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やり直しのチャンスと自殺の関係

警察庁の発表によると、今年上半期に自殺者数が1万7076人になった。単純に計算すると今年1年で3万4千人を超える事になりそうで、これは過去最悪だった2003年に並びそうな勢いだという。

日本の自殺者の多さは世界的にも異常で、世界保健機関(WHO)の統計によると近年では世界第8位、先進国中ではダントツにトップだ。
日本の上の国を見ると、リトアニア、ベラルーシ、ロシア、スロベニア、ハンガリー、カザフスタン、ラトビア。いわゆる旧ソ連諸国と東欧の旧社会主義国ばかり。どちらかというと貧しい国が多い。

だいぶ落ちぶれてきたとはいえ、世界有数の経済大国であるはずの豊かな日本が、こういう国と並んで自殺者数が多いというのは由々しい事だ。
自殺は経済的な理由ばかりでもあるまいが、日本社会がいかに暗いムードに覆われているかという事を示唆する結果ではあるまいか?

文字通り今日の食い物にも困っているという状況ならともかく、今現在経済的に苦しいからという理由での自殺が多いのは、やはり社会の歪みの表れだと思う。
特に若者が就職に失敗したとか職を失ったとかの理由で自殺するのは、単に悲惨というだけでなく、今の日本が「やり直しが効かない社会」であるからではないかと思う。

私事で恐縮だが、我輩も九州のとある駅弁大学を卒業した際、家庭の事情で満足な就職活動が出来ず、卒業後も正社員の職になかなかつけないでいた。
今でいうフリーターみたいな生活で糊口をしのぎながら、あの手この手で就職先を探して何年も塗炭の苦労を味わった。
20代も後半になってから、ある英語圏の国に出稼ぎに行き、そこでアルバイトしながら英語を学んで、帰国後やっとそれを生かして今の勤め先に落ち着く事が出来た。

今となっては懐かしい思い出だが、現在の日本でこんな経験をしながらちゃんとした職に落ち着くのはかなり難しいのかもしれない。

それなりの企業の正社員になって安定した生活を、人生を送るにはいくつか関門がある。
まず受験競争。少しでもいい大学に合格する事。
次に就活。どんないい大学に入れても、ここで失敗すると「いい会社」には入れない。

もちろんそういうハードルを次々に越えていきながら一人前の社会人に成長していくのが人生なのだが、問題は、どこかのハードルをクリアし損ねるとそこで「負け組」としての未来が決まってしまうかのような状況がある事だ。

名門大学に入れなくても、それなりの大学で、夜間大学で、あるいは独学で、ブランド大学卒業生に負けない知識を身に付けて就活で復活を目指す。
新卒時にいい会社に入れなくても、実社会で経験を積み他人に真似できない技能を身に付けて自分にとってやりがいのある会社なりに中途採用で入る。

こういう事ががんばりさえすれば可能なら、人生いつでも敗者復活戦のチャンスに満ちていると言える。あとは本人の頑張り次第だ。
だから希望を捨てずに頑張れ、と励ます事も出来る。

だが今の社会の現実はどうだろうか?
表向きはともかく、今でも特定の有名大学出身者以外には門戸を閉ざしている大企業は多い。不況になるとこの傾向はますます強くなるそうだ。
これでは就活以前に大学入試の段階で将来が決まってしまう、少なくともそう思いこんでしまう若者が出てくるのは無理もない。

バブル崩壊後の就職氷河期に正社員になれなかった人たちが、30代、40代になっても安定した職に就けず、フリーターのままという現状もある。
本人が好き好んでフリーターやっているのなら、あるいは本人のダメさ加減の結果なら、それは勝手だが、たまたま大学卒業の年が就職氷河期にあたっていたからそうなってしまっていくつになってもその状態から抜け出せない、というのなら単に不運で済ますのはどうだろうか?

そういう一旦負け組になったら抜け出せない年長の人達の姿を見て育った若者が、自分が敗者になってしまった時、絶望感に囚われてしまうのも無理はないと思う。

人生のどこかの関門で一度負け組になっても、努力次第で敗者復活出来る社会にしないと自殺者数は今後も増える一方だろう。
その意味では安倍前首相が提唱した「セカンドチャンスを助ける」という政策概念はとても重要だった。
しかし1年で政権を投げ出してしまったため、そんな提案はすぐ忘れられ今では覚えている人はあまりいないかもしれない。

政党のマニフェストがそろそろ発表されているが、どこの政党でもいいから「日本をやり直しの効く社会にします」という政策を掲げてくれないものだろうか。

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2009/08/03 22:31
「マニフェスト」と言うカタカナ語を聞く度に、
老若男女、誰でも聞いただけで何のことか分かるような日本語表現は無いものか・・?
と不満な私です。

それにしても、お役所さん発行の情報誌など、カタカナ語の多さにアレルギー・・・?
みんな横文字理解してるのかな~?
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2009/07/30 19:50
どこまで本当に実現するのでしょうかね?
面倒だから先を見ない法案ばかりで結局根本の解決には全く至っていない昨今です(=へ=
勝ち負けと言う言葉の定義はきらいですが、
基本職をえり好みしすぎると負け組みのままになってしまいますよね。
どのようにステップアップしていくのかが一番の課題なのかもです。

最近の人は死ぬ気でがんばっているのかも疑問の人が多いのでなんともいえない問題ですよね。
生に対する執着が希薄なのも安易に自殺へ走らせる原因なのだと思いますです☆
きっと後期のローマみたいな時代が今の日本なのかもしれませんですよ?
本当によく似ているとつくづく思いますですよ(==;
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2009/07/30 12:15
確かに・・・生活できにくい環境を作りだしてるかも・・・・
働きたくても働く場所がないってゆう現実・・・・・
ましてコネばかりで就職できる時代・・・・・
(*´-ω・)ン?嫌だ・・・
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2009/07/30 09:23
「日本をやり直しの効く社会にします」すごく良い政策だと思う。

年齢制限とか子育て、介護、いろいろな制約があって女性の場合、
結構昔から就職きつかった。
現在男性も同じ状況になりつつある。
どんな制約があっても働きたい人は多いと思う。
「日本をやり直しの効く社会にします」賛成!!
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2009/07/30 01:04
そうですよね

人間生まれ持った才能だけじゃなくて 経験で培っていく部分がとても多いと思います
それなのに 一度つまずいたら 経験を積む機会さえ奪われる今の日本に疑問を感じます


 
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2009/07/28 23:53
強く同意します。

>私事で恐縮だが、我輩も九州のとある駅弁大学を卒業した際、家庭の事情で満足な就職活動が出来ず、卒業後も正社員の職になかなかつけないでいた。
自分も現在よく似た立場です。お気持ちお察しします。

>どこかのハードルをクリアし損ねるとそこで「負け組」としての未来が決まってしまうかのような状況がある事だ。
失敗ができないんですよね。
失敗から学ぶことの方が断然多いのに。
・・・失敗を予測できなかった自分が悪い、と世間からは言われそうです。


>たまたま大学卒業の年が就職氷河期にあたっていたからそうなってしまっていくつになってもその状態から抜け出せない、というのなら単に不運で済ますのはどうだろうか?
それでも世間からは「自己責任」で片付けられてしまう。
自分が精神的に強くなるしかない、と僕は考えています。
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2009/07/28 22:35
何で、自殺をする人がいるのか。
何で、頑張ろうと思わない人がいるのか。
私には、それがとても不思議に思えます。
そのような人を減らすためにも、
もっと対策を練った方がいいのでは?
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2009/07/28 22:29
有名大学出身者以外には門戸を閉ざしている大企業

これは危険予測です、安全策です。
例外はあるものの確率論では合理的な採用方法。
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2009/07/28 21:13
私は負け組・・・。
でも、それなりに生きていくのさ(-。-)y-゜゜゜
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2009/07/28 20:47
まったく、そのとおりだと思います。
30代後半から40代で失業したら、二度とまともな職につけないという
危機感があります・・・

失業の理由もいろいろだと思うのです。
まじめに一生懸命働いてきたのに、
会社の倒産や、縮小などで職を失い、再就職できずに生活が破綻、
離婚、ホームレス、あるいは自殺・・・
あまりにも、悲しいです。

今の仕組みをなんとかしていただきたいものです。
ほんとに、人ごとではない今日この頃です・・・(;;)




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