靖国参拝は韓国への見限り?
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- 2013/12/26 15:28:56
安倍晋三総理大臣が今日突然靖国神社への参拝を行い、予想通り中国、韓国の猛反発を買っている。
各種マスコミは批判を受けている事を指して「それ見た事か」という、十年一日の報道ぶりだが、なぜこの時期に参拝なのか?
中国、韓国が現職の総理大臣と閣僚の靖国参拝を非難するのはもう数十年前からの話で、首相サイドも予想の範囲内だったはず。
なぜ今日なのかという点は、単に首相就任一周年という事で区切りがいいからというだけの理由だろう。
終戦記念日や、靖国神社の春、秋の例大祭などの節目に、ことごとく自身の参拝を自粛してきた安倍首相がなぜ方針を変えたのか?
これは個人的推測だが、先日の南スーダンでの自衛隊から韓国軍への小銃弾供与が安倍政権と米国政府をプッツンさせたのではないか?
日本政府側の発表によれば、一万を越える現地避難民をキャンプの敷地に抱え込んだ状態で、韓国軍が南スーダンの反政府軍千人以上に包囲され、弾薬の不足が懸念された。
現地の韓国軍指揮官から現地の自衛隊指揮官に小銃弾を融通してくれと直接要請があり、自衛隊指揮官は日本本国に相談。
韓国政府から外交ルートでそうしてやってくれと要請があり、日本政府が協議。
その後南スーダンのPKO部隊を統括している国際連合からも同様の要請があり、国連の要請ならという事で、日本政府は要請を受諾。
国連が手配した輸送手段で、自衛隊の5.56ミリ小銃弾1万発が韓国軍部隊に届けられた。
このあたりまでは国連が間に入っているから事実関係はその通りなのだろう。
だが、銃弾が届いた後の日本と韓国の言い分が食い違って来た。
日本政府側によれば、南スーダン現地の韓国軍指揮官からは衛星電話で現地自衛隊指揮官に対して直接「感謝する」との言葉があったと言う。
だが韓国国防省は「弾丸が不足していたわけではない。あくまで予備のため」と主張。
これにカチンときたのか、日本の菅官房長官が韓国政府から銃弾の提供を受けた事を「公表しないでくれ」と頼まれていた、と暴露。
韓国政府は提供を受けた事実は認めたが、国連にだけ謝意を示し、日本政府には一言のあいさつもなし。
さらに韓国の有力紙が、この銃弾提供を「安倍政権の積極的平和主義に口実を与えてしまった」というような意味の論評を掲載。
韓国の大統領府である青瓦台がだんまりを決め込んだまま、今日に至った。
これが日本政府側の認識だ。
今回の韓国軍への銃弾供与は、外形的には日本の武器輸出3原則に抵触する。
依頼してきたのが国連で、提供しない場合現地の韓国軍部隊のみならず、一万を越えると言われる南スーダン人の避難者の命が危険にさらされる。
そこで3原則の例外という理屈付けで提供した。
現地の状況は結果オーライだったが、年明けの通常国会では安倍政権はこの件について野党から烈火のごとき非難と追及を受けるだろう。
その事を覚悟の上で、日本政府は綱渡りのロジックを使って現地韓国軍に弾薬を提供した。
そのお返しが、韓国政府全体を挙げての「一言の礼も無し」。
「別に足りてなかったわけじゃね~よ」との公式見解。
挙句の果てには、窮地に陥った韓国軍部隊を助けるための弾薬提供を「日本の軍国主義化の証拠」みたいな言われよう。
ここまでの仕打ちを受けておいて、安倍首相が少なくとも韓国への配慮から、靖国参拝を自粛し続ける必要がどこにある?
ついでに邪推すると、南スーダンでの弾薬提供はアメリカが仕組んだ事ではなかったか?
米軍は少数とは言えオスプレイ部隊を現地に送っているし、南スーダンの隣の隣にあるジブチという国には米軍基地もある。
小銃弾、それもNATO標準仕様弾の1万発ぐらい米軍が用意してやれなかったとは思えない。
米国は、あえて自国の軍ではなく、日本の自衛隊部隊に提供させるよう仕向けたのではないか?
裏の意図はいろいろあるとしても、直近の狙いは「日本の自衛隊が窮地に陥った韓国軍を助けた」という事実を作って、日韓の仲直りのきっかけにしようとしたのではないか?
もしそうなら、韓国は日本だけでなく、米国の好意をも足蹴にした事になる。
日本国内で冷戦時代のままの意識丸出しの国会論戦は好きなだけやればいい。
韓国国内で「日本の軍国主義化」を叫ぶのは韓国人の自由だ。
だが、ともに自国の軍事同盟国である日本と韓国がいがみ合っている状態を打破しようと米国がおぜん立てしてくれたシナリオをぶち壊したのだとしたら、韓国が二国間関係を損ねたのは、どこの国とだ? 対日本か、それとも対米国か?
韓国の対米関係が損なわれたのだとしたら、韓国国内の冷静な国会議員や財界が一番困るはずだ。
なぜなら今韓国は環太平洋経済連携協定、いわゆるTPP加盟交渉に参加をしたがっている。
だがTPP交渉に参加を認めてもらうには、現交渉加盟国全てと、1対1で交渉して同意を得なければならない。
安倍政権は韓国からTPP交渉への参加に同意してくれと言われても断らないだろうが、日本の一般国民レベルでは相当な反対が起きる可能性が高い。
特に南スーダンでの一件が米国の演出だった場合、米国は相当ムカついていて、韓国に対してTPP交渉加盟の際、同意と引き換えにかなり高いハードルを課すかもしれない。
この程度の損得計算すら出来ない政権を頂く国の経済が左前になるのは当然だ。
ただ、日本人が忘れてならないのは、南スーダンの韓国軍指揮官は間髪入れずに日本に「謝意」を伝えたという点である。
政府、政権の考えと、一人ひとりの韓国国民の考えは必ずしも同じではない。
特に韓国には徴兵制があり、成人男性の8割が兵役経験者である。近年は兵役に就く女性も少なからずいる。
重武装した敵に取り囲まれた状況で弾丸が尽きるかもしれない。
それがどれほど恐ろしい話なのかは、韓国人の方が深く理解できる。
それを理解できる韓国人は、今回の弾薬提供の件に限れば、果たして自国の政権の取った態度を称賛するだろうか?
当面の間、日本が韓国に対して取るべき態度はこうであろう。
「韓国政府を相手にせず。
ただし、国外で国際社会のために頑張っている韓国国民には惜しみない支援と応援を」
国会等で批判できる人は「日本が窮地に陥っても同盟国から弾薬など借りずにどうにかしろ」と言っているのと同じことになります。
が、そんなことすら理解できない人が政府レベルでもいるというのが韓国の病理。
彼らが騒ぐのを見て共感する国がどれほどあるか。
「あの国を助けたら面倒だ」と思われたら自国軍をどれだけ危険に追いやるのか本当に理解できていないのでしょうか。
日本が今回の件に懲りて次から支援しないというのも、国際的に見れば「前回の件を理由にして韓国軍を見殺しにした」ということになってしまうでしょう。
だから支援はすればいいと思いますが、馬鹿な判断しかできない現在の韓国政府は相手にするだけ無駄です。