古都・京都の家の軒先には、
今日も猫が居座る。
店番のつもりらしいが、
人間に飼われているのなら
仕方がない。
あそこの店の店主は
猫に団子を献上している。
そして店番は主人に客を提供するのだ。
もちろん、猫目当ての客が
お茶をしていくとは限らないが。
紫色の暖簾が、
今日も来客を知らせる...
いちはぜん、ぜんはいち。
古都・京都の家の軒先には、
今日も猫が居座る。
店番のつもりらしいが、
人間に飼われているのなら
仕方がない。
あそこの店の店主は
猫に団子を献上している。
そして店番は主人に客を提供するのだ。
もちろん、猫目当ての客が
お茶をしていくとは限らないが。
紫色の暖簾が、
今日も来客を知らせる...
ふと氷の隙間から、
テディベアが顔を覗かせる。
一緒に小さな星条旗が
埋められていた。
前の調査隊のものなのか、
あるいは誰かが持ち込んだものなのか
それは分からなかった。
それをそばで見ていた
ジョージが、
「これは、なんだ」
と言った。
見ると、
「メアリーから
南極の精さんへ」
...
恐怖からの解放は
自由を意味する。
だが根本的な自由を
問い詰めた場合、
出てくるのは何もない。
ただ、漫然と存在するのが
自由であって、
束縛による自由は
何も生まないのだ。
よって恐怖からの解放は
自由を生まないものといえる。
あるいはすべてからの解放が、
自由な状態と言えるのかもし...
狂気は、倫理をつくり得ないし
倫理は、狂気をつくり得ない。
恐怖は、倫理にもならないし
狂気は、恐怖の捻じ曲がった形であって
秩序にもなり得ない。
あり得るのは倫理の積み重ねが
自由につながることであって、
(しかもそれは文化的開化であって、
決して精神的自由ではない)
倫理自体は秩序で...
恐怖という感情は、
多くの場合狂気を引き起こす。
あるいは、
義憤という復讐を引き起こす場合が多い。
もちろん、行動が停止するという
現象も引き起こす。
全体的に、恐怖というショックで
行動が停止され、
感情が支配される状態を指すのであろう。
もっとも、戦場では恐怖に支配される可能性が
多...