【短編】:「10月冬の風」
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/10/06 13:06:16
放課後、トボトボと私は昇降口を出た。
―彼はこのまま行ってしまうのではないだろうか。
そういう思いが、私の頭をよぎった。
昇降口から、彼が出てきた。
渡さなければいけない。
でも渡せない。
昇降口から出てきた彼の面影は、
どこか寂しげだった。
とりあえず、ここは離れなきゃ。
私は...
いちはぜん、ぜんはいち。
放課後、トボトボと私は昇降口を出た。
―彼はこのまま行ってしまうのではないだろうか。
そういう思いが、私の頭をよぎった。
昇降口から、彼が出てきた。
渡さなければいけない。
でも渡せない。
昇降口から出てきた彼の面影は、
どこか寂しげだった。
とりあえず、ここは離れなきゃ。
私は...
ロマのコンドミニアムの5階には、
二人の男が顔を出していた。
ラウンジから見える夜景には
二人の影はよく溶け込んでいる。
フードを被ったほうの男が言った。
「もうすぐだな」
もう一人の男、
すなわち私だ。
私はこう言った。
「えぇ、マスター。
もうすぐですね」
マスターとは、
師を表す...
鶏が一羽いました。
兵士が1人います。
女の子が二人、
男の子が一人います。
さらにお母さんが一人います。
おじいさんも一人、おばさんも一人います。
問題です。
鶏は誰のものでしょうか?
鶏は言います。
「助けてくれ。食われちまう」
兵士は言いました。
「食うもんないから、俺に...
ジョンは言いました。
「エリー、この鶏は僕が捕ってきたんだよ」
ベンは言います。
「エリー、この卵は僕が採ってきたんだよ」
エリーは言います。
「ありがとう。でも鶏も卵も要らないわ」
ジョンはがっかりした様子でいいます。
「じゃぁ、夕飯にでも食べなよ」
エリーは言います。
「一緒だ...
4月19日、
そして5月19日
6月19日
俺はこうして、
家のドアが開いたり閉まったりするのを
ずっと眺めてきた。
だが、今日は何かが違う。
7月19日。
戸口の前には、
剣とおぼしき帯剣を着けた
男が立っていた。
名はエドゥガード。
フードを被った男で、
年齢は不詳。
恐らく、25...