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比例代表の問題点露呈

みんなの党と結いの党の内紛が泥沼化して、国会選挙の比例代表の制度的問題点を露呈させた感がある。

事の発端は、みんなの党の内部で党首の渡辺喜美代表と幹事長だった江田憲司議員が政策路線を巡って対立関係になり、江田氏が自身を含めて15人のみんなの党の議員とともに、離党して新党を結成した。

ところがこの15人のうち13人が比例代表選出議員だったため、渡辺氏が結いの党のメンバーの会派離脱を認めないと言い出し、結いの党としては困り果てている。

国会では政党ごとに部屋を割り当ててもらったり、代表質問に出たりするのだが、政党がそのまま会派になるとは限らない。

衆議院と参議院のそれぞれで、「会派届」という物を提出し、その会派ごとに国会内での権利が割り当てられる。

自民党は衆参両院でそのまま「自由民主党」という名前の会派を結成している。しかしたとえば民主党は衆院では「民主党・無所属クラブ」、参院では「民主党・新緑風会」という名前の会派として届け出をしている。

現時点では民主党の党員しかいないのだが、無所属議員や政党要件を満たせない国会議員のグループ(最低五人の国会議員でないと政党とは認められない)が、会派として活動出来るように、合同で国会内の団体を構成するという仕組みだ。

今回の問題は渡辺氏が「離党するのなら比例選出議員は議席を返せ」と言い出したから起こった。

これはこれで、もっともな言い分のように思えるから、落としどころが見えなくなっている。

比例代表は政党名で投じられた票で当選する仕組みだから、比例で当選した議員が次の選挙の前にその党を離党するという事は確かに不合理なように思える。

だが比例選出議員が議席を返すという事は議員辞職するという事になるので、結いの党の当該議員は受け入れられる話ではない。

法律上はどうなっているのかというと、比例選出の議員が既存の他の政党に移籍する事は出来ないらしい。

だが、選挙の後に本人たちが新党を結成する場合にはその限りではないそうだ。

今回の結いの党のメンバーはこの例外規定に該当する。江田氏が会派としてのみんなの党からの離脱を求めているのはこのためだ。

しかし一方で、会派離脱届はその会派の長、この場合みんなの党の党首である渡辺氏だけが提出出来るというルールもあり、渡辺氏はこれに基づいて、比例選出議員の会派離脱を認めないと言っている。

比例代表という制度には昔からいろいろな問題点があったのだが、当選後に党が分裂した時はどうするのか、という点は法律の想定外だったようだ。

13人の離党組が会派としてのみんなの党から離脱出来ないと、江田氏は自分を含めて二人の国会議員しか独自の会派に入れられない。

二人だけで結いの党という会派を届け出る事は可能だし実際やっているが、正式に会派のメンバーとして認められるのが二人だけだと、たとえば党首討論などへの参加資格が得られない。

これ一見すると渡辺氏が結いの党に嫌がらせをしているように思えるが、比例代表はその党に投票したのだから、という理屈は渡辺氏に理がある。

かと言って現実に離党した党員を、会派の中に封じ込めておくというのは、政党としては異常な事態である。

やはり比例代表で当選した議員がその後になって離党する場合の処理の仕方を、法律でもっと厳密に規定しておく必要があるのではないだろうか。

それにしても新党が多すぎて名前を覚えきれないと感じるのは我輩だけだろうか?

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2014/01/11 20:48
もめてますね~

比例区の問題はおっしゃるとおり。
私は、所属する政党が消滅する場合を除いて比例選出の議員は離党すべきではないと思ってます。
不自由だというなら選挙区で戦えばいいだけのこと。

江田氏の誤算は渡辺氏の頑固さを忘れていたということ。
彼は自民党時代行政改革について更迭されるまで自己の主張を貫いた折り紙つきの頑固者です。
彼を翻意させるには理が通っているか大義名分が立たなければ難しいでしょう。
元々仲間割れした理由も江田氏の独自行動にあったのですから、それも中々難しいかなぁ。
政界再編した方が面白いマスコミは応援しているようですが。

長引けば江田氏が認められていない人も含めて所属する議員を自腹で養っていかなければならなくなります。
そうでなければ新会派は空中分解します。
それこそ政界再編して大同団結でもできたら有耶無耶になるかもしれませんが、周りが様子見を決め込んでいるのも誤算のうちなんでしょう。




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