池袋のハラル・レストラン
- カテゴリ:グルメ
- 2015/05/08 21:40:03
まだまだ少数だが、東京でもハラル対応のレストランが増えつつある。
今日は東池袋にある最近開店したところへ行ってみた。
池袋駅東口から歩いて数分の場所にある。
名前はマンハッタン・フィッシュ・マーケット。
世界各国に同名のレストランを展開しているチェーンで、日本ではここが第1号店。
発祥の地はマレーシアらしい。
ハラルとは、イスラム教の戒律で「食べる事を許された」という意味。
飲酒の禁止と豚肉の禁止はもう有名だろう。
この店は多分マレーシアのハラル対応。
実はハラルと言っても、世界的に共通の基準という物はないそうだ。
自明の理に思える飲酒の禁止にしても、一般的な傾向として、イスラム発祥の地であるアラビア半島から距離が離れるに連れて、緩くなる傾向がある。
昔南アジアのイスラム圏の国から来た人に「アッラーが禁じたのはだらしなく酔っ払う事であって、俺は強いからビール程度は問題ない」と言われて、大笑いした事もある。
日本でハラル認証を受けるには、アルコールと豚肉、豚由来の調味料などを一切使わない事は当然だが、アルコール飲料も一切扱ってはいけない。
ハラル認証の基準かどうかは分からないが、ハラルを謳っている店は店内全面禁煙である。
マンハッタン・フィッシュ・マーケットはその名の通り、内装や雰囲気、店員さんのユニフォームなどはアメリカ東海岸風。
ニューヨークによくあるフュージョン料理とか、多国籍料理のレストランみたいな感じ。
言われなければハラル・レストランとは気づかない程、カジュアルな明るい雰囲気の店で、イスラムに無関係な日本人でも入りやすい。
食材は野菜とシーフードとチキン。他に肉は使っていない。
ハラルは豚肉さえ使っていなければいい、という単純な物ではなく、牛や羊の肉でも、こだわる人には細かい規定がある。
羊の肉でも、頸動脈を鋭い刃物で掻き切って苦しまないよう絶命させ、完全に血抜きをしないといけない。
さらにその時イスラム教徒が立ち会って、聖典クルアーンの一節を朗誦していないといけない。
ここまで徹底的なハラルの肉はやはり手に入りにくいのだろう。
料理はアメリカのカジュアルレストラン風の物ばかりなので、日本人にも特に抵抗はないはずだ。
せっかく日本に来たのなら、もっといろんな日本食を味わってほしいと思う日本人も多いだろうが、こういう店が要所要所に一軒だけでもあると、むしろムスリムの人たちも行動範囲が広がるかもしれない。
ハラルは世界共通の基準が無いだけでなく、実は同じ国の同じイスラムの宗派でも、人によって微妙に違う。
例えば日本の大量生産の醤油は、製造過程で一時的にアルコールが生成される。
だから醤油はハラルでない、つまり「ハラム(禁じられた物)」とみなすムスリムもいるが、最終製品がアルコールを含んでいるわけではないので、そこまで気にしないというムスリムも多い。
要するにハラルはかどうかは、極論すれば、ムスリムが千人いたら、千人全員が微妙に違う基準を持っていると思っても、あながち間違いではないだろう。
だから普通の日本料理でも、個々のムスリムが自分の判断で「これはセーフ」と思えば、食べていいし、実際食べるのだ。
だからムスリムに食事を出す場合、成分などがはっきり分かれば、本人がOKかどうか判断すればいいだけで、成分表示の方が大事な問題なのだ。
日本ではまだ、そういう材料や成分の表示がないので、個人的な基準でOKかどうかの判断が出来ない事が多い。
ムスリムの観光客が日本では食事に困ると言うのはそういう意味である場合が多く、必ずしも完全ハラル対応でなければいけない、という事でもないのだ。
だからハラルを保証している店が繁華街に一軒だけでもあれば、他の色々な日本食の店を回ってみる事が安心して出来る。
OKと思えそうな店が見つからなければ、そのハラルを謳っている所へ行けばいい。
そう思えば、いろんな飲食店をのぞいて見る余裕が出来るだろう。
それに、シーフードとチキンだけでハラルにこだわった調理をすると、自然に脂肪分が抜けてヘルシーフードになる。
健康志向で嫌煙家の、特に若い女性には、イスラムとは全く無関係に、人気になるかもしれない。
何でもござれの、、宗教観のある日本人、、には、、そこまで、、食材にこだわる心理は、、なかなか、、
共感できないかもしれないですね、、
でも、、ヘルシー志向を、、全面に出せば、、いけると思いますよ