「今日は、みんなにラブレターを書いて貰うわね。好きな人がいない人には、異性のクラスメートに書いても良いし、私に書いてちょうだいね。相手のことを想うことがポイントよ♪」

と、国語の教師であるルイン先生の言葉によって、今、

架空のラブレターを書いている。

まだ、私には恋人なんていないのでとりあえず、自分の好きな漫画の主人公で書いているけど

結構、難しいというか、恥ずかしい。

後、どう書けば良いのか手本を見せてくれないので

わからない。

「ねぇ、リリー。」

だから、指でリリーの肩を軽く叩きながら、小声で頼んでみた。

「何？」

「友達に頼んで良いことなのか分からないけど、

リリーのロッカー前にあったラブレターの１通を貸してくれる？」

「貸してあげるけど、責任は自分で取ってね。」

「うん。ありがとう。」

…人のラブレターを写して、提出するなんて正気じゃないと思われても、全然分からないので

リリーに頼んで、1通のラブレターを書き写すことにした。

そして、それをルイン先生に渡した。

　すると、それを見て、ルイン先生は乱暴に教卓を叩いて私を叱った。

「ミュールさん！何なの、これは！？

これじゃあ、まるで愛することを強制する脅迫文じゃないの！？

私が教えたポイントを無視しないでちょうだい!!」

「すいませんでした。家族以外に愛したことはないので。」

確かに、私にも非があるけれど、大声で乱暴に怒る姿に腹が立ったので、

一見、謝っているようにも見えるけど、実は反省していない態度でルイン先生に謝った。

　ちなみに、リリーが書いたラブレターは、結構褒めてくれたそうだ。

「あのカマ男先公なんて、蒸発してしまえ！！

無理なら、その手助けを無償でやってさしあげようか！！」

と、授業が終了してルイン先生が出て行った後に、

悪態をついたらリリーが宥めてくれた。

 

４時間目　盗賊史

　「初めまして、僕の名前は、シャイン・カーポ。　見ての通り、男です。

さて、“盗賊史”と聞いて、皆さん何のことだか想像できましたか？」

　と、シャイン先生は自己紹介とともに質問してきた。

けれど、答えを知らないので

誰も答える人はいなかった。

 

「盗賊史とは、僕達が生まれていない昔に、活躍していた先輩達のことについて学び、

自分はどのような活躍したいかと想像を膨らませる教科です。

今日から一緒に勉強しましょう。」

シャイン先生の解説を無視して、

私はぼんやりとしていたら、隣に座るリリーが

教科書を立ててラブレターの仕分けしている様子を目にした。

一体何通のラブレターを受け取ったの、リリー？

1教科1時間の内、30分は普通に教科書と配布されたプリントを用いた

授業をしていたけど、（その間も、リリーだけラブレターの仕分け作業をしていたけどね。）

残りの時間は…

「こんな事を聞くのは、何でしょうけど。5歳になる僕の孫の誕生日が、

後2週間で来ます。その時のプレゼントは何にしたら良いと思いますか？」

と、言う訳で先生の孫に与える誕生日プレゼントについて会議していた。

「公私混同」という言葉を思いっきり無視して。

「僕の実家にある島にあるオモチャ屋さん。行ってみたらどうですか？」

「先生、その子が好きな動物って何ですか？　私、ぬいぐるみを作るので教えて下さい♪～」

と、ほとんどの生徒達が

どうでもいいけど、授業時間より、みんなはりきっているような気がするわ…。

 

　こんな感じで、今日は終わった。

もちろん、他の日は

有毒生物、武器製作、美術、体育、刑法、地理、盗賊総論という盗賊の心構えや盗み方などを教えてくれる教科、そして音楽もある。

音楽以外、卒業必修だからマジ面倒臭い。

 

 

後、私には、家に帰れば、前（ファントム専門学校生活１を参照）にも言ったように、家が忍者の為、授業が午前中の時や、3連休以上の休みで用事がない日に忍者修行をするので、結構疲れる。

続く！！