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戦後教育と民主党の迷走

一般相対性理論で有名なアインシュタインに有名な失敗談がある。
理論物理学では波動関数方程式という素人には理解不能なムズイ計算を使うのだが、この方程式、前提の立て方によって何十通りもの全く違う解が出てくるそうだ。

ある時アインシュタインが宇宙理論の研究で自分が作った方程式を解いたら「んなわきゃないだろ」という解が出てきてしまった。
そこであわてて「宇宙項」という定数を付け加えて方程式そのものを書き直した。
その結果に基づいて後の研究を進めたため、アインシュタインの晩年の研究は大失敗に終わった。

その「んなわきゃない」解とは何だったのか?
「宇宙は今も膨張している」という事を示す解だったのだ。
知っての通り、宇宙が現在も膨張し続けている事は後年明らかになり、今では科学の常識になっている。

だが、アインシュタインでさえ「宇宙の大きさは一定のはず」という当時の常識に囚われて、晩年の大半を無駄な理論構築の努力につぎ込んでしまった。
アインシュタインも晩年、人生最大の不覚だったと後悔している。

あれほどの天才でさえ「その時代の常識」に足をすくわれるのだから、並のエリートはなおさらだろう。
民主党が政権を取ってから迷走を重ねているのは、戦後教育によって刷り込まれた古い常識に囚われているせいではないか?

日本の戦後教育の最大の欠点は、どこかに唯一の正解がある事を大前提に、それを見つけ出すテクニックに重きを置き過ぎた事だ。
政策というのは上記の波動関数方程式のような物で、唯一絶対の解はない。

だが社会保障と税の一体改革での野田首相の言動を見ていると、最低保障年金が唯一絶対の正解だと信じ込んでかかっているように見える。
当然反対する野党に対しては「これが正解だという事すら理解出来ない人を説得する」という態度になる。
だから自民党などには「俺たちを馬鹿扱いしている」と見えてしまうのだ。

もう一つの欠点は日教組がマルクスの唯物史観を正しく理解出来ていなかった事。
「政治は経済の上部構造に過ぎない」というマルクスの言葉は、世紀単位で人類の歴史を語る場合には正しい。
だが、数十年程度のスパンの歴史や、個人を語る場合には常に当てはまるとは限らない。

この欠点は原発事故の時の菅首相の言動に表れた。
日教組は唯物史観を「人間は常に自分の利益のためにしか動かない」と解釈し、これが個人や個々の組織にも常に当てはまる、という倫理観を植え付けた。
だから福島第一原発の所長が「事務職などの、事故処理に必要ない所員」の退去を要請したと聞いて、一も二も無く「あの所長、自分がとんずらしたいから、そんな事言い出したんだ」と思い込んでしまった。

その結果暴走した原子炉の対処とそれに関わる政府の対応がどうなったか?
これはもう国民に周知の話だろう。

自分の損得は、それはそれとして、天下国家の事を考える。
そういう人間も常に人口の何割かは存在するはずで、他人が全員自分の利益のためだけに、何かを主張したり提案したりするわけではない。
だが戦後教育はこの世の人間は一人残らずそうなんだ、という考え方を日本人に植え付けてしまった。

これは民間企業でも同じで、我輩の職場でも部長とNo.2がもろにこういうタイプだ。
業務改善を提案しても全て「だから、あんたが楽したいんでしょ」という態度で接して来るし、提案も妥当性を検討すらせずに却下してしまう。
こういう人たちとは自然と口も利かなくなる。
この結果職場のコミュニケーションが麻痺しているのだが、ご当人たちは自分こそがその原因だと言う事に気づいていない。

今の日本の若者は震災直後のボランティア熱やタイガーマスク運動に見られるように、「他利」の観念を理解出来るし、機会があれば実際に発揮する。
だから戦後教育の「人間はしょせん自分の利益しか考えない」という発想でしか物を語れない、他人を見られない年長者に心底うんざりしている。

この戦後教育の刷り込みから抜け出して、表向きだけでも「他利の精神」を語れる政治家が出てくると、若者は熱狂的に支持する。
これが橋下徹・大阪市長の人気の最大の原因だと思う。
もし大阪維新の会が組織的にこの概念を喧伝できるなら、次の衆院選挙でかなり若者層を引き付けるだろう。

逆に言えば、企業経営者、管理職、官僚、そして政治家は、いいかげん上記の戦後教育の刷り込みから抜け出すべきである。

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2012/02/13 02:16
まあ 自民党も 民主党も 政治家とは 政治をやるふりをして 国家予算をいかにしてかじり取るか
そればかり考えている人種ですからね。
年金改革が正解かどうかなんてどうでもいいことで
齧り取るためのカモフラージュにすぎないんだから。
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2012/02/12 21:47
私の眼には民主党もみんなの党も維新の会も五十歩百歩なんですがね。

「自分ではない誰かのせいで今のしんどい状態がある」
「自分ではない誰かがその問題を片付けてくれるはずだ」
「その英雄は常にわかりやすそうな言葉で私たちに語りかけてくれる」
支持者の反応が全部同じ。
ついでにマスコミによいしょされているところも。

戦後民主主義の最大の弊害は義務の大切さを教えなかったこと。
「教育の義務」なんて本来保護者の義務なのに地方自治体の義務だと勘違いして「なんとかしろ」って場違いな権利を要求する手合いの多いこと・・・
民主党以下はそれに便乗しているだけだと思います。
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2012/02/12 16:23
人という字は、、、支えあってるんですよ(*´・ω・)(・ω・`*)ネー




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