Nicotto Town



日本はもはや「階級社会」?

格差社会という言葉が使われ始めて久しい。
特に若者世代の貧困化は解決するどころか深刻化する一方である。
政府は「貧困の世代間連鎖を食い止める」とか言っているが、食い止めるもなにも、そんな物とっくに始まっている。

十年ほど前だったろうか、「大学全入時代」という話があった。
少子化と、新設の大学が増えた結果、数字上は大学進学希望者が、入学先をえり好みしなければ、全員大学に入学できるようになった。

ところが皮肉な事に、同じ頃から家庭の経済的事情で進学をあきらめる若者が急増してきた。
性風俗に身を染める若い女性も急増。特に18歳未満の少女が商品化されている。
秋葉原で一時悪評が立った「JKナンチャラ」サービスなどだ。

若者の貧困は自己責任論で切って捨てられがちだが、中高年世代の無知、無理解の方をなんとかしないと、状況は悪化する一方だろう。

特に深刻なのは大学進学に関する中高年の無知だ。
「家が貧乏なので大学に行けない」という若者の声に、必ずと言っていいほど出る反論がある。
「だったら勉強して国立大学へ行けばいい。学費が安いんだから。甘えるな」という意見。

これは30年前の感覚なのだ。我輩が国立大学(と言っても地方の駅弁大学だが)に1980年代初めに入学した時、授業料は年間で確か10万8千円だったと記憶している。

現在の国立大学の年間授業料は平均で53万円超。我輩の時代の5倍以上だ。
物価の変動を考慮しても、2000年代はデフレだったのだから、かなり控えめに見積もっても実質4倍超というところだろう。

さらに、我輩の時代は国立大学の授業料は全額奨学金で賄う事が出来た。
当時は「日本育英会」という名前の団体の奨学金で、かつ奨学金と言えば返済は無利子が当たり前だった。

だから我輩の時代は、確かに自宅から通学できる国立大学にがんばって合格出来れば、貧乏人の子でも4年生大学を卒業する事が可能だった。
当時は4大卒が今ほど溢れておらず、それなりの会社に就職できれば、貧困層から中間所得層へ「上昇」する事が出来た。

こういう事が可能な時代なら、確かに「家が貧乏なら国立へ行け」という理屈は成り立った。
だが今や、国立大学の学費は決して安くなどない。医学部などを別にして、国立と私立大学の授業料負担は1.5倍程度の差しかないそうだ。

貧乏人の子は、たとえ頭が良くても国立にさえ行けないのが、現在の日本の実情なのだ。

さらに現在進学適齢期の若者は「ゆとり教育世代」である。
ゆとり世代がいいの悪いのという話ではなく、この世代の受けた公立学校での教育は、大学進学に必要な最低限の知識教養を与えていない。

つまり、まともなレベルの高校、大学へ行きたいなら、塾や予備校のセミナーなどに通わないと、必要最低限の学力を得られない。
最近読んだ本の中に「ゆとり教育の正体は学校教育の民営化だった」という意味の記述があった。
なるほどなあ、と思ったものだ。

本来日本における教育は、税金で運営される公立学校で必要最低限の学力を身に付けさせ、高校入試の時点で同じ平等なスタートラインに立てるようにする、という趣旨のはずだ。

ところが現状では中学生、大都会では小学生の時から塾通いをしないと、進学率の高い高校には合格できない。
ましてや大学をや、である。その救済策としてむやみやたらと新しい大学を作った結果、底辺校だのFランク大学だのという、「卒業してもまともな就職先がない大学」を乱造してしまった。

ここでも年配者の意識が古く、4大卒にふさわしい仕事に就け、というプレッシャーをかけたので、就職活動で100社も200社もチャレンジして、一向に内定が得られず、そのままニートや引きこもりになってしまう若者も多数出た。

同じ時期に中小企業は「人手不足」に悩んでいたという、笑うに笑えない社会状況だ。
今年あたりから就職活動は学生に有利に転じているようだが、低ランク大学の学生の状況までが好転しているのかどうかは不明である。

さらに社会に出た途端に、借金地獄に陥る大学卒業生も多いそうだ。
仮に運よく国立大学に入れて授業料を全額奨学金で賄えたとしても、卒業と同時に200万円を超える借金を背負っての、社会人生活スタートとなる。
追い打ちをかけるように、今の奨学金の多くは有利子である。

たとえそれなりの企業の正社員になれたとしても、この返済負担は重い。
2百数十万の負債を新入社員が利子付で返済を始めた場合、元利ともに返済完了できる頃には30歳を超えるだろう。

それからやっと結婚資金などを貯金し始めて、用意が整う頃にはもう40歳近くになってしまう。
これが未婚化、晩婚化の最大の原因ではないだろうか?

これとて正社員になれるという幸運な前提の話で、大学を出ても就職できない、高学歴ワーキングプアになった若者は、社会に出て数年で自己破産宣告に追い込まれてしまうケースもある。

だから未婚化、晩婚化率は、むしろ高学歴者ほど高いのではないか?
一方、早々に大学進学をあきらめた若者は、やはり不安定な非正規労働者になり、低所得者同士で「できちゃった婚」になりやすい。
だから20代で結婚、出産するケースも多いのだが、非正規雇用同士のカップルだと、家計が安定しにくい。

こういう家庭の子供をこのまま放置しておくと、「家が貧乏なので進学はあきらめる」という将来に直面する。
低学歴と貧困が、ダブルで子供の世代に連鎖してしまう。
そして、この連鎖現象はとっくに始まっている。

今この連鎖を止めないと、日本は十年後にはこんな社会になる。
いい大学を出て中間所得層になれる条件は、中間所得層以上の親の家庭に生まれなければならない。
本人の努力だけで所得階層を上昇する事はほぼ絶望的。
それが可能なのは、プロスポーツ選手になるか、芸能人になるか、金持ちと結婚するか、ぐらいしかない。

これはもう「格差社会」を通り越して「階級社会」ではないか?
江戸時代に逆戻りしたような社会構成の国家に、復活だの明るい未来だのは無い。

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2015/04/22 07:25
国立大に入れるのは小さい頃から家庭教師とか学習塾に通ってないとダメだよ~
学習塾や家庭教師にスゴクお金が払えるお金持ちが国立大へ行くの~
親戚のお兄ちゃん(普通の家の子)が東大に入ったら他のほとんどの子が大金持ち!
東大でお友達になった人のお家に遊びに行ったら
物凄く大きなお家で普通の家が玄関に入るくらい大きなお家だったって~
東大生ってそんな大金持ちばっかしよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
彼らの言い分は『東大に入るのにお金がかかるんだ。貧乏人には入れない。』らしい・・・orz
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2015/04/14 00:51
自分が学ぶために通っていた大学なので奨学金を自分で返すことは何とも思わなかったけど、私の場合は無利子だったからなぁ。
昔は所得が一定以下の家庭で、一定水準の学力があれば無利子でした。
でも奨学金の要件が厳しくなっている原因って、払えるのに返さない悪質滞納者にもあるんじゃないかと思う。
後輩の首を締めたらだめでしょうに。

国立は今は国立大学法人になっているからあまり安くできないんでしょう。
法人化が検討された時に大学の先生は学費のことも懸念していたのにさっぱり報道されなかったからなぁ。

教育は未来への投資なので、学ぶ気のある人には門戸を開けないと平均的な学力はどんどん下がってしまう。
もったいない話です。

でも全員が大学で学びたい人でもないだろうから、ドイツみたいに職業訓練校を増やして職人人口を増やすのもありだと思う。
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2015/04/12 12:11
新卒者の借金地獄のことを以前テレビで取り上げられていたのを見たことがありますが、
借金の返済と、家賃とかになったら、生活していけないとか…。
借金の返済を一度でも滞らせれば、車のローンも、家のローンも組めないし、キャッシュカードも作れない。ひょっとすると、携帯電話も持てないようなことになるのかな?
親として、子供に借金を負わせるって、どういうことなんだろう?
子供に借金させることが、私には、わかりません。

公立の先生のレベルも落ちてるのかな?
チャイムが鳴ったぞ~。
早く席について・・・。
教科書の〇〇ページを開けてください。
誰か呼んでくれる人・・・。
小学校の低学年で、この授業の始め方。
すぐに、授業モードにスイッチが入る子が、どれだけいるのだろうか?
現代では、チャイムもないというような話を聞いたことがある。
学力低下の日本に逆三角形の人口。

中間所得って、どれくらいなんでしょう?
調べてみた…。
厚生労働省の基準では、単身世帯であれば年収300万円から600万円、2人以上の世帯であれば年収500万円から1000万円が中間所得世帯。

年収300万って、中間所得に入るんだ…。毎月の手取りが、ボーナスなしで、21~22万ってとこですかね?ボーナス込だと毎月の手取り17~18万てとこですか?
厳しい~。
自宅通いならまだしも、これで、家賃払ったり、自分で弁当作る男子が増えても当然ですよね。
男子が、料理も出来ちゃったら、出来ない女子に、魅力なかったり?
そこに付け加えて、草食男子とか?
ダメじゃ~~~ん。




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