Nicotto Town



高学歴馬鹿をこれ以上増やすな

まったく馬鹿の一つ覚えにも程がある。
民主党が出した大学改革の報告書の事である。

なんでも大学、短大などの「高等教育」修了者の比率を95%に上げるのだそうだ。
かつ高校生の学力を1~5級で認定し、一定の級を取得したら大学受験を認める。
これによって若年層の失業率を現在の約10%から3%に下げるのだそうだ。

今の現実を見ろ!
既に「入れるならどこでもいい」というのなら、大学全入は実現している。
現在高等教育修了者の比率は約70%だそうだが、これほどの進学率は先進国の中でも飛び抜けて高いはずだ。

だが、四年制大学を卒業した若者が就職できなくて、非正規雇用、ワーキングプアに陥っている現状を見ていないのか?
大学卒の肩書さえあれば、いい会社に就職できて将来が保証される、そんな時代はとっくの昔に終わっている。

そもそも日本以上に大学進学熱が高い韓国の現状を見れば、高学歴化=生活の安定、幸福、という図式は成り立たない事は明白だ。
そして韓国は日本以上の超格差社会で、それが次回の大統領選挙の争点にまでなっている。
高学歴=豊かな将来という前世紀の常識をいつまで引きずっている?

そもそも人口の何パーセントが高等教育を完全に身に着けられるかは、いつの時代も決まっているという学説もある。
確かに読み書きも出来ない文盲が多いと国は成り立たないし、能力があるのに貧しいから進学できない国民が大多数を占めるという社会は問題だ。

戦前の日本はまさにそういう社会で、その状態から高等教育修了者を増やそうというのなら分かる。
だが今の日本は既に、アルファベットが書けない、中学レベルの漢字が読めない、分数の計算ができない、という学生が多数派の「底辺大学」の存在が問題になっている。

そんな高校生でも大学に入れる状態で、高校生の学力を等級で分けて、その結果で大学受験資格を認める、認めない、という制度を導入したら、大学に入れる若者のパーセンテージは逆に下がるんじゃないのか?

若年世代の失業率が下がるなんてのは、ジョークにしか思えない。
大学進学率が既にこれだけ上がっているが、結果はどうなっている?
それなりの企業から「相手にされる大学」と「ハナもひっかけてもらえない大学」に二極分化しているではないか?

後者の大学を卒業した人だと、なまじ四大卒という肩書が邪魔になって就職先をえり好み、高望みする。
その結果、就活に失敗したと言って自殺する大学生が増えるという現象と、中小企業が人手不足に悩んでいるという現象が同時に起きている。
民主党の「改革」はこの馬鹿げた現実に拍車をかけるだけだ。

大学制度を改革するなら、むしろアメリカを見習うべきだ。
アメリカと言うと日本と同じ学歴社会のイメージがあるかもしれないが、アメリカの大学進学率は2005年時点では50%に届いていない。
アメリカのエリートが優秀なのは大学院卒が多いからだ。

アメリカの場合、高校の段階から一流と言われるのは私立なので、公立高校を卒業する人が圧倒的に多い。
だが、アメリカの高校での履修内容は、公立の場合、実は日本の中学卒程度なのだ。

アメリカの教育というのは、高校まではゆったりと、社会人になった時に必要最低レベルの知識を身に着けさせる。
その代り、消費者教育など日本の学校では教えない、生活密着型の授業も多い。
またアメリカで「カレッジ」というのは、日本で言う職業訓練校、専門学校である場合が多い。日本で言うところの「大学卒」の比率はおそらくもっと低いはずだ。

そして大学に入るのは社会人経験を積んでからという人も多い。
10代から30代までの生徒が同じ教室で学んでいる大学はアメリカでは珍しくない。
また大企業の管理職になるにはMBAという学位が不可欠になっている。

これは大学院でしか学べない課程で、企業で五年から十年働いた人が改めて大学院でみっちりMBAの課程を学び、それを手にして初めてそれなりの企業の管理職募集の求人に応募できる、という仕組みになっている。

そのアメリカでも全体の失業率はもちろんだが、四大卒の就職難は深刻である。
むやみに高等教育の修了者を増やしても、失業問題の解決にはならないのは、アメリカ、韓国、イギリス、中国、どこの例を見ても明らかだ。

人間の知的能力が人生のいつごろピークに達するかは個人差が大きい。
学生時代はどうしようもない劣等生だった人物が、かなりの年になってからおそろしく知的に活躍する例は日本でも昔からあった。

18歳から22歳ぐらいの間にしか大学教育を受けられない、それ以後に高等教育を受けても人生の役に立たない、こっちの国情の方を変えるべきではないか?
少なくとも、底辺大学の卒業生を企業が大量に雇う事などあり得ない。
高学歴フリーター、高学歴ワーキングプアをこれ以上増やしてどうする?

むしろ、勉強が好きでない若者には高校出た段階できちんとした職に就き、その後必要に応じて退職なり休職して高等教育を受けられる、という制度にした方がいい。
もう中途採用は珍しくない時代だから、20代後半や30過ぎでも、それから必要に迫られて大学へ入る、という未来の方が望ましいはずだ。

今のままの状態で無理やり大卒を増やしても、問題は悪化するだけだ。
「学歴だけは高い馬鹿」を大量生産するのは、国の未来にとってはマイナスにしかならない。

アバター
2012/07/14 09:58
社会人経験を積んでから大学進学するかどうか決める、というのは、
すごく理にかなっていると思います。
今の大学生の進学理由の大半は、「まだ働きたくないから」「みんな行くから」じゃないでしょうか。
勉学を極めるために進学する、なんて学生は少数派なんだから、
「大学卒」「学士」が本来意味したはずの「相応の頭脳を有し、教養・専門知識を身につけたもの」が
きちんと育つわけがないんです。
「大卒」なんて肩書き、今やなんの力もないです。就活で応募資格がもらえる、それだけです。

就職率を上げるなら、まずは雇用を増やさないと。
企業が工場をどんどん海外に移している今、どうやって大量雇用を生み出すんでしょう。
雇用の創出、そして職場環境の徹底した管理(ブラックを造らない)。
そのうえで、正当な理由もないのに、「働くのイヤ」「こんな仕事はイヤ」という理由で就業しない成人を、
親が安易に扶養することに厳しくする。
成人後にとどまらず、15歳を過ぎたら親の過干渉をある程度規制する。
それくらいやるべきだと思います。
アバター
2012/07/14 09:11
何故このような報告書が出来上がってしまうのでしょうか。
文部官僚と改革案のすり合わせをしているから?
ブレーンが利権の関わる大学業界から出ているの?
現状の延長線上でワーキングチームを作ってしまった?
不知詠人さんのような方を助言者に選んで現状分析していれば良かったのにと思います。
何ごとも大きくガラガラポンしないと生まれ変わることはできませんね。
アバター
2012/07/14 02:30
若者は、遊んでいなさいと言う考えでは?
良く、アメリカでは30歳までは、遊んでいろと言われている。
結局、労働人口が多すぎる。
少しでも、社会参加する人数を減らせば、結果として、失業率が下がると言う意見じゃないかな?
しかし、最近の学生は、遊んでいるのかなー?
俺は、遊びこそ、大切な勉強だと思っているよ。
俺の今の遊びはミニ四駆ね・・・
アバター
2012/07/13 21:48
民主党、何をやってもお粗末すぎますね。
そのお粗末のツケを国民が払わなければいけない現状・・・。
民主党って高学歴激バカの集まりって気がします^^;




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