ブロックス・シュミット―石の剣3 ささやかな日
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/08/26 02:27:23
ジョエルは、明くる朝ベットで目を覚ました。
ボロの布に、ボロの毛布。
気温小肌寒い秋のウォルシュタットでは、
この小屋ですら寒く感じられた。
というのも、最近の大陸の旅では
小屋のような宿屋続きなのである。
首都に行けばもっと石造りの大きなのに
出会えるが、
いかんせん地方ではあばら家が限...
いちはぜん、ぜんはいち。
ジョエルは、明くる朝ベットで目を覚ました。
ボロの布に、ボロの毛布。
気温小肌寒い秋のウォルシュタットでは、
この小屋ですら寒く感じられた。
というのも、最近の大陸の旅では
小屋のような宿屋続きなのである。
首都に行けばもっと石造りの大きなのに
出会えるが、
いかんせん地方ではあばら家が限...
アリスは、夕飯を食べながら言う。
「ねぇ、ジョエル、剣が床に引っかかってる」
アリスは笑いながら俺の剣を指さした。
鞘に入った細身の剣はテーブルで動くたびに
それに合わせてコツコツ鳴っている。
「いいんだよ、別に」
俺はふてくされて言った。
「化け物が床を鳴らすより…&hel...
遠い昔、遥か広大な大陸で―――
ジョエル・ステニスは剣をしごいていた。
傍らには、魔法使いのアリス・クエデッサ―。
もう一人となりには、見習い僧侶のシンディ・クレンス。
向かいには、ムーサ・ミヒャエル―商人で、薬の扱いには長けている―。
そして、それを見守るドン・レガンド、&ldquo...
今どこにいるんだよ―――。
―――隣だよ。
はっ……。
目が覚めた。隣では女子がにぎやかに会話している。
「ねぇ~聞いて~、ユウヤの寝顔ってさぁ~」
由香が楽しそうに言う。
はいはい。こっちは楽しくありませんよ~、と。
「神谷」
女の子が冷静に言った...
午後4:20―――
帰る道すがら、
アヤはユウトのことや
友達のこと
親のことや
学校のことなんかを話した。
3人とも同じクラスだけど、
ユウトは別のクラス。
一人で寂しくないかな、
とちょっと気になったりするけど
あの子はあの子で強いから。
やや長めの髪に、
まるでラピスラズリかタ...