ちゃくちゃくと、歌声大会の日が近づいてきています。
ほとんど毎日、閉店後のお店で皆で演奏をしているのですが。
とはいえ、この閉店後の練習を聴いてから帰るお客様もけっこういるのですが。
そのおかげで人前で歌うことにも慣れてきて、良かったなとも思うのですが。
ヘイゼルさんは自分が言うよりもギターが上手...
「マイホーム」カテで、部屋の小話を書いてます。
「自作小説」カテゴリでニコットタウンで暮らしているアオイさんの日記や小話などを載せています。
・全てフィクションですので、ニコットタウンで起こった出来事・住民とは一切関係のないお話になります。
「その他」で自己紹介を少し。
ちゃくちゃくと、歌声大会の日が近づいてきています。
ほとんど毎日、閉店後のお店で皆で演奏をしているのですが。
とはいえ、この閉店後の練習を聴いてから帰るお客様もけっこういるのですが。
そのおかげで人前で歌うことにも慣れてきて、良かったなとも思うのですが。
ヘイゼルさんは自分が言うよりもギターが上手...
頬が熱い。緊張で手のひらが少し汗ばんでいるような気がする。そういえばアオイさんがこの間、花嫁になる夢を見たって聞いたけど。誰の花嫁さんになったんだろう。そんな場違いな事を考えてしまいながら進んだ先。ぽつぽつ、と淡く点滅する光がひとつ、またひとつ、と増えて行った。
ゆっくりと川が蛇行し...
街の大通りを抜けて、釣り堀のある公園の先、神社をこえた山の近く。ちょっと見落としそうな路地を進んでいくと、さらさらと水の流れる音が聞こえてきた。でこぼこと適当に舗装された道をアオイとヘイゼルは間にマロを挟んだ形でゆっくりと歩いた。
「こんなところに道があったんですね」
「うん。私もこのまえ気が付...
「ヘイゼル少年よ、返事は早めに頂戴。アオイちゃんも」
そう言ってヤマブキは席を立った。
はあい、とアオイとそろって返事をして。だけど、どうしようとヘイゼルは俯いた。
やりたい。声をかけて欲しいと思っていたくせに、実際に手が届いた瞬間に気後れするなんて。本当に自分はヘタレとしか言いようがない。
...
以前にアオイが忙しそうだった時も。心配していたくせに自分は見ているだけで、実際にアオイを怒ったり助けたりしたのはヤマブキで。実際にアオイの手助けをしているのはサハラで。実際にそっと優しい気づかいが出来たのはカスミや常連の他の人たちで。
自分は心配するだけで何も出来なくて。ただ怒ったりすることしか...
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