現駐日米国大使のキャロライン・ケネディ氏が候補に挙がった時、一部の日本の国会議員はこんな懸念を口にしていた。

「本物のセレブに大使が務まるのか？」

当時は「何をいってやがんだ」と思ったが、今となっては「いや、当たってたね」と言わざるを得ない。

先日ケネディ大使がツゥイッターに出したメッセージの件だ。

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https://twitter.com/CarolineKennedy/status/424405149730107393

数年前に公開された「ザ・コーブ」という映画に影響されたのだろうが、そもそもあの映画は和歌山県太地町の地元の人たちに、撮影の目的を知らさないまま、だまし討ち的に作製された物だと聞いている。

あの映画は太地町がなぜイルカ漁をやっているかを、多分意図的に、語っていない。

まるでスポーツフィッシングかスポーツ狩猟のように描いている。

太地町のみならず、日本で沿岸捕鯨やイルカ漁をやっている地域は全て「食べるため」にやっている。

産業用の油を取るために捕鯨をし、油を取った後の鯨は丸ごと捨てていた昔の米国の捕鯨とは違う。

鯨とイルカは単に大きさの違いだが、イルカは国際捕鯨委員会（ＩＷＣ）の規制対象ですらない。

さらに、ＩＷＣが「先住民枠」という捕鯨許可を出している事実を日本人は知っているだろうか？

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http://iwc.int/aboriginal

これで捕鯨を認められて実際やっている地域には、アメリカ合衆国の州であるアラスカが含まれている。

以前はエスキモーとかイヌイットとか呼ばれた、アラスカの先住民が今でも捕鯨をやっている。

我輩はこれに反対しないし、批判する気もない。

極寒のアラスカでは、昔から鯨は貴重な食料であり、アラスカ先住民にとっては、守るべき民族の伝統文化でもあるだろう。

だが、それは太地町をはじめとして日本の捕鯨やイルカ漁をやっている地域だって同じ事だ。

イルカ漁はそういう町の伝統であり、食糧源であり、重要な地場産業でもある。

米国の先住民が必要に迫られて、あるいは伝統を守るために鯨を獲るのは許されて、日本人が同じ事をやるのは「非人道的」な行為になるのか？

ケネディ氏が個人として「イルカを殺すべきではない、非人道的だ」と思うのは自由だ。

だが現職の駐日大使がネット上で公言して、日米関係に何の得があるのか？

ご丁寧に英語と日本語の両方でツィートしているから、明らかに一般の日本国民へのメッセージのつもりだろう。

だがそもそも、ケネディ大使は太地町なりイルカ漁をやっている町に実際に足を運んで、地元住民と話をしたのか？

アラスカ先住民に捕鯨を禁止したら、職を失って路頭に迷う人だって出るのではないか？

太地町の日本人ならそうなっても構わないと？

あのケネディ家の直系だからと大いに期待したが、しょせんは一般庶民の生活など知りもしなければ知ろうともしないという事か？

大金持ちのお姫様に過ぎないのだろうか？

安倍首相が靖国神社に参拝した時に米国から言われた言葉をそのままお返ししたい。

アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ様。

日本国民の一人として、あなたが任命なさった駐日大使には「失望しました」。