ダライ・ラマとは何か
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- 2009/12/28 18:54:59
来年の6月にダライ・ラマ14世が長野の善光寺を訪問することになったそうだ。
北京五輪の時に善光寺が、中国政府のチベット住民への弾圧を理由に聖火リレーの出発地になる事を辞退したが、そのお礼を述べるために同寺を訪問するらしい。
日本の政権が中国よりになっているこの時期によく入国が許可されたものだと思う。
そう思わないかと、周りの若い人たちに聞いてみたら、ダライ・ラマを知らない人、あるいは中国政府に追われている「犯罪者」だと信じ込んでいる人が少なからずいて驚いた。
ニコッとタウンにも十代の若者が多いので、ダライ・ラマについて、我輩のわずかばかりの知識をここに記しておこう。
まず中国政府はチベットが昔から中国の一部だと主張している。ただ歴史学的には、チベットは歴代の中華王朝とは明らかに別個の国家であった。
チベットが完全な独立国家であったかどうかは異論の余地があるが、少なくとも「朝貢国」に近い位置の国であったようだ。
朝貢国とは、中国の歴代王朝国家に定期的に貢物を送って友好関係を保ち、非常事態の時には中国の保護を受ける権利を保障される。王朝時代の朝鮮国みたいなものと言えば分かりやすいだろうか。
1950年に中華人民共和国が「チベットは中国の一部である」と言いだして、人民解放軍の大部隊をチベットの首都に進軍させ、事実上自国の支配下に置いた。
この時チベットの宗教、政治両面の支配者、まあ一応国王のような地位にあったのがダライ・ラマ14世である。
ダライ・ラマはインドに亡命してそこにチベット国の亡命政府を設立し、長らくチベットの解放、つまり中国からの独立を世界に向かって主張してきた。
しかし最近の中国の経済成長と国際政治上の影響力の増大の結果、チベット独立の主張は受け入れられなくなりつつある。
現在ではダライ・ラマ自身も「独立ではなく、中国の中でのチベット人による高度な自治」という風に主張をトーンダウンしている。
が、中国政府はダライ・ラマを「中国を分裂させる事を企んでいる元封建的支配階級のボス」と決めつけて、耳を貸さないという態度を変えていない。
さて「14世」というぐらいだから世襲の王様だと思っている人が多いかもしれないが、チベットの指導者の選び方は非常にユニークだった。
ダライ・ラマは「活仏」とも呼ばれ、同じ仏様が次々に生まれ変わって代々のダライ・ラマになるのだと考えられてきた。
先代のダライ・ラマが死ぬと、チベットの第2位の指導者である「パンチェン・ラマ」という高僧が国中でその魂の生まれ変わりである子供を探す。
チベットでは昔から、知能、人格に優れた子供を各地のお寺に預けて養育するという習慣があり、たいていはそういうお寺の子供の中から「先代のダライ・ラマの生まれ変わり」が見つかる事になっていた。
これは王政としては非常に優れた仕組みである。世襲王政の最大の欠点は、どうしても暴君や暗君が出てきてしまうことである。
ダライ・ラマは政治、宗教両方の権力を独占する独裁的な君主だから、暴君や暗君が出現したら、あの厳しい自然条件の貧しい国はひとたまりもない。
また、中国、インドという大国に挟まれている地理的条件下で、条件付きででも独立を保つには、ダライ・ラマは常に聡明な名君でなければ困る。
そこで、先代の生まれ変わりを血筋に関係なく能力や人格で選んで、子供のうちから名君になるべく教育する。いわば「世襲を排除した絶対王政」だったと言える。
大昔はともかく、近年ではチベット人自身だってダライ・ラマの「生まれ変わり」を本気で信じている人はそう多くはないだろう。
だが王様の選び方としては世界的にも非常に珍しい、面白い仕組みである。
逆に言えば、だから王政にも関わらず、20世紀半ばまで中国とインドに挟まれて、また西欧列強にちょっかい出されながらも、一応独立ないし半独立の状態を保つ事が出来たのではないだろうか。
ちなみにダライ・ラマ14世の亡命政府はあちこちの国に代表事務所を置いている。まあ、亡命政府にとっては大使館みたいなものだ。
実は日本にも「ダライ・ラマ法王日本代表部事務所」というのが東京・新宿区にある。
日本代表部事務所の日本語のホームページもあるし、チベット関連の本を集めた「図書室」という部分は一般人にも開放されているので、チベットに興味のある人は行ってみてはどうだろう。
(訂正:ダライ・ラマの訪日予定は来月6日ではなく、来年の6月でした。)
なにぶん世情に疎いものでどういう人か分かりませんでした!
ただ、かなり昔から存在している人物(っといっていいものか?)なのだけ知っておりました。
良い勉強させていただきましたです♪
ありがとうございますですよ☆
ダライ・ラマ14世、来日ですか。
もめなきゃいいけど。
血縁に関係ない子供を選び出すというのは、ちょっとだけ知っていましたが、
考えてみると、本当にめずらしい仕組みですね。
独裁者はもちろんの事、日本でも、代々政治家の家系の人が、大きな顔していられるし・・。
ダライ・ラマが年明けに来日するのは知りませんでした。
媚中の政府が、よく許可しましたね・・・ビックリです。
・・・・また、中国があれこれ文句言ってくるんだろうなあ。
さすが馬賊出身だけはあると思ってしまうw
中韓朝びいきの日本はそちらを批判するような情報を規制してあまり入ってこないようにしているから
中国が行っているチベット民大量虐殺や、法輪功メンバーの過剰弾圧&虐殺のニュース
その他もろもろをテレビで報道しないわけで。
この過剰ともいえる情報規制と情報操作されている日本という国の中で
「何が正しい事なのか」という事に興味を持ってくれる人が増えて欲しいと切に願います。
写真入りで活字も大きく読みやすいです。非暴力を常にうったえている素敵な方です。
一見すると、商店街のおじさん という気さくな感じの方です。。
チベット仏教。。チベット医学。。には、日本人が忘れてしまった知恵が、詰まっています。。
チベットの方は外見日本人と変わらず蒙古斑もあります。。おそばも食べます。
山岳民族です。。そして母系社会だったと思います。。
善光寺に、御見えになるんですね。。
日本ではなぜか、チベット問題はあまり報道されませんが、、現地での中国の差別問題など、、もっと取り
上げられても良いと思います。。