Nicotto Town



電子書籍は出版業界を変えるか?

電子書籍の本格的な普及の可能性が取りざたされているが、出版業界にも面白い変化が出てきている。

エブリスタというケータイ小説のサイトが最近PCにも対応するようになったので、そこに自分の作品を公開している。
それと同時に大手出版社が複数、本格的にこのサイトとタイアップし始めたのだ。

「ケータイ小説」という言葉が使われだしたのはここ十年ぐらいのことらしいが、最初は「え?これが小説って言えるの?」という不可思議な作品が多く、ファンも限定されていた。

だが、現在ケータイ小説のサイトにアップされている作品の中身をを見ると、ライトノベルと区別がつかなくなっている。
ここに出版社が目をつけたという事だろうか。

現在「ケータイ小説」を定義するとしたら、「ガラケーの小さな画面で楽に読めるように表示されるオンライン小説」という事になるのではないだろうか。
つまり表示方法の問題であって、内容はライトノベルや通常の娯楽小説と違いは無くなってきている。

であれば、ライトノベルや娯楽小説の新人発掘の場にもなり得るわけで、ライトノベルのレーベルを持つ出版社が、こういうサイトと提携を深める事は自然な成り行きだろう。

だが、さらに根本的な変化が起きているのではないかと思わせる現象がエブリスタで起きている。
毎月出版社とタイアップして新人賞みたいなコンテストをやっているのだが、次回の募集が短編小説なのだ。

http://estar.jp/.pc/_estar_award2_view?key=dash_novel

ニコッとタウンにも小説家志望が大勢いるようだから、今からでも入会してチャレンジしてもいいかもしれない。

だが、ライトノベルというと、最低でも10巻は続く超ロングシリーズ物、というのが常識になってきた。
ライトノベルの新人賞に短編部門を設けている出版社も一つぐらいはあるが、基本的にライトノベルと短編というジャンルは両立不可能な物と思われている。

そもそもこの出版社、自社で主催するライトノベルの新人賞を長年やってきている。
ライトノベルの書き手を発掘したいだけなら、自社の新人賞コンテストで十分なはず。

ケータイ小説サイトと提携して、しかもライトノベルの「短編」を募集する、というのはこれまでの「ラノベの常識」を逸脱している。

これは電子書籍の普及を見込んだ動きではないかと思う。
PC対応の電子書籍は何年も前からあるが、外に持ち運べないという難点があった。

iPad やキンドルなどの携帯型端末はまだ普及率が低い。
が、スマートフォーンが普及してきた結果、PC仕様の電子書籍が携帯の画面上でも表示しやすくなった。

もしこのままうまく行けば電子書籍の市場が急拡大する。
その場合、ライトノベルに大きな変化が起きるかもしれない。

ライトノベルが超ロングシリーズばかりになったのは、そうしないと出版社が元が取れないから、というのが大きい。
ライトノベルは中学生の小遣いでも毎月買える値段、という意味で最初から文庫本で出す。

当然ながら文庫本は出版社にとっては利幅が薄い。相当な数を売らないと、製本、販売にかかるコストを回収できない。
その結果、第1巻が売れた作品をロングシリーズ化して、10巻、20巻と続けて売らないと出版社は儲からない、下手すりゃ赤字、というリスクがある。

これが現在までのライトノベルの王道路線であるのだが、単一の路線というのは必ず飽きられる時が来る。
現在の王道路線だと、単発の作品は世に出せない。単発でどれだけ優れた作品を書ける才能のある作家候補がいても、今のライトノベルのビジネスモデルではデビューすら出来ない。

だが電子書籍なら話は変わってくる。電子書籍は紙の書籍に比べて、製造、販売、在庫のコストがけた違いに安い。
そのため「良質な作品を1万部だけ」というような販売戦略も可能になる。
電子書籍ならその程度の数しかはけなくても、出版社が利益を確保する事が可能だからだ。

また無理やりのロングシリーズ化は作家を疲弊させる。
ライトノベルの世界ではデビュー時のシリーズだけで姿を消してしまう作家が多い。
先々の事を考えるなら「作家の使い捨て」はもう限界に来たと出版社も考えているのかもしれない。

そもそも「小説家」という肩書を名乗っている人のうち、小説書きからだけの収入で暮らしている人は1割にも満たないという話を聞いた事がある。
圧倒的多数の「小説家」は、勤め人だったり自営業者だったりの兼業作家なわけだ。

であれば、新人賞取ってプロになって、作品は超ロングシリーズで、という従来の路線に固執する必要は出版社側にはない。
ネット上のサイトで発掘して単発でも売れそうな物だけを電子書籍で売り出し、作家の方は兼業作家として、あるいはセミプロで、という路線も成立し得る。

ただ、そう短期間に電子書籍一辺倒になる事もないだろう。
出版社としても本の卸売業者である取次会社、書店などとの長年の付き合いを一度に切って捨てるわけにはいかない。

ライトノベルの書き手も、紙の書籍の書き手は従来の新人賞で、電子書籍の書き手は小説サイトから、という時代になろうとしているのかもしれない。

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2012/10/14 07:35
短編が一番だと思うコロ♪
星新一SFは面白かったです。
短編が書籍でも人気っすよね♪
セミプロのお話しですが・・・書籍になってもあんましお金はもらえませんよね。
大昔しなら本をカキコしてお金持ちだけど~
作家になったらお金も少ない上にプライバシーが無くなるので・・・
セミプロでも作家になりたい人って激無だし・・・
出版社もセミプロって歓迎して無いみたくだし←暗雲でしよ♪
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2012/09/30 00:36
新聞紙1枚ペラが、ARで埋まれば面白いかな~と。
あと雑誌ヴォーグ。動画もあって作り方に感動しました。モノも買えたらと思います。
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2012/09/28 22:28
ラノベって短いと物足りないし、長いと読めないし 買うのに躊躇するんですよ。
短編で安いならちょっと興味はある。
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2012/09/27 10:29
確かに電子出版という形はまだまだ未開発で、しかも可能性を多く秘めて
いて魅力的ですね。個人でも低料金で出せてしまうし、SNSで宣伝すれば
それなりに広がっていく可能性もあるのでしょうね。私には未知の分野
ですが。

でも、元漫画家の私には絶版になった漫画本があって、出版元から数年前
に電子出版契約というのも申し込まれ、契約をしていましたら、去年辺り
から、ほんのわずかですが、売れていたようで、微々たる印税なるものを
久しぶりに頂戴しましたww 読んでくれる人がいるというのは、書き手に
とって、形態は何であれ、とても喜ばしいものです。

そういう、読んで欲しい書き手と、新たな書き手を読み手をが欲しい出版社
が電子出版という場所で出会っているのかもしれません。

ニコタでたくさん小説を書いてらっしゃる方々がいらっしゃる事を知り、
実際何人かの人の作品を拝読して、素人とは一口に言えない素晴らしい才能
が数多あることに驚きました。本当に才能豊かな書き手はいくらでもいると
いう事なんですね。

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2012/09/27 00:48
確かにラノベは長編のシリーズものが多いですね。
短編も単独完結ではなくシリーズ本編のおまけみたいな扱いをされていたり。

しかし、短編ラノベってどんな作品になるんだろう。
単独完結型の小説って元来切れ味鋭いタイプのが多いから、ちょっとイメージがつかないですね。
それが逆に新しい顧客開発につながるのかもしれないけど。
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2012/09/25 21:46
こんばんは。
スマフォも文庫本を読むくらいならいいのですが、漫画となるとタブレットでないと…と内心笑っています。
私は小説より漫画を描いているのですが、ガラケー対応では4コマ漫画が精一杯。
日本人に特化した「ガラケー」といえども、クールジャパンの代表「MANGA」には対応できていないのはなんとも皮肉です。




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