Nicotto Town



TPPは悪法である、故に参加すべき

TPPに関する報道がかまびすしいが、ここまでの経緯を見る限りでは「枠組み作りの交渉」への参加は強行されると思った方がいい。
日本を含む10カ国で「TPPのルールってどんな風にしましょうか?」を話し合って決めましょう、という交渉に参加するわけだ。

TPPが発効すると日本に大打撃を与えるという理由で反対する人と、いやそれは杞憂であってメリットの方が大きいという理由で賛成する人に、国内は二分されている。
この期におよんでTPPに関する情報を国民に開示しない点から見て、打撃、デメリットが多いのは確かなようだ。

しかし、だからこそTPPに参加して、一度日本は堕ちるところまで堕ちてしまった方がいいのではないか?

TPPにおけるアメリカの狙いは対中国包囲網などの政治的意味もあろうが、最大の狙いは「米ドルの国際基軸通貨としての地位」を守りたいという事だろう。
戦後米ドルは国際貿易、特に石油取引の決済通貨として使われて来た。
ソ連崩壊後は事実上の世界共通通貨になり、それがアメリカの経済力の源泉だった。

だがEUのユーロが誕生し、中国などの新興国が世界経済に占める比重が上がって来ると、米ドル以外の通貨で貿易を決済する事が増えて来た。
それはアメリカ自体の凋落を意味し、リーマンショックでその流れは決定的になった。

TPP圏内で米ドルが国際決済通貨として使われ続ければ、米ドルは「アジア太平洋地域の共通通貨」であり続ける事が出来る。
だから世界第3位の経済大国である日本の参加がどうしても必要なのだ。

さて今の日本は開国直前の江戸時代に似ている。
長い平和と社会的安定は続いてきたが、身分制度で個人の才能は活かされず、どこまで出世できるかは生まれた時点であらかた見当がつき、前例重視で新しい事は何もできず、庶民は洗練されてはいるが退廃した歌舞伎などの娯楽にしか興味がない。

戦後一度も戦争がなく、生活は便利で豊かだが、金持ちしか一流大学に入れず、従って彼らしか大企業の正社員になれず、会社で何か前例のない事を試そうとすると老人管理職に止められ、難しいニュース番組は見ないでアニメやアイドルやお笑い芸人が友人との唯一の共通の話題。
よく似ていないだろうか?

幕末の開国は世界情勢や貿易の知識皆無の幕府が、欧米諸国と事なかれ主義で交渉に臨んだため、不平等条約を押しつけられて国内は大混乱した。
貿易でもやればやるほど日本が損をするという構造になっていた。
外国人が持ち込んだ伝染病のまん延、外国人による乱暴狼藉、農産物の買いたたき、経済不安による失業者の増加などなど。

現在TPPが引き起こすんじゃないかと心配されている問題のほとんどを、幕末に経験済みなのだ。
その結果日本と言う国家は滅んだか?
徳川幕府は滅んだが日本自体は様々な矛盾を抱えながらも、明治維新を経て歴史の新しい段階へ進んで行った。

その過程で、幕藩体制の下では一生日の目を見れなかったであろう人たちが「前例のない抜擢」を受けて表舞台に登場し、重要な役割を果たした。
西郷隆盛しかり、高杉晋作しかり、坂本龍馬しかり、岩崎弥太郎しかり。

TPPが日本をめちゃくちゃにするとしても、多分参加はもう阻止できない可能性が高い。
ならばTPPに幕末の不平等条約と同じ役割をさせればいい。
日本を一度めちゃくちゃにして、古い政治、経済の秩序を根底からぶち壊し、そして一からこの国を作りなおしていけばいい。
明治維新の指導者がそうしたように。
第二次大戦敗戦後の日本人が廃墟の中でそうしたように。

一時的に経済が大混乱するとしても、そのうち「平成の西郷隆盛」や「平成の坂本龍馬」が現れる。
特に20世紀の成功体験、右肩上がりの時代を知らない若い世代にそれを期待したい。
TPPが徳川幕府末期の老中のような企業経営者、政治家、その他各界の「重鎮」を淘汰してくれるなら、それも結構ではないか?

そして今はまだ「平成の龍馬」を望む段階ではない。
今の日本に必要なのは「平成の勝海舟」である。

幕藩体制での龍馬は武士とは名ばかりの下層階級であり、生まれた時から「負け組」として一生を終えるはずの人間だった。
特に土佐藩から脱藩して以降は、自身も成り上がりとは言え幕府の直参御家人の身分であった勝海舟にとっては「人間扱いする必要もない相手」だったはずだ。

勝海舟がどこの馬の骨とも知れない龍馬の能力を見抜き、育てたからこそ、後年の龍馬が存在し得た。
今の企業で言うなら、三流大学出の派遣社員かアルバイトの才能を見抜いて、本人の力で重役になれるまでに育て上げたみたいな話だ。

TPPが亡国の選択だとしても、避けられない破局を憂いて、嘆いて、怖がっているだけでは何も始まらない。
「平成の龍馬」が次々に現れなければ本当に日本は滅ぶ。

十年後の平成の龍馬のために、現代の企業経営者、管理職は自らが「平成の勝海舟」たるべし。

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2011/11/05 09:26
コレも一つの解決方法かもしれませんね(^^ゞ
諸手を挙げて賛成するには、かなりの勇
気と覚悟がいりそうですが...
私にはまだそこまでの根性がありません(>_<)
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2011/11/03 23:32
TPP私は怖いものがあります
日本の木材が衰退してしまったように日本国がしたいするのではないかと不安がつきまとっています
起こってからでは間に合わないから起きる前に政治家はよく調べて行動を起こしてほしいものです
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2011/11/02 23:44
確かにTPP呑まざるをえないかもしれんな~。その後を考えるのは必要な事だな。
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2011/10/31 23:26
おっしゃるようにアメリカが本当に結びたい国は日本だからこそ強圧的ともとれる態度を示してまで日本の参加を促しているのでしょう。
日本は何を基準通貨として使い続けるのか、労働条件など国内に与える影響はどのくらいあるのかなど見極めて結論を出さなければならないのですが、本当に公式情報が出ないから噂も含めて情報が錯綜している感があります。
今のところ農業問題に矮小化したいのだということはよくわかりますが。

江戸時代後期、既に身分制度は崩れつつありました。
旗本・御家人の地位だってお金で買えるような時代であり、米中心の相場を標榜しつつ実態は貨幣経済へと移行し、幕命も諸大名の反発にあえば遂行できないなんて事も(上知令とか)。
後に列強となった諸藩は改革派によって財政再建が図られていましたし。
現在を当時となぞらえるなら、残念ながら開国の時点にすら至っていないと見るべきかも。

それと坂本竜馬ですが、実際の彼は筆マメな割に実態不明ですからね~
小説で有名にならなければ埋もれたままだったでしょう。
彼が仲介役として果たした役割や個人的思索には優れたものもありますが、それを以て過大評価するのもどうかと。
歴史を動かしているのは意外と凡人だったりもするんですよ。

だから100年の天才を待つより自分たちが少しずつでも前にってあがいている方が事態は改善するのかも、と思っています。
あがいている内に、特別な役を割り振られる凡人が現れてくるんじゃなかろうかと。
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2011/10/31 22:49
中東やアラブのように国民が行動を起こせない眠れる国・日本には、仰るような逆療法しか
ないようですね。食糧安保論で補助漬けにされて、抜本的改革へ向かわない農業も死活問題の
渦中に投げ込まれると目が覚めるかも・・・。
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2011/10/31 20:53
カルフォルニア米が10キロ500円とかで買えたとしたら…
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2011/10/31 18:04
そう願いたいですね^^b




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