Nicotto Town



TPPに向けての新しい農産物

東日本大震災は既存の農業への打撃もさることながら、新しい形の農業も危機に陥れてしまっている。
青森県の小さな企業が「ハラルの鶏肉」の輸出を狙っていたのだが、実現寸前で震災が起き、餌の入手が困難になって存続の危機にあるという報道があった。

一部の高級ブランド米や東北の高品質リンゴは既に中国などに輸出されている。
「ハラル」の食材の輸出というのは今後を考えるといけそうだと思うのだが、このまま立ち消えになってしまうのはもったいない。
農林水産省には、こういう試みをこそ支援して欲しいものだ。

ハラルと言うのは「イスラム教徒が食べて問題ない」という意味である。
豚肉がタブーなのは有名だが、イスラムの食のタブーはそれだけではない。
鳥や魚であっても、豚肉由来の餌で育てたものは厳密にはアウトである。
餌の中に豚のラードが一滴でも入っていたり、豚の体から抽出した成分が使われていたら、全てイスラム教徒は食べられない。

その他、鳥や羊でも、喉を鋭い刃物でかき切って一瞬で絶命させる、その際イスラム教の宗教的指導者が立ち会って祈りを唱えていないとダメとか、細かい規定を全てクリアして初めて「ハラル」と認められる。

だから日本に住むイスラム教徒が一番苦労するのは食べ物だそうだ。一見大丈夫に見えても思いがけない所に豚由来の成分が使われている可能性があるからだ。
イスラム教徒御用達のスーパーなどもあるのだが、全国では数える程でしかない。

どこまでハラルにこだわるかは人によるのだが、完全にハラルである事が保証されている食材が日本で手に入るに越した事はない。
こういう日本在住のイスラム教徒のために完全ハラルの鶏肉を製造し、なら輸出も狙ってみようというのが青森県の試みだったわけだ。

イスラム教徒は中東だけでなく、アフリカ、インド、東南アジア、中国にも大勢いる。
特にアフリカ、インド、インドネシアは国の人口がこれから大幅に増えると予想されているから、ハラル食材への世界的需要は高まる。
特に農業生産力があまり大きくない国の場合、飼料作物を大量に消費する食肉を自国で完全自給できない場合もあるだろう。

またインドで「ビーフ」の消費が増えているらしい。もちろんヒンズー教徒の間でも、である。
ほ、ほう、インドのヒンズー教徒もそこまで世俗化したか?と思ったらそうではない。
インドの「ビーフ」というのは水牛の肉なのだ。

ヒンズー教で「神聖な動物だから殺したり食べてはいけない」のは、あくまで日本で言う「牛」であって、水牛は食べてかまわない。
いわゆる「アジア水牛」という種類で、角を正面から見ると三日月の様につながっている水牛である。

このアジア水牛、必ずしも水辺や湿地帯でなくても育つらしい。
東ヨーロッパで飼育された事もあるらしいから、亜熱帯でなくても飼育は可能らしい。
肉は筋張って固いと言われるが、これは農耕作業や荷物運搬に使役された後、年取った個体を解体した肉だからだろう。

このアジア水牛を日本で最初から食用として飼育して、その肉をインドのヒンズー教徒用に輸出してはどうか?
インドなどでは食肉専用に水牛を飼育する余裕はまだないだろう。
日本の畜産技術で最初から食肉用に育てたら、ヒンズー教徒の舌をうならせる物が出来るかもしれない。

TPPが発効すると日本の米農家は壊滅すると言われているが、世界中で国際的に取引されている米の7割がインディカ米である事はなぜか議論の前提になっていない。
日本で普通の米はジャポニカ米という品種で、基本的に東アジアでしか栽培されていない。
他はアメリカが日本に売り込もうとカリフォルニアで栽培しているぐらいだ。

インディカ米は細長い長粒種というタイプで、東南アジアを旅行した事がある人は食べた覚えがあると思う。
水分が少なくパサパサした食感で、日本食には合わない。

だが、日本でもわざわざインディカ米を使っているレストランがある。
東京の高級タイ料理レストランで、800%近い関税を払ってタイから米を輸入している所がある。
タイ料理はインディカ米に合わせて発展した調理法だから、本格的なタイ料理にはやはりインディカ米でないと、と言うのだ。

東南アジア料理、メキシコのジャンバラヤ、スペインのパエリア、イタリア風ドリアなどなど、世界の米料理には、インディカ米で作った方が美味しい物はいくらでもある。
日本では一部の農家が実験的に栽培した事はあるようだが、本格的な生産流通はまだ無いようだ。

ブランド米に勝てない米農家はインディカ米を作る、という選択肢もあり得るのではないか?
日本でも、今日は和風のおかずだから普通の日本米、明日はエスニック風スープカレーだから国産インディカ米にしよう、という使い分けが出来てもいいはずだ。

エスニック料理店などからの需要も、日本全体でとなると馬鹿にならない量になるはずだ。
TPPを怖がる前にこういう事も考えてみては?

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2011/11/15 10:16
遅まきながら、ブログ拝読しました。
よく考えられたご意見だと感じました。
農水省にこのようなことを考える部署はないのでしょうか?
考える力が無いとは思えませんが、提案して失敗することを恐れて何もしない、では
無駄飯食いの給料泥棒です。
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2011/11/13 08:42
豚骨ラーメンはまず過ぎるかも。
豚がタブーってのは一般常識の部類ですから、故意にイスラム教を冒とくしたと思われても仕方ないパターン。

食のタブーといえば、ユダヤ教徒にもあったような。
そこから派生したはずのキリスト教ではあまりきかないのも不思議なものですね。
ユダヤ教といい、イスラム教といい、砂漠で他民族・部族の圧迫を受けながら誕生した宗教は戒律が厳しいのかも。
決まり事を守れないと部族の死に直結することもありますからね。
日本の宗教がおおらかなのは海で外敵から守られてきたこともあるのでは。

日本の場合、生産コストをどうするのかというのと、開発した農作物の生産技術や苗をどう守るかというのが課題。
品質改良した苗が持ち去られて他国で栽培されているようではしんどいでしょう。
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2011/11/13 08:36
TPPに参加表明しても多国間の論議では日本だけ外されました。蚊帳の外。
TPPで多国間の決め事が決済されてから日本に注文だけ来そうな予感しませんか?
日本の外務省って外国の人に物凄く嫌われてるですよねぇ~
だって食べられない人がヨーロッパにもアメリカにもいるのに・・・
パーティーばっかり開いてるから・・・それで情報が取れればいいけど・・・
今度のコトで判る。外務省って意味ナイ!
今回みたく日本だけ外してTPPの論議スヨ~
日本の首相も外務省も馬鹿じゃね・・・orz
農産物はTPPだからって外国が関税を外さない可能性が高いです。
なので・・・日本製品にはすべての関税の足かせを~
外国からは関税ナシで日本が買え~!っう方式になりそうな予感・・・orz
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2011/11/12 23:14
えーと・・・TPPとは?

すみませんw全然わからないw

あー、この間社会の先生とお話してて、ちょっと違うんですけど、イスラム教のどうたらこうたらと話してました。
なんか、ある人がイスラム教のお友達にラーメンを食べさせたそうなんですね。「豚骨」を。その人はイスラム教の人が豚を食べたことがないと思って、親切だと思って全額払って豚骨ラーメンを頼んであげたそうですw
イスラム教のお友達は、それを「おいしい、おいしい」といいながらスープも1滴も残さず食べたそうですが、あとで「豚おいしかった?」と聞いたとき、食べたものを全部その場で吐き出して泣きながら帰っていったそうです。
その人は親切にしてあげてたつもりだったのでこんなにひどいことされて・・・と思ってるそうです。私だったら別にいいや、と思います。まぁ、私は宗教がないのであんまりわからないのですが・・・。

すみません、話が全然違う方向にずれてしまいましたね。

お疲れ様でしたw
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2011/11/12 22:17
インドでは水牛の肉を、バフといって昔から食べてますね

ハラルも、よく考えたらいいアイデアだと思います。

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2011/11/12 21:50
すごいギッシリ^^;

手疲れた??フフっ♫
頑張りましたね~
ゆっくりお茶でもどうぞ( ^^) _旦
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2011/11/12 21:33
ごくろう




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