Nicotto Town



海上自衛隊の近代化

今小説のネタにしようと、世界の最新兵器の勉強をしている。
来年、海上自衛隊に新戦力が加わる事になっている。
3月に「あきづき」という新型護衛艦が就役する予定である。

汎用護衛艦というタイプで、対空、対艦、対潜ミサイルを全て装備し、ヘリも1ないし2機搭載できる。
一隻でパトロール、航空機の迎撃、敵艦との戦闘、潜水艦への攻撃を全て行えるので「汎用」という。

さらに「あきづき」型はステルス艦であるというもっぱらの噂である。
もちろん艦艇のステルス性能は限度があるのだが、仮に日本を侵略しようと近づいて来るどこかの国の軍艦がある場合、あきづき型はレーダーで捕らえられても漁船程度の大きさとしか見えないそうだ。

「なんか、200トンぐらいの船がこっちに向かって来てるな。漁船かな?」と相手が思っていると、実は基準排水量5000トンの巨大な戦闘艦だった、というわけだ。
ミサイルの射程距離に入ってしまえばこっちのもの。
あきづきに装備される対艦ミサイルの最大射程は200キロだそうで、水平線の向こう側から狙い撃ち、なんて事も可能だ。

現段階では4隻同型艦が建造される予定で、1番艦のあきづきはもう進水して艤装の段階にある。
2番艦「てるづき」も既に建造中、2013年に就役の予定である。

こう書くと日本がすごい軍備増強をやっているように思えるかもしれないが、そんなわけではない。
戦闘用艦艇の、実戦で使い物になるという意味での寿命は世界的に短くなって来ており、日本もだいたい30年ぐらいで退役させて新型艦と取り換える。
そろそろ老朽化してきた護衛艦があるので、その後継ぎとして建造されるわけだ。

また防衛省は2020年を目指して、燃料電池で潜行する潜水艦の開発を目指している。
現在の最新型潜水艦は「そうりゅう型」というのだが、この「非大気依存性」をより高めた新型を開発しようというのだ。

潜水艦は用途では「戦略潜水艦」と「攻撃型潜水艦」に分かれる。
前者は核ミサイル、それも大陸間弾道弾を10発も20発も積んでいる巨大な潜水艦で、動力は原子力である物が多い。
後者は魚雷や対艦ミサイルを発射して敵の船を水中から攻撃するタイプ。

自衛隊は専守防衛なので、当然戦略潜水艦は要らないし持っていない。
だが通常動力の攻撃型潜水艦に関しては、性能、乗員の訓練度などは世界でもトップクラスである。
海に囲まれている日本では、侵攻してくる敵を迎え撃つには潜水艦が第一の防壁である。

昔の潜水艦は夜に浮上してディーゼルエンジンを回して鉛式バッテリーを充電し、敵の飛行機に見つかる危険のある昼間はバッテリーで潜行するという方式だった。
水中にいる時はエンジンの排気ができないので、エンジンを回せないのだ。
これを「大気依存性」と呼ぶ。

その後シュノーケルを水面上に出して潜行中もディーゼルエンジンを回せる物も出来たが、それでも海面すれすれまで浮上していなければならないため、潜水艦の最大の武器である隠密性、つまり深い海中にいて見つけられない、という利点を損なう。

そこで空気を必要としない動力源はないのか?と考えた結果、スターリング機関なる物が開発された。
ケロシンと酸素を別々に積んだ燃料タンクを備えて、この二つを反応させてエンジンを回す。
この方式だと深い水中にいたままエンジンを回して航行し、バッテリーを充電する事も出来る。
こういう事が出来る事を「非大気依存推進」といい、今の最新型である「そうりゅう型」は全てこの機能を持っている。

潜水艦の最大の課題は敵に見つからない事である。
そして潜水艦が敵に見つかる最大の原因は音だ。

燃焼式エンジンはどんなに静粛性を高めてもそれなりに音が出る。
水は空気より音を伝えやすいので、軍艦はソナーという水中の音を増幅して拾う機械を装備している。
海の真ん中で水中から機械音が聞こえてきたら、まず敵の潜水艦と考えていい。
位置を特定されてしまうと、磁気追跡式の魚雷や水中ミサイルが飛んできて一巻の終わりである。

だから戦闘中はバッテリーだけで航行するのだが、従来のバッテリーでは稼働時間が限られる。
そこで「そうりゅう型」のこれから建造する潜水艦にはリチウムイオンバッテリーを導入するはずだったのだが、政府の財政難のあおりで計画がとん挫してしまっている。

燃料電池はスクリュー以外の機械音を出さないし、海水を電気分解して水素を補充してやればいくらでも電気を使えるから、原子力潜水艦並みに3か月ぐらい潜りっぱなしという事も可能になる。
こっちは予算不足で実現しませんでした、という事にはならないで欲しい。

自衛隊の護衛艦や潜水艦は、大きくなるのと反比例して乗員数は減っている。
護衛艦で一番古い「あぶくま型」は2000トンで120人だが、「あたご型」は7750トンで300人。
トン数との比較で考えると、より少ない人員で効率的に任務を遂行出来るようになっている。

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2011/12/26 08:56
日本は憲法により戦力を持たないとされていますけど、あまり守られてるとは言い難いですね^^;
(かといって自衛のための戦力を失うのは大きな痛手)

あくまで自衛とのことですが、現代の戦争は一体どんな形をとるのか疑問なところです。
戦略兵器が飛び交うようなことはさすがにないと思いますが……
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2011/12/26 06:59
潜水艦の場合、乗員のためのスペースはかなり狭そうでしたが。
呉の資料館だったか見学したことがありますが、不知詠人さんも楽しめるのでは。
もっとも、展示しているのはかなりの旧式です。
(最新型の技術全面公開する馬鹿はいませんわな。)

日本は海洋国家なので海の守りは惜しまないでもらいたいものです。
攻めようとしてもただではすまないというだけで安全の確率が上がるのですから。
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2011/12/26 01:02
うひゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そうなんだ?





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