「セシウムさん」騒動に疑問
- カテゴリ:テレビ
- 2011/08/30 15:09:41
東海テレビの「セシウムさん」とかのふざけたテロップ騒動は、それを作成した下請けのスタッフが解雇された事で幕引きになったようである。
我輩は検証番組を見ていないので詳しい部分は分からないのだが、どうも釈然としない部分が残る。
問題のテロップはあくまでテスト用に作られた試作品である。
テレビの画面に映った時に、文字の大きさとか色とか位置とかがOKかどうか?をチェックするために試しに作ってみた物であり、本来放送の本番では絶対流れるはずのない物だった。
こういうテロップ作成などの単純作業は下請けの製作会社にやらせているテレビ局が多く、下請けにはレベルの低い社員も多いらしい。
本番で使われるはずのない物だから、普段からいろいろ悪ふざけをして遊んでいる事は珍しくないそうだ。
そんなテロップが流れてしまった以上、テレビ局が平身低頭して謝罪するのは当然だし、下請けのスタッフがクビになったというのも結果責任としては仕方あるまい。
だが、「リハーサル用のテロップがなぜ本番で流れてしまったのか?」という点は検証されたのだろうか?
ニュースサイトに流れている報道を見る限りでは、この点に言及がない。
「岩手県の農家、被災地に申し訳ない」というのは、ある意味当たり前の結論であり、視聴者が本当に知りたかったのはその先ではなかっただろうか。
「セシウムさん」などのテロップは本番では流されるはずのない物であり、ちゃんと本番用の真面目なテロップがあったはずだ。
この差し替えが行われなかったのは何故なのか?
テレビ局の正社員のチェックが適切に行われていなかったから、という部分こそが最大の問題ではないのだろうか?
テロップを差しかえるのを忘れた、そして間違ったテロップが流れるまでの過程を正社員がきちんと監視していなかった。
これが最大の問題であり、本当の原因だ。
だから、リハーサル用の仮テロップであっても本番用と同じ文言で作成するようにする。
こういう事を約束しないと再発防止にはならないのではないだろうか?
かつてわが世の春を謳歌してきたテレビ局もメディアの多様化で広告収入などが減り、人件費を大幅にカットしたため、実際の作業は大半が下請けのスタッフ、テレビ局の正社員は横から口で指図するだけ、という現場が多いという。
バラエティー番組だから、正社員も「テキトーにやってりゃいいや」という意識が強いのではないだろうか?
業績が悪くなると企業は真っ先に人件費に手をつけるが、本来は正社員が責任を持つべき事まで下請けに押し付けている場合も多いのではないだろうか?
下請けや不正規雇用の人は、終身雇用の恩恵などとは無縁だから無条件にその会社に全身全霊を捧げねばならぬ、という意識などない。
しかし、経営者、特に管理職世代は終身雇用が当然の時代の感覚でしか物を考えられないから、そこに意識のギャップが生じる。
人件費をけちって下請けや不正規雇用が多い職場こそ、正社員は昔以上にしっかりしていないといけないはずだ。
今のテレビ局の正社員スタッフはその点どうなのだろうか?
正社員の地位にあぐらをかいて、本来の職責を果たしていない。
あるいは、あまりにも忙しすぎて本来の職責を果たす事が物理的に不可能である。
このどちらかのパターンに陥っていたために、あのテロップ問題は起きてしまったのではないか?
テロップを作ったそのスタッフには同情は出来ないし自業自得だと思うが、この結末、どうもトカゲのしっぽ切りで終わったような気がしてしょうがない。
またテレビ局も人件費カットは仕方ないとしても、カットの仕方を考え直すべきかもしれない。
題名などは忘れたが、松本零士さんのマンガ作品のラストに印象深いセリフがあった。
こんな感じである。
「この世界には決して欠けてはいけない大切な部品がある。それは『ムダ』という部品である」
乾いていると思っても、思いっきり搾ってみるものだ。
水が出てくる。
それが、人件費。
いくらでも搾れるものなんです。
実際その映像を見ていないのでどういう事なのかよくわかりませんでしたが、背景がなんとなくわかりました。
危険なお米セシウムさん とか 当選者の欄に書いてあって
司会者が、良いお米だということを話しているのに、そのボードがアップになるんです。
カメラマンも、すぐ気が付くはずなのに・・・・
みんなどんな仕事しているんでしょうと、びっくりしました。
例えばうちの施設で支援について職員研修をしたとして、ふざけて利用者のことを悪し様にいうようなことが許容されていたら、実際の支援の場でもそのような意識が頭をよぎったり、口走ったりする可能性はあるでしょう。
今回はテロップでしたが、そういった気風は番組の別の部分に現れた可能性だってありえます。
安価とはいえ仕事に従事している以上、応分のプロ意識は必要であろうと思います。