side 痛みと涙・2
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/05/09 18:35:01
ほろり、と大きな涙の粒がアオイの瞳からひとつ、零れ落ちた。
「あら。」
「おまえ、泣かせたらいかんだろう。」
アオイが泣き出してしまった事に、婦人は驚いたようにぱちくりと目を見開き、その横で婦人の夫である老紳士がからかうようにそう言った。
「ちがいます。ごめんなさい。泣いてしまってごめんなさい。」...
「マイホーム」カテで、部屋の小話を書いてます。
「自作小説」カテゴリでニコットタウンで暮らしているアオイさんの日記や小話などを載せています。
・全てフィクションですので、ニコットタウンで起こった出来事・住民とは一切関係のないお話になります。
「その他」で自己紹介を少し。
ほろり、と大きな涙の粒がアオイの瞳からひとつ、零れ落ちた。
「あら。」
「おまえ、泣かせたらいかんだろう。」
アオイが泣き出してしまった事に、婦人は驚いたようにぱちくりと目を見開き、その横で婦人の夫である老紳士がからかうようにそう言った。
「ちがいます。ごめんなさい。泣いてしまってごめんなさい。」...
ねえ美味しくないんだけど。と、ヤマブキがそう言ってきた。
ようやく忙しさが落ち着いてきたある日の午後。ふらりとやってきやヤマブキが温かな紅茶をオーダーしてきた。どちらかと言うとコーヒー党で一緒に甘いものも頼むヤマブキが、紅茶だけなんて珍しい。そう思いながらアオイがカップになみなみと注いだ綺麗な...
今日、忙しすぎて慌ててしまって、手に持っていたパフェをぶちまけてしまった。
あああ。もう。
本当に最悪。
幸い、というべきなのかな。お客様にぶちまけたパフェのクリームが付いたりとか、そういう事は無かったのだけど。その時お店にいたお客様は皆いい人ばかりで、笑ってくれたけれど。
だけど。
こんなばたばた...
今朝早くに、商店街の端にあるガチャガチャの脇で不思議な男の子に会った。
こんな朝早くに迷子!?と吃驚して声をかけたのだけど、その男の子は迷子の自覚がないのかキョトンとした顔をしていた。
とろんとした顔立ちをしていて、人のことは言えないのだけど、この子もマイペースな子みたい。母の日のプレゼントに、お兄...
このところお店を閉めた後、すっごいお腹がすいている。
次の日のための準備をするまえに軽い食事は採っているのだけど、それを終えた遅い時間に、やっぱりまたお腹がすいているのだ。
あまり夜遅くにご飯を食べると、太ってしまうからいけない。って分かっているのだけど、でもお腹がすいているのには負けちゃうよ。
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