ルーネ―――ルーネ・アラカリクトは
胸が浮き出た濃い灰色から若草、黄色の
ルネサンスドレスに、褐色緑色のリボン、
亜麻色の髪にトンボ玉飾りの髪留めを身に纏い、
「ねぇ、あなた。まだ終わらないの?」
と執事を急かしたてた。
「そりゃね」
執事は言う。
「召使いの女が一人も居やしませんのに、
お...
いちはぜん、ぜんはいち。
ルーネ―――ルーネ・アラカリクトは
胸が浮き出た濃い灰色から若草、黄色の
ルネサンスドレスに、褐色緑色のリボン、
亜麻色の髪にトンボ玉飾りの髪留めを身に纏い、
「ねぇ、あなた。まだ終わらないの?」
と執事を急かしたてた。
「そりゃね」
執事は言う。
「召使いの女が一人も居やしませんのに、
お...
どうすれば小説を書けるか。
ここでは、特に自作小説のような
小説のことを指します。
まず最初に、小説は文芸作品である、
ということを言っておかなければなりません。
つまり、説明的な文章ではない、
ということです。
なので論理的にストーリーを組み立てることは
ないにしても
その文体で読者を楽し...
神話の世界にコミットメントするというのは、
要は神話の世界に臨場感を持つ、
ということです。
つまり、神話の世界のことについて
あれやこれや語れるようになれば、
IQが上がる、ということです。
つまり、頭がよくなるのです。
これにはいくつか理由がありますが、
ひとつは神話の世界は抽象度が高...
1月も半ば……いや、正確には1月は始まったばかりか。いやはや、申し訳ない。私は魔女のエリザ。
人呼んで白銀の錬金術師。肩書きが二つもあっておかしいと
思われるかもしれないが、早とちりしないでほしい。現在の世の中で魔女をやるには、
錬金術師の肩書も必要なのだ。
銀座&he...
私は澪(みお)。
24歳。フリーランサーでネットのデザイナーをしている。
彼氏はいない。
いや、いたと言うべきか。
あれは8月、去年の夏だった。
―――「みお、クッキー取ってもらっていい?」
彼はそう尋ねた。
「いいよ」
思い返すのも懐かしい。
彼は、よくモノをおねだりするのが...