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拉致問題進展のチャンス

尖閣諸島もさることながら、竹島問題を巡って韓国との関係が急速に悪化しつつある。
ただ韓国の場合は事情がやや異なる。
李明博大統領が急に反日感情を煽る言動に出始めたのは、まず12月で自動的に大統領の任期が切れるから、という面が強い。

韓国でも大統領の3選は憲法で禁止されているので、李氏は12月の大統領選挙が済んだら自動的に退任し、そのまま政界を引退する可能性が高い。
問題は韓国国内で李氏が「これといった実績が何もない大統領」と見られている事だ。

実際には李政権の下で韓国経済は全体としては急成長を遂げたのだが、これは格差拡大と表裏一体の現象として進んだため、韓国の庶民には「金持ち優遇、庶民に冷たい」リーダーというイメージが強い。

また韓国では民主化して大統領制になって以降、任期満了後の大統領が汚職などの容疑で逮捕されるという事が何度も起きている。
在任中の政策に不満だった勢力が退任した途端に意趣返しに出たわけで、もうすぐ辞める韓国大統領にとっては最大の悪夢である。

特に「庶民に冷たい」とか「実績がない」というイメージを持たれている李氏にとっては、なんとか年末までに国民の喝采を受けられるような事をしておきたいわけだろう。

そこでまず従軍慰安婦問題を蒸し返し、それだけでは弱いと見ると竹島に直接上陸してみせるなど、「日本にガツンと言ってやったぜい!」というポーズで国民の人気を稼ごうとしているのだと思う。
国民に人気がないから反日感情をことさら煽って不満を外に向けさせる。
これは中国、韓国、共通の常とう手段だ。

しかし、それが本当の理由、原因なら日本側から問題を解決する事は不可能だ。
竹島を「じゃあ、韓国の物でいいです」とは、さすがの民主党政権も言うわけにはいかないだろう。
元慰安婦の今後一生の生活を保障するのも、現実的ではない。
それをやったらやったで、次の要求が出て来るだけだ。

だから日韓関係は少なくとも12月の韓国大統領選が終わるまでは改善しない。
特に李大統領の「天皇が来たかったら韓国国民に謝罪しろ」という趣旨の発言は、歴史認識に関して韓国、朝鮮に同情的だった日本人をも激怒させた。
次の大統領が日本との関係改善に乗り出すとしても、韓国世論の軌道修正には最低でも半年はかかるだろう。

ここは北朝鮮との対話を進展させる絶好の機会と見るべきだ。
北朝鮮の外交は滅茶苦茶だが、最近かなり変化が起きている。
金正恩体制になってから、わずかずつだが自国の経済状態を客観視するようになって来ている。

金正日時代は、餓死者が出るような悲惨な国内の状態を「日本やアメリカよりマシ」と言い張って来た。
正恩氏が指導者になってから、欧米風のファッションや流行を、日本から見たら時代が十年遅れとは言え、黙認どころか奨励するかのような雰囲気になっている。

また正恩氏の側近と言われる張成沢という政府高官は、中国式の経済開放改革論者ではないか、という説がある。
中国は毛沢東時代の社会主義の原則一辺倒から、その死後、社会主義の枠組みは残しつつ、資本主義的な部分改革をやり、鄧小平がその後事実上の「経済だけの資本主義化」に踏み切った。

張氏はどうもその時代の中国の経済改革を研究している節がある。
正恩氏は相変わらず好戦的な演説を繰り返しているが、これは朝鮮人民軍の実力者たちの手前、仕方なくそうしているのではないだろうか?

なぜなら、北朝鮮の対日観が金正日時代と変わっていないのなら、終戦前後に北朝鮮領内で死亡した日本人の「遺骨収集、返還」に協力するなどと言い出すはずはないからだ。
もちろん日本から経済援助をせしめようという下心もあるのだろうし、公式の場で日本人拉致問題を取り上げる事は許さないだろうが、水面下での秘密交渉程度は可能な状況になりつつあるのではないか?

金正恩氏の母親は知っての通り、在日朝鮮人であり、日本で生まれ育った女性だ。
正恩氏も過去に何度も偽名のパスポートで来日してディズニーランドなどへ行っていたという噂もある。
正恩氏が日本に対して本音ではどういう感情を抱いているか?

もし正恩氏の対日感情がそんなに悪くないのであれば、経済援助と引き換えに拉致被害者の情報を引き出す事も可能かもしれない。
そもそも拉致は金正日時代の事であり、まだ子供だった正恩氏は直接関わった事はないはずだ。
父親の時代の祖国の「過ち」を認めて日本に譲歩したとしても、北朝鮮の最高指導者として致命的な失態にはならないで済む。

また日本との関係改善は、正恩氏の異母兄である金正男を保護している中国に対する牽制にもなる。
正男氏は「馬鹿息子」のイメージが強いが、実は海外留学であまりにも合理的な考え方を身に着けてしまったため、父親の金正日から疎まれ、暗殺の危険すら感じるようになって中国へ脱出したらしい。

中国が正男氏を保護しているのは、正恩体制が完全に行き詰った時、あるいは中国の言う事を聞かなくなった時に、代わりの後継者として擁立するためだと言われている。
金正日の実の息子には違いないのだから、中国にとって正恩氏が目障りになったら正男氏に「世襲」させても「正当性」に問題はないはず、という理屈は成り立ち得る。

ただ、拉致問題のためとはいえ、日本が韓国抜きで北朝鮮と接近するのは日韓関係を考えると危険だった。
しかし今は韓国の方から一方的に日本にケンカを売って、平均的な日本人を激怒させ続けているのだから、韓国抜きで北朝鮮と接触を持つにはいい機会だ。

もちろん北朝鮮には過去に何度もだまされて煮え湯を飲まされているから、そう簡単にあの国を信用すべきではないが、日本人の遺骨収集という話ぐらいは乗ってみてもいいだろう。
そして北朝鮮の関係改善の本気度を少しずつ探りながら、最後は拉致問題の最終的解決に持っていく。

韓国が「反日」に自己陶酔している状態は最低でもあと3か月、下手すれば数年続くだろうから、北朝鮮とじっくり交渉するには、今が千載一遇のチャンスである。

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2012/08/24 12:49
戦前の遺骨が探せるのに拉致被害者の遺骨は行方不明になるんだぁ~と感じてしまわなくはないですが、見つかって悪いものではないですね。

新しい政権は独自色を出して自身の実績を積むことと同時に権威の根幹を大切にするものです。
正恩氏の場合、経済対策が前者で後者は金日成。
父親が権威の根源であれば拉致問題の解決は絶望的ですが、祖父であれば修正の余地は皆無ではない。
難しいことには変わりありませんが。

遠交近攻は外交の基本ですから、近くに困った国がいて遠くに歩み寄りの余地がある国がいるなら考慮する価値はある。
(妄信すべきではありませんが。)
オリンピックサッカーの問題に関する北朝鮮の見解もひとつのサインかもしれませんね。
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2012/08/24 07:04
韓国は大昔から権力交代があると権力者は失墜して命が無い国です。
権力者に阿る人達も同罪になります。
なので王や権力者が失脚したり亡くなったりすると国のすべての役人は逃げたんです。
今、韓国は中国が後ろ盾になりました。
これから来る新しい政権は中国とのパイプが太い政権です。
アメリカは今になって韓国との関係を徐々に見直しています。
今回の竹島のコトは後ろに中国がいての操作です。
中国が北朝鮮の頭を正男氏にしたいなら・・・近い将来は正男氏がトップに変わるってコトかな?
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2012/08/20 23:11
遺骨収集ってなんで今更?と思ってましたけど、今後を考えると有効なんですね。
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2012/08/19 23:05
なるほど〜〜ヽ(^。^)ノ

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