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維新の会人気の不思議

大阪維新の会の「維新政治塾」がいよいよ開講した。
こういう組織が出来る事自体はいいことである。
維新の会とその「顔」である橋下徹・大阪市長の人気もうなぎ昇り。
次の衆議院選挙ではかなりの議席を取るだろうと言われている。

だが我輩は、この橋下人気、維新の会人気に違和感を禁じ得ない。
将来日本はどんな国になるべきか?という世論調査等の結果と真っ向から矛盾しているからだ。

先日のテレビ番組でも、どこかの大学が世論調査をした結果、58%以上の人が日本は「北欧のような高福祉国家を目指すべき」と回答している。
この場合の北欧とはスウェーデン、ノルウェー、デンマークの事だろう。
民主党がよく政策の引き合いに出すのはスウェーデンが多いので、「スウェーデン型」と言っておこう。

さてスウェーデン型は別名「高福祉、高負担」と言われる。
年金、子育て支援、失業手当などの社会福祉は素晴らしく手厚いが、その分税金は高い。
日本の消費税にあたる間接税は20%以上。
税金、社会保険料などの合計負担率は、普通のサラリーマンでも所得の5割を優に越える。

日本で消費税増税議論が始まったあたりから、福祉国家のお手本としてスウェーデンが取りざたされる事が多くなった。
保育所や子供手当が充実しているので女性も安心して働ける。
老後の金の心配をしなくていいので消費が旺盛で、その結果国の経済も好調。
おおむねこんな利点ばかりが強調されている。

スウェーデン型の国は、統治機構の面では「大きな政府」型の国と呼ぶ。
政府が巨額の税収を管理し、手厚い福祉を提供するには公務員、公的機関の被雇用者の割合も日本よりすっと高いからだ。

政治理念としては、こういう高福祉高負担の国を「社会民主主義」と呼ぶ。
資本主義経済ではあるが、かつての社会主義の公的扶助を大幅に取り入れているからだ。

民主党の子供手当、最低保障年金、高校無償化などの政策は明らかにスウェーデンをお手本にしている。
だから国民の半数以上がスウェーデン型の国に日本が成る事を望んでいるという調査結果と、民主党が政権についている現状はその点では合致している。

しかしだったらなぜ、橋下氏と彼が率いる維新の会があれほど人気なのか?
この点は説明がつかない。

橋下氏がこれまで主張、公言してきた政策を見ると、彼の目指す日本の将来ビジョンは明らかにスウェーデン型とは180度逆である。
公的年金だけ見ても、世代間扶助である現在の方式を廃止して本人の積み立て型への移行を主張しているし、金持ちは公的年金をもらえない「掛け捨て型年金制度」などを提案している。

大阪の教育改革にしても、教職員の労働強化と競争原理の導入を主張しているわけだから、社会民主主義とは対極にある。
橋下氏がそうなら全国区になった時の維新の会の政策も同様と考えるのが自然だ。

橋下氏の政治家としてのスタンスは、明らかに小さな政府志向であり、お手本にする国としてはスウェーデン型の対極にあるアメリカ型である。
経済政策としては新自由主義者で首相時代の小泉純一郎氏に近い。
当然、がんばらなかった人が貧乏になるという意味での格差は容認する立場のはずだ。

国民の過半数が未来の日本として、スウェーデン型、大きな政府、社会民主主義を望んでいるのに、その正反対のアメリカ型、小さな政府、新自由主義志向の橋下氏と彼が率いる政党がこんなに人気が高い。
この二つの現象が同時に起きている、というのは矛盾しているとしか言いようがないと思うのだが?

それが国民の過半数の民意の結果として、日本がスウェーデン型の国家になるというのなら、それはそれで悪いとは言わない。
だが上記のような矛盾が起きるのは、国民の多くがこう勘違いしているせいではないか?

「スウェーデンは国家が丸抱えで生活の面倒を見てくれるので、がんばらなくても豊かな生活、人生が送れる国だ。だからスウェーデンみたいになりたい」
もしこうだとしたら、とんでもない勘違いである。

社会民主主義はあくまで資本主義の一形態であって、社会主義ではない。
高福祉高負担とは、競争の無い、楽して食っていける社会ではない。
スウェーデンは経済の面では失業の可能性が日本よりずっと高い競争社会であり、十代後半の学生と現役労働者には、相当に「がんばる」事を強いる国だ。

だから日本がスウェーデンのような国になる事を望んでいて、かつ橋下氏や維新の会を熱心に支援している人がいるとしたら、それはとんでもない間違った方向に日本を導こうとしている事になる。

もし仮に橋下氏や維新の会が国政の主導権を握る立場になったら、彼らが目指すのはアメリカ型の競争重視、小さな政府の国である。
そのアメリカ型志向は自民党よりずっと強い。

この矛盾に誰も気がつかない、少なくともマスコミが騒がない、という点を見ると「政治家のレベルは国民のそれにしかず」という言葉が、残念ながら正しく思えてしまう。

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2012/03/26 21:03
「維新政治塾」に集まった人々をニュースでやってたけど現役の弁護士に医者に市会議員。。。
あんたら自分の仕事は?と心配。
そういう人たちを相手に何を教えるのか何を教わるのか。
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2012/03/25 09:49
橋本氏のやり方は確かに強引な気もしますね~
しかし、間違っているかどうかはあまり調べてないので
どう言い様もないですけど……

国民が今欲しいのは協力な指導者なんでしょうね。。。
元々日本人の性格上、人に導いてもらう方が心地がいいのでしょうか
その点橋本氏はここ最近見ない強い指導力と行動力を見せてます。
そこが国民を惹きつけているのでしょうか……?
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2012/03/25 01:21
日本社会と欧米社会は根本から仕組みが違うので、
欧米の制度の良いところだけを日本に移植しようとしても無理と言われていますね。
ならば橋本氏の現状維持という考えの方が理に適っている気がします。
そもそも日本の労働・家族・生活水準の基準は未だにバブルなので
いい加減「現在」に沿ったものにしてもらいたいですね。
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2012/03/24 23:21
ナンダカナーって感じですよね〜

どうも、、みんな、、胡散臭さを、感じてしまうんですけどね、、




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