Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


いちはぜん、ぜんはいち。

【短編】:「10月冬の風」

放課後、トボトボと私は昇降口を出た。

―彼はこのまま行ってしまうのではないだろうか。

そういう思いが、私の頭をよぎった。

昇降口から、彼が出てきた。

渡さなければいけない。
でも渡せない。

昇降口から出てきた彼の面影は、
どこか寂しげだった。

とりあえず、ここは離れなきゃ。
私は...

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【小説】影の男

ロマのコンドミニアムの5階には、

二人の男が顔を出していた。

ラウンジから見える夜景には
二人の影はよく溶け込んでいる。

フードを被ったほうの男が言った。

「もうすぐだな」

もう一人の男、
すなわち私だ。

私はこう言った。
「えぇ、マスター。
もうすぐですね」

マスターとは、
師を表す...

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鶏の悲劇

鶏が一羽いました。

兵士が1人います。

女の子が二人、

男の子が一人います。

さらにお母さんが一人います。

おじいさんも一人、おばさんも一人います。

問題です。

鶏は誰のものでしょうか?

鶏は言います。

「助けてくれ。食われちまう」

兵士は言いました。

「食うもんないから、俺に...

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1平方ミリメートルの森

ジョンは言いました。

「エリー、この鶏は僕が捕ってきたんだよ」

ベンは言います。

「エリー、この卵は僕が採ってきたんだよ」

エリーは言います。

「ありがとう。でも鶏も卵も要らないわ」

ジョンはがっかりした様子でいいます。

「じゃぁ、夕飯にでも食べなよ」

エリーは言います。

「一緒だ...

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200シリングのドイツ方言【読み切り】

4月19日、

そして5月19日
6月19日

俺はこうして、
家のドアが開いたり閉まったりするのを
ずっと眺めてきた。

だが、今日は何かが違う。

7月19日。

戸口の前には、
剣とおぼしき帯剣を着けた
男が立っていた。

名はエドゥガード。
フードを被った男で、
年齢は不詳。

恐らく、25...

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