Nicotto Town



理研の最大の欠陥は広報部門

STAP細胞を巡る騒動は、本来あるべき姿からどんどんかけ離れて行っている気がする。
論点がずれてしまっている点を整理してみよう。

この泥仕合、理化学研究所 VS 小保方晴子さん、という図式だが、いつの間にか「STAP細胞が実在するかどうか?」を巡る対立だという間違った認識が世間に広まってしまっている。
「STAP現象」、つまり分化済みの細胞に刺激を与えて多能性細胞に若返らせる、それが実在するかどうかについては、両者は一切対立していない。

STAP細胞を作製したとする論文にいろいろケチがついてしまったので、理研関係者は今は「STAP現象」という言葉を使っているようだ。
小保方さんの上司であった笹井芳樹さんは、論文の問題が浮上した後も一貫して「STAP現象そのものは存在する」と何度も発言している。

さらに理研は総力を挙げてSTAP現象再現実験を行うと4月7日に正式に発表している。
小保方さんが記者会見を開いたのは4月9日。
だからSTAP現象が実在するという点では、両者の意見は完全に一致している。

しかし記者会見で小保方さんが「STAP細胞が存在しない事にされてしまう」と泣いて訴えたため、あたかも理研がSTAP現象を否定しているかのような誤った報道がなされてしまい、何が争点なのかが混乱してしまった。

あの会見で「いえ、小保方さん、理研はSTAPという現象そのものの実在は否定してませんよ」と、誰ひとりつっこまなかった点は、マスコミの理解不足の問題。
だが、小保方さんに理研とこの点では意見の相違がなかった事を事前に教えていなかったなら、弁護士団の不手際だ。

この結果様々な陰謀論まで噴出してきて、論点がどんどんずれてしまっている。
年寄り科学者が寄ってたかって若い女性の研究成果を葬り去ろうとしているという陰謀論は、完全に成り立たない。
理研はSTAP現象を否定していないどころか、総力を挙げてもう一度証明すると言っているのだから。

こんな事になってしまった原因は当事者たちはもちろんだが、理研の広報体制にもある。
最初の失敗は、小保方さんをマスコミに売り込むタイミングを間違えた事。
ネイチャーは確かに世界的に権威のある科学ジャーナル誌だが、論文の掲載が決まった時点では提唱した理論が正しいと証明されたわけではない。

ネイチャーに掲載された後、世界中で第三者の科学者が論文通りに再現実験を行い、追試成功というニュースが入って初めて、マスコミに売り込むべきだった。
今回の場合、追試が全然成功しない事から騒ぎになったのだから、このタイミングで事を行っていたら、これほどの大騒ぎにはならずに済んだはずだ。

次の失敗はマスコミが殺到した時に広報担当者が間に割って入らなかった事。
「研究に支障が出ているから取材を自粛してくれ」というコメントを広報担当者ではなく小保方さん本人に言わせてしまったため、本人が不要な反感を買う事になった。

またマスコミが悪乗りし始めた時点で、「まだ客観的、科学的に証明されたわけではない」というコメントを理研の正式見解として出しておくべきだった。
これをやらずにマスコミの過熱報道を放置したため、小保方さんを信じない人たちには、彼女が「ペテン師」に映り始めてしまった。

さらに小保方さんの記者会見を個人としてやらせてしまった事。
あの会見は理研が主宰し、双方が対峙する形で行うべきだった。
そうすれば小保方さんにおかしな形の同情が集まり、政治論争化してしまう事態は避けられた。

論文についても、理研としてはSTAP現象の実在を否定していないという点をもっと強調するべきだった。
STAP現象は実在すると信じているが、論文がとても世間に公開できる代物ではないので、後日改めて研究結果を発表すると繰り返し表明すべきだった。
これをやっておけば「論文の書き方のルール違反」という争う余地のない事実だから、小保方さんを断罪しても理研が批判される事はなかったはず。

さらに救いがたいのは、コメントを出すべき時に出さない事。
現時点でSTAP細胞を幹細胞に培養した山梨大学の若山照彦教授が、雌由来の細胞を作製していなかったという報道がなされ、一転、雌由来の物も作っていたという話が出てきて、情報が錯綜している。

理研なら若山教授に連絡を取る事は簡単だろう。
「雌由来の幹細胞を作成しましたか?」
こんなのはイエスかノーかで答えられる質問なのだから、若山教授の回答をさっさと出せばいい。
たったこれだけの事をやらないから、関係者の自宅に記者が群がるという騒ぎにしてしまう。

ここに挙げたような事は、民間企業の広報を経験した人なら「常識でしょ」と思うような事ばかりだと思う。
理研は独立行政法人、つまり半分お役所みたいな組織なので、民間企業の広報ノウハウを持っている人がいないのだろうか?

理研は改革を唱えているが、それは研究者の倫理とか不正再発防止とか、そちらの観点ばかりだ。
理研が改革すべきなのは、それに加えて広報体制の強化、見直しだ。

広報部門の職員は科学者ではないのだろうが、だからこそ学者馬鹿になりがちな研究者を一般人の常識に沿うような形で外部と接触させるのが広報の仕事だ。
すごそうな研究者をマスコミに引き合わせて後は何もしない、そんな仕事は子供でも出来る。

理研は本気で組織改革をする気があるのなら、民間企業から広報のプロをスカウトしてきて、広報部門の改革をまずやるべきだ。

アバター
2014/04/16 17:41
実はすでにアメリカでは猿で実験に入っています。
本当におしいです。
小保方さんは来年は日本にいない気がしますし~
日本のSTAP細胞は論文消滅で消えて
アメリカのハーバードの手柄として別の名前で再登場スヨ!!
コロは科学はいまいち判りませんが・・・
お金の動きは正解を見せます。
ハーバードは大枚はたいても来いと言い。
そのお金はアメリカの政府機関から出るのですから・・・小保方がアメリカに移民したら終わりです。
日本のマスコミも悪いよねぇ~うん。
アバター
2014/04/13 18:07
iPS細胞との対比でプレスしたのも大間違いでしたね。
あれで大分反感を買っています。
副センター長という肩書きの笹井氏は恐らく広報には相談しなかったんじゃないでしょうか。
笹井氏の戦略ミスだと思います。
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2014/04/13 14:00
なるほど、、、、、全く、、その通りですね、、




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