Nicotto Town



報道されない米国の今

英語が読める人は下記のサイトを覗いて見て欲しい。

http://www.apnewsarchive.com/NewsArchive/MainPage.aspx#?&num=10&start=0&SearchText=same sex marriage&Display=

米国の新聞社が共同で設立したAP通信社のアーカイブである。
米国では単純な発表を記事にするような仕事は新聞社の記者ではなく、通信社という所から買う場合が多い。
APは米国の由緒ある通信社で世界中に取材拠点を持っている世界有数の通信社でもある。

その由緒ある通信社が、これだけ同性婚のニュースを毎日のように流している。
どこの州では同性婚を認めた、認めなかった、連邦議会の誰が賛成か反対か、などなどの話だ。
これは英国のロイター通信、フランスのAFP通信などの欧州系の通信社も同じである。

大手マスコミの由緒ある通信社がこぞって猥談をニュースとして流していると誤解する人もいるかもしれない。
だが、これは米国で起きている非常に重要な変化を表している現象なのだ。

同性婚は男同士、女同士いずれのケースもある。これを認めないと保守派、寛容ならリベラルというイメージで見られる。
大まかな傾向としては、共和党の議員は同性婚に絶対反対、民主党の議員は寛容という場合が多い。

同性愛者同士の結婚を認めるか、同性愛者が軍隊に志願して入隊する事を許可するか、というのが大きな論点なのだが、これは実は隠れ蓑の役割を果たしているのだ。
同性婚に反対か賛成かというのは、今の米国の政界では「少数派に寛容であるか否か」の踏み絵にされている面があるのだ。

同性愛者というのは「究極のマイノリティ」と言える。だから同性愛者に寛容なら、なおさら他の種類のマイノリティには寛容なはず、という理屈だ。
米国には様々なマイノリティが存在して、日本とは比べ物にならない程、対立が先鋭化しやすい。

黒人の人権問題は日本でも有名だが、他にも数えきれないほどマイノリティを巡る問題がある。
ユダヤ人の宗教的自由。
カトリック教徒の信仰の自由。
モルモン教を正当な宗教と認めるかどうか?
白人以外の人種民族の権利尊重。
ヒスパニック系移民をどう扱うか?

もっと細かく分ければ頭がウニになりそうだ。
これらの一つ一つを別々に「マイノリティ問題」として扱いだしたら、きりがない、というか政治的に収拾がつかなくなる恐れがある。

そこでこれらの問題の代表選手として、同性愛者の権利が政治の世界で大真面目に議論されているわけだ。
選挙の場合、人種、民族、宗教などの面での特定のマイノリティに肩入れすると、それと対立関係にあるマイノリティ集団を敵に回す事になる。

そのジレンマを避けるために、ことさら同性愛者の権利という概念を持ち出して、自分は保守派である、リベラル派である、という点を強調しているわけだ。
だから同性婚を認めるかどうかは、極めて政治的な問題なのであり、いわば様々なマイノリティ同士の「国内代理戦争」とも言える。

だからこそ大手マスコミの一翼を担う伝統ある通信社が、同性婚に関する記事をこれだけ毎日のように流している。
多分米国内の新聞、テレビニュースなどはもっと派手に論戦をやっているだろう。

だがこの事実、日本のマスコミ、少なくとも大手マスコミは全く報道していない。
「同性婚の話」というから、単なる猥談という認識しか持てないのだろうか?

確かに日本人の感覚では、あまりおおっぴらに論じたくなる話題ではないが、それが米国の政治の現実である以上、全然何にも知りません、で米国と今後付き合っていけるのだろうか?

それは確かに日本人が米国の同性婚論争にいちいち付き合う必要はないだろう。
マイノリティ問題の解決法として同性愛者の権利をいわば隠れ蓑に使うという政治手法も、それはそれで問題があるかもしれない。

しかし、中国との関係において、日米関係の修復、再構築の必要性がこれだけかまびすしく論じられている国で、米国の政界を席巻している論争を、マスコミが単なる猥談扱いで全く報じず、従って一般国民が全然知らない。
この状況は、本当にそれでいいのだろうか?

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2013/04/16 05:12
以前の記事にコメントする形になってしまい申し訳ありません。

仰る通りマイノリティとして扱われていて、彼らはいわばマイノリティ代表のような形であるかもしれません。ただ、知らなければいけないことの一つとして、アメリカ社会の上位所得者に彼らがかなりいるということなのです。
マイノリティとして扱われてはいますが、実は社会の階層の中ではもはやマイノリティの存在ではないのです。力をもったマイノリティという看板を持つ団体であるということは知っておいた方がいいでしょう。
大統領選挙の際に味方につくか否かで当選が決まるほどの存在である彼らは、今やアメリカの軍隊に入隊も可能だし、公にカミングアウトも許されています。
それを可能にしたのが、クリントン民主党大統領とオバマ民主党大統領。
つまり…わかりますよね、マイノリティを利用して権力を握ろうとしているアメリカの政治団体が…。
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2013/01/05 15:59
日本では猥談のイメージが強いけど、政治もアメリカの社会問題も含んだ問題ですね。
うーん。結婚したきゃすればいいと思うけど、友達に同性愛者がいないから実感がないな。カミングアウトしてないだけかも。
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2013/01/05 02:24
同性愛者はマイノリティというイメージ……なんですか?
いえ、外国では割とポピュラーだと思ってました^^;

日本で同性愛を排斥的に扱うようになったのは日本における過剰な西洋化にあると思います
キリスト教では伝統的に教義の一つとして同性愛を断罪的に扱っていたようですし、その影響だと思いますけど
その昔は日本では同姓愛も珍しくはなかったようですし……男色ともありますように
まぁ、それも昔の話ですね

やはり多民族国家だけあってマイノリティもその分多種多様いるんでしょうか
日本のような小さな島国には理解が難しい問題だと思います……
日本はマイノリティを「世間」という概念で圧し潰せばどうにでもなったわけですし
対して米国は個人主義が台頭しているからでしょうかな~(・ω・`)
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2013/01/04 22:51
何度か「同性の結婚が認められて・・・」みたいなテレビニュースは見たことがありますが、たいていバラエティ扱いだったように思われます。
結婚式とか流して感想を聞いて終わりみたいな。

それが象徴するものを調べるのであれば当該国で利害が対立する個人・団体に取材する等しなければなりませんから、国内ですら記者クラブで済ませてしまう報道機関が海外で限られた人数でできるのかというと・・・
全国の記者クラブを廃止してしまって「駆けずり回ってつかんだ情報こそ価値がある」という体制にでもならない限り難しいのでは。
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2013/01/04 19:09
日本のマスコミはホルモン剤について何も言いません。←コロ激怒!
同性婚をどうこうは言いません。法律を犯すものだとも考えません。
ですが・・・体を男から女に変えたり、女から男に変えるのには反対します!
ホルモン剤が危険だからです。
飲めば飲むほど死に近づく薬を飲んで体を変えるのは
自殺と同じだと思います。←法で規制して欲しいコロ
再び言わせて頂いて同性で結婚しても何も言うコトありません。勝手にして~
ですが・・・お話しのアメリカ~
アメリカは異性でも普通に離婚とか~めちゃんこ多い国で~
婚姻関係の無い子持ちのカップルもいっぱいいるのに・・・
わざわざ結婚の形態がとりたいって感じが判らないコロです。
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2013/01/04 00:57
いろんな意味で、、日本のマスコミは、、、アカン、、っていうね、、、

北朝鮮を笑えない状況だと、、思いまする。

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2013/01/03 23:23
日本人の感覚だと、宗教は政治的意味を含むことがなかなか理解しずらいですね。
政治家だけではなく一般人であっても、ぼちぼち気持ちの鎖国気質を何とかしければならないと思います^^;
勉強になりました。
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2013/01/03 22:49
日本のマスコミは我が国内での同性婚、同性愛を封じたいので完全無視を決め込んでいるのでは。寝た子を起こすなということでしょうか。失礼しました。




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