原子力関係科学者に無駄な努力をさせるな
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- 2012/04/29 23:55:02
政府は本気で福島原発事故で放射性物質で汚染された土地をどうにかしようという気があるのか?
最終処分場はおろか、福島県双葉郡に建設するという「中間貯蔵施設」の場所すら全く決まっていない。
それ以前に、意思の表明だけでもいいからやっておかないと日本中の優秀な科学者、技術者に無駄な努力をさせる事になってしまう。
それは、がれきや汚染土壌からの放射性元素の分離、濃縮を可能にする技術を使う気があるのかどうか?ということである。
今回の放射能汚染の一番厄介な点は、放射性物質が肉眼では見えない程細かい微粒子になって薄く広く拡散して土壌などにしみ込んでいる点だ。
原発周辺および飯舘村まで伸びた北西方向の高レベル汚染地域はもちろん、避難するほどではないとされている中通り北部などの低、中レベル汚染地域では、これがはっきりしないと除染の計画さえ立てられない。
チェルノブイリでも使われたゼオライト、プルシアンブルーなどを他の科学薬品などと組み合わせて、セシウムを分離する技術はすでに五指にあまるほどの方法が実験室レベルでは開発されている。
だが、政府内部では環境省や経済産業省の政務官クラスの若手は比較的熱心にそういう分離、濃縮技術に着目しているが、副大臣クラスだと関心が薄い。
大臣だと完全に無関心にしか見えない。
まあ、マスコミが報じないから、というせいもあるのかもしれないが。
なまじ分離濃縮すると高レベル放射性物質になってしまうので、それを嫌がっているのか?
だとしたら、そんな技術を開発しても使う気はないとはっきり言うべきである。
低、中レベルの汚染がれきや汚染土壌は中間貯蔵施設にそのまま放置するのだ、と。
「放置」と言うと聞こえは悪いだろうが、現代の科学技術をもってしても放射性元素そのものを消滅させる事は不可能だ。
最終処分にしても、放射性元素が四方に放射線を撒き散らしながら、別の無害な元素に変身する(核種崩壊とも呼ぶ)を待つ事でしかない。
ただ、それを地表に影響が出ない大深度地下に埋めてそうさせるというだけだ。
放射性元素の分離、濃縮は手間ひまと何より莫大な金がかかる。
かつ最終処分場でしか保管できない高レベル廃棄物が多量に出る。
それなら低、中レベルのままの状態で一か所に集めて自然崩壊、自然減衰を待とうというのも、考え方としてはアリである。
だが、低、中レベルの汚染のがれきや土壌を分離、濃縮なしで保管するという事は、双葉郡の中間貯蔵施設の規模は相当巨大になるという事。
双葉郡への帰還をすべきかどうか迷っている避難者の人たちにとっては死活問題だ。
中通り北部の、浜通りの一部より汚染がひどい地域に今後も住み続けようという人たちには、汚染レベルの将来の低減がどうなるのか、これも重大な関心事であるはず。
なにより、放射性元素の分離技術を使う気がないのなら、その研究にたずさわっている科学者、技術者に無駄な努力をさせている事になってしまう。
そんな技術を開発できるぐらいだから、かなり優秀な研究者であるはず。
その人たちに使われるあてのない、役に立たない研究をいつまでも続けさせるべきではない。
そんな時間と人材があるなら、低、中レベルの放射能汚染の中で今後とも安全に暮らしていくための、健康維持や放射線遮蔽の技術をこそ研究してもらうべきだ。
あるいは日本で日の目を見ない技術なら、外国に売り込む手もある。
中国、インド、ベトナムなどこれから原発を持とう、あるいは増やそうという新興国はたくさんある。
これらの国にとっても、福島県の放射能汚染は他人事ではない。
そういう国は、人口密集地域の超長期間の低、中レベル放射能汚染という事態を日本人がどうやって解決するのか、そのためにどんな技術や装置を発明するのか、興味津津で見守っているはずだ。
そういう国に放射性物質の分離、濃縮の技術を買ってもらって、海外で実用化してもらえばいい。
そうすれば将来日本に逆輸入できる可能性が残る。
原発事故後、すかさず放射性元素の分離技術の研究を始めて成果を出した科学者、技術者は日本の宝である。
その宝に「使われるあてのない」技術の研究を無為に続けさせるのは日本にとって国家的損失である。
もしそういう技術を使う気がないのなら、早く方向転換してもらうか、海外への売り込みに今から取り組んでもらうべきだ。
それが自分に直接的何かを与えなかった時はなおさら……
国のお偉方は既に震災を過ぎ去った災害だという認識を
持っているような気がします。だからこそ自分たちの目の前に
転がっている問題に取り組もうと躍起になっているのでしょう。
そちらの方が重要に思えてしまうから……
それは、たとえば増税だったり、原発再稼動だったり。
人は過去を忘れます。記憶の中に置き去りにします。
しかし、それを人間なんだから仕方ない、という言葉で済ませられない
差し迫った問題が、我々の生活を脅かしてつつあることを政府に知って欲しい。
と、いってもdsyjnさんはまだ二十にも届かぬガキである故、
偉そうにこんなことが言える立場でもありませんが……^^;
それでも、時間とは過去と現在と未来という断片の集まりではない、
連綿と続く線だということをゆめゆめ忘れたくないものですなぁ。
再稼働で、頭いっぱいなんでしょうか?
また地震がありましたよね?