Nicotto Town



風俗業者とイスラム過激派の意外な共通点

貧しい家庭に育ち、ろくな教育を受けられず、そのためまともな職に就けず、周囲の普通の家庭の同年代から疎外され、どこにも自分の居場所がないと感じ、さりとて自分の将来を完全にあきらめる事もできず、自分を必要としている誰かが、いつか現れるのではないかという儚い希望を胸に秘めている。

そこへある日突然、ちょっとした事から、自分に深い興味を示してくれる人物に出会い、君には人間としての価値がちゃんとあり、必要としている人たちがいて、自分の所へ来ればそういう居場所を得られると熱心に説得される。
悪い気はしないし、もし本当なら願ってもない話かもしれないので、興味半分でついて行くと、誰もが暖かく迎えてくれたので、すっかりその気になってしまう。

が結局は、都合よく利用されて使い捨ての駒として扱われただけだった。
それに気づいた時はもう何もかも手遅れ。

これ、何の話だかお分かりだろうか?
今世界を騒がせているイスラム過激派テロ組織の、自爆テロ犯人などを勧誘する俗にリクルーターと呼ばれるメンバーの使う手口である。

イスラム圏の貧しい途上国には、こういう若者が数千万の単位で存在し、リクルーターの格好の餌食になっている。
一見裕福そうに見えるアラブ諸国でも、経済構造が近代化していない国が多いため、学歴は驚くほど高いが就ける職がなく、欧米の一流大学に留学した青年が露天商で食いつないでいるというケースも多いらしい。

こういう居場所を持たない若者、あるいは自分にふさわしい居場所ではないと感じて深く悩んでいる若者が、イスラム過激派の中でも特に過激なテロ組織に吸い込まれてしまうらしい。

なるほど、大変な社会問題だなあ、と他人事に思っていたら、これと本質的には全く同じテクニックを駆使している集団が東京にも多数いるらしいと知って驚いた。
幸いテロ組織ではないが、ある意味よけいタチが悪い。
違法性風俗産業のリクルーターなのだ。

最近JKナンチャラサービスなんてのが問題になっているが、どうも議論が混乱している。性風俗産業には2種類あって、お上に黙認されている正規の(と言うのも変な言い方だが)業者と、違法な業者である。
この二つの区別がついていない若い男性が多いので、話がこんがらがっている。

(念のため言っておくが、我輩はそんな所へ行ったことはない)

両者の違いは「風営法届出番号」というのを持っているかどうかで決まる。
買春など無くなるに越した事はないというのは正論だが、そうは言っても男のへそから下に人格は無いというのも一面の真理であり、性風俗を完全に潰すべきか、グレイゾーンとして残すべきかは、実に江戸時代の初頭から繰り返されてきた議論でもある。

歌舞伎などで「振袖火事」として知られる明暦の大火で江戸の町がほぼ全焼し、当時日本橋の近くにあった吉原遊郭も全焼。
そこで江戸の町の大規模再開発が計画され、吉原遊郭を廃止すべきかどうかが幕閣の間で論争になった。

結局今で言う強姦事件が増えるぐらいなら、という理由で存続が許され、その代り当時としては江戸の街の最果てだった浅草寺の北手に移転する事を交換条件に、吉原の営業が再開された。
これが現在の吉原ソープランド街の起源である。

(繰り返すが、決して行ったことがあるわけではない)

戦後は売春防止法が施行されたが、この法律は戦前の公娼制度のような業者による搾取を取り締まる事が主眼であって、売春をした女性を罰する事が主目的ではない。
さらに1990年代後半に、無店舗型と呼ばれる、昔で言うコールガール形態の性風俗が増えたため、これをお上の管理下に置くために風営法が改正され、デリヘルなどが事実上黙認された。

だから風営法届出番号を持っている業者は存在そのものが犯罪というわけでもない。
ただし、番号を持っている業者は黙認の条件として、定期的に所轄の警察の抜き打ち検査を受ける。
いろいろ禁止事項はあるが、18歳未満の女性を働かせてはいけないというのは、最大の犯してはならないタブーである。

たとえ女の子の方が年齢を偽ったとしても、業者には確認する義務があり、ばれたら風営法届出番号を取り上げられる。
表向きは届出番号だが、事実上の営業許可証なので、正規の業者は決して18歳未満の未成年は雇わない。

(くどいようだが、決して行った事があるわけではない)

届出番号を持っている業者は、店舗あるいは事務所の住所と責任者の住所氏名を各都道府県の公安員会に届け出ている。
また店舗なり事務所の入り口から一歩入ったら、すぐに目につく場所に、その届出証を掲示しなければならない。

我輩の世代の男なら常識なのだが、最近驚いたのは、今の若い男性諸氏はこのようなシステムが存在する事自体を全く知らない人が多いらしい。
金で女買いたいなら、届出番号を堂々と掲示している所へ行けばいいだろうに、と思っていたのだが、それ自体を知らないというのでは、違法風俗に通ってしまうのもむべなるかな、だったのだ。

よくJKナンチャラのいかがわしいサービスで働いている女の子を売春婦だという書き込みを見るが、非常に残酷な意味でそれは間違っている。
番号を持っている性風俗店の女の子が、命の危険を感じるような客とのトラブルに巻き込まれたらどうするか?

女の子は携帯なりスマホで素早く店長にSOSを送る。
気づいた店長はどうするかというと、ためらうことなく所轄の警察に電話する。
必要とあれば近くの交番からお巡りさんが駆けつける。

堂々と営業している風俗街を歩いてみると分かるが、ああいう所の交番は、それが出来る場所に配置してあるのだ。

(しつこいようだが、決して行った事があるわけでは……)

一方番号を持っていない違法業者は、女の子の命に関わるような事態であっても、決して警察に助けを求めたりはしない。自分にとって自殺行為になるからだ。

つまりJKナンチャラを含む違法性風俗の女の子たちは、売春婦ですら保障されている法的保護を与えられていないという事だ。
彼女たちには気の毒だが、扱われ方は「売春婦以下」なのだ。

正規の風俗店の女の子たちは、精神的に業者に依存しているケースは少ない。
違法性風俗の世界のなぜ好きこのんで足を踏み入れるのかというと、冒頭に書いた巧妙な心理的仕掛けにはまってしまうかららしい。

イスラム過激派に吸い込まれる仕掛けと、違法性風俗に引きずりこまれる心理的メカニズムが本質的に同じなのだから、単に少女の「非行」で片付けられる話でもないように思う。

今の日本社会で自分の居場所を見失い、誰かとの繋がりや絆を求めて、しかし得られずに人知れず苦しんでいるのは、なにも若い女性だけではあるまい。

日本人の若い男性が、ISISのような狂気の過激派組織に国内でリクルートされる。
そんな未来の序章でなければいいのだが。

なお今回のこのブログの内容、うちのカミさんにはくれぐれもご内密に。
シィーーー!

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2015/10/29 06:58
アメリカの女子がISへかなりの人数が行ってしまって問題になってますよね~
アメリカは日本より就職に関してはヒドイ状態で
有名な大学を出ていても正社員になれないデス。
アメリカは大学へ行くのに奨学金に頼る人が多くて~
正社員になれないので奨学金が返済できず、多額の債務で苦しんでいる人が多いで~す。
風俗へ行く女子は貧乏だからではありません。
生活圏に居場所が無いのと自己への評価が低い女子が風俗のリクルーターにやられるんですよぉ~




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