてしまった場合の健康被害とは、主にこれの事である。

だが、同じ量の放射性物質を摂取してもガンになる人とならない人がいる。
広島、長崎で被曝した生存者でも全員がガンになったわけではない。
同じレベルの放射線を浴びても、ガン化の可能性は個人差が大きいのである。

一方で、ガンにならないという保証もない。
もともと自然界には原発が発明される以前から微量の放射性元素は存在している。
ウラン鉱山がある場所などではこの量が多いため、自然の物であっても放射性物質が食べ物に混じって体内に入り込む危険はある。
よくニュースで聞く放射性元素の「基準値」というのは、もともとは自然界に元から存在する放射性物質の危険性を計るための物だ。

今回の場合、原発から大量に漏れ出た人工的に作られた放射性元素なので、これまでの科学的常識がどこまで通用するか分からない部分もある。
しかしパニックに陥ったところで問題が解決するわけではない。
ガンで死ぬかどうかなんて専門の科学者にだってはっきりとは分からないのだから、可能な限り日常的な努力でリスクを減らす事だ。

セシウムはカリウムと間違えられて体内に取り込まれる。そしてセシウムは水溶性、つまり簡単に水に溶ける。
ならば水分をたっぷり摂って汗を流す事だ。ちょうど夏の盛りで、かつ節電でエアコンの使用を控えている人も多いだろうからちょうどいい。
万が一放射性セシウム入りの牛肉を食べてしまったとしても、たっぷり汗をかいて便通をよくしておけば、一回や二回分の食事で入り込んだセシウムを早目に排出することは可能だ。

味噌が仮に放射性物質排出に効くとしても、極端に大量に摂取すると塩分過多になってかえって健康に悪い場合がある。
三食必ず味噌汁をつける、というぐらいでいいだろう。

またカリウムは血中のナトリウムが過多の場合、それの排出を促す作用もあるから、ポテチなどの塩分の多いスナック菓子などを食べ過ぎていると、体がカリウムを必要としてその結果、化学的性質が似ている放射性セシウムの吸収を助長してしまったり、体内に長く引きとめてしまう可能性もある。

味噌自体に放射性物質排出作用がそれほどなくても、毎回味噌汁のついた食事という事になると自然と和風の献立になり、栄養のバランスが良くなる事が期待できる。
また細胞が傷ついた場合、ビタミンCを充分摂ると細胞の修復が助けられる。

もし放射性セシウムに汚染された牛肉を食べてしまったかも？と思っても、明らかに体に異常が出てきたのでない限り、パニックにならず、とりあえず味噌汁を欠かさず飲むとか、食生活に気をつけてしばらく様子を見る、というのが一般人に可能な対処法である。