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放射能汚泥の最終処分は無人島で

関東地方でも放射性物質を高濃度に含んだ汚泥の処分が頭の痛い問題になりつつある。
政府はとりあえず各自治体で「仮置き」するよう指示しているが、その仮置き期間が一体いつまでになるのか不明なため、受け入れを拒否する市町村が出てきている。

特に農業地帯だと、仮置き場があるというだけで風評被害に遭うのではないかと心配する地元住民も多いようで、このままでは数カ月で関東、東北全域の自治体の処理能力がパンクする。

福島県の汚染レベルと比べれば低い濃度なのだが、それでも「放射能」というだけで拒否反応が出てしまう。
人情としては仕方ないとは思うが、このままでは日本全国で「ババ抜き」みたいな状態になってしまう。

国土の狭い日本では最終処分場を確保する事は、物理的にも候補地の住民感情の上からも至難の業だろう。
だが、無人島ならどうだろうか?

日本には約6千400もの無人島がある。
無人島に深い穴を掘って、穴の底を樹脂や粘土層で覆って漏えいを防ぎ、上には鉛入りの分厚いコンクリートで蓋をして、仮に台風が直撃しても漏れ出さないようにする。
こういう方法で仮置きなり最終処分を出来ないものだろうか?

まず可能な限り放射性物質を分離し、汚泥やはぎ取った表土の体積を減らす。
セシウム、ストロンチウムを化学薬品で沈殿させる技術は既にフランスのアレバ社が実用化していて、福島第一原発内での汚染水処理に使われている。
完全に分離するのは不可能だろうが、処理する汚泥、土壌の体積を少しでも減らす。

無人島であれば「地元住民」は存在しないから、万一の被害も反対も起こらない。
もちろんどこの島でもいいわけではない。
それなりに大規模な処理場になるから、島自体もある程度の大きさが必要だ。

さらに火山島でない事。少なくとも活火山がない事。
万一その島で噴火が起きて放射性物質が改めてまき散らされたら、何にもならない。

次に希少生物の生息地や繁殖地でない事。
鉛とコンクリートで厳重に封印するとしても、絶滅危惧種がいるような島は避けた方がいいだろう。

またいくら無人島でも人口密集地から充分離れている事。
瀬戸内海にも無人島は結構あるだろうが、あそこはいくらなんでも人口密集地に近過ぎる。

日本海側の島もやめた方がいいだろう。
対岸の国が文句を言って来る事は目に見えている。

これらの条件を全て満たすとなると、太平洋側の無人島という事になる。
そうなると日本に無人島がいかに多いと言っても、使える島は限られてくる。

とりあえず考えられるのは硫黄島ではないだろうか。
自衛隊の基地はあるのだが、一般人は上陸するだけでも国の許可が必要な島で、かつ本土から遠く離れている。

福島県の除染に伴って出る高レベルの放射性物質の混じった汚泥、がれき等を埋設出来、安全に管理出来るとしたら、第一候補である。
さらに硫黄島は行政区分としては東京都に属している。

福島原発の恩恵を最大限に受けて来た自治体と言えば東京都である。
無人島である硫黄島を最終処分場として提供するぐらいのリスクは受け入れるべきではないだろうか?
また東京都も下水処理場にたまった高濃度汚染汚泥の処理が出来なくて困っている。
その汚泥の処分場にも使えるなら、他人事ではないはずだ。

もちろん硫黄島で埋設する場合、駐留する自衛隊員が被曝する事がないように、封印は厳重にする必要がある。
だが自衛隊の存在はもう一つの利点がある。

高レベル放射性廃棄物は、テロの道具になり得る。
人目が届かない島に放置しておいて、国際テロリストに盗み出されたりしたら大変だ。
だから高濃度放射性廃棄物の最終処分場は、自衛隊による定期的なパトロールが必要だし、出来れば自衛隊部隊に常駐してもらった方がいい。
その点、硫黄島には既に自衛隊基地があるのだから、テロリストはそう簡単に侵入できまい。

知っての通り、硫黄島は第二次大戦末期の激戦地で、当時の日本守備隊の遺骨が未だに残っていると言われている。
だが遺骨収集の妨げにならない場所を選ぶ事は可能だろう。
仮に遺骨収集が出来なくなるとしても、「お国のため、日本を救うため、日本の子供の未来のため」と言って頼めば、英霊のみなさんも我慢してくれると思いたい。

福島の痛みを全国で分かち合おうと言葉で言うのは簡単だが、「うちの地元に放射能を持って来ないでくれ」という各地の住民の気持ちも無視はできない。
単なるきれい事にしないためには、東京都民が遠く離れた無人島なら最終処分場として提供してもいい、という程度の誠意を率先して示そう。

東京都が先陣を切れば、低レベルの物なら、という自治体も出てくるかもしれない。
それが福島原発の恩恵を最も多く受けてきた者の「ノブレス・オブリージュ」ではないだろうか?
東京都民の一人として、是非政府にこの案を検討していただきたい。

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2011/10/01 15:55
放射性物質を運ぶと言うのは、とてもリスクがあるような・・・
福島5km圏内に埋め立て処分場を作るべきでは?
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2011/09/30 23:07
なるほどコレも一つの打開策ですね。
ただ硫黄島がご自身で掲げられている条件に必ずしも合致していないのでは?
と思われるのですが?
名前からして火山島系ではないかとウィキ見てみたんですが(^^ゞ
何にせよ、私が提案している福島封鎖&処分場という計画よりは、はるかに穏当
ではありますよね(^_-)-☆
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2011/09/30 22:55
関東圏のニュースになっていることが多いですが、兵庫県にも瓦礫処理の問い合わせ(もし頼んだら処理してくれるのかというレベル)はあったようです。
対応は自治体によって様々。
現実に受け入れるとなるともめる自治体も出てくるかもしれませんね。

最終処分場を選定するのに管理のきく無人島というのはひとつの案ですが、政府は処理すべき量を把握できているのだろうか。
仮に硫黄島を処分場にしたとして、自衛隊が駐屯しているという性格上、処理の様子などが公開されにくい可能性も十分にあります。
この島だけで処分できる分量ならまだしも、複数必要となると理解を得にくい場合もあるでしょう。

運送手段は船を活用することになるでしょうが、海洋上で天候などのトラブルに遭う可能性も想定しておく必要がありそうです。
駐屯している自衛隊員が常に廃棄物を念頭に置いておかなければならないとなった場合、万が一の作戦行動に支障をきたす可能性も指摘しておくべきでしょうか。

完璧な回答というものがない問題だけに難しい判断が求められそうです。




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