Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


【読み切り】 真夏のストラグル

今どこにいるんだよ―――。

―――隣だよ。




はっ……。

目が覚めた。隣では女子がにぎやかに会話している。

「ねぇ~聞いて~、ユウヤの寝顔ってさぁ~」
由香が楽しそうに言う。

はいはい。こっちは楽しくありませんよ~、と。



「神谷」
女の子が冷静に言った。

冷たい感じもした。が……

「なんだ~、日比野さんじゃん」

「あっそ」
その女の子は冷たくあしらった。

「あの、これ落ちてたから」
消しゴムを拾い上げた。
居眠りで落ちるものNo.1だろうな。

「ありがと」
俺はお礼を言った。

「にしても、かわいいね~」

「褒められるのには、慣れてるよ」
日比野さんはいたって冷静だった。

「そういや、下の名前なんだっけ」

「美沙」

「美沙ちゃんね~」

「馴れなれしいわ」
日比野さんはふてくされた。

MPが1になった。
言うことがないな。

「あの~、今度遊ばない?」
俺は日比野さんに唐突に聞いた。

「ぇっ?だめだけど」

「ぉお、まじか……」

撃沈した。これで今日の残存兵力はゼロだ。
帰ろう……。そう決めた。


「よっ、神谷君」

沙織ちゃんだ。声かけてくれて……ありがとう。

「元気にしてる~?」
俺は聞いた。

「もっちろ~ん」
沙織は元気に答えた。

「ねぇ、今日どっか行かない?」

「ぅん~、今日は撃沈されたの」

「あたしと、……デートでも?」

「いや、それはないな」

「即答……」

「んじゃ、また今度ね」
沙織ちゃんは揚々と去っていった。

さて、本命ですかな……。


「なに見てる。ユウト」
由香はまじめくさって言った。

「いや、下心なんてありませんよ~、だ」

「ぁ、なにか考えてたな」
由香は意地悪く言った。

「まぁいい、どうせこのあとそのままバイバイだ。
水でもかけてやるべきだったな」

低い、ながらも美しさのある声で言った。

「おぉ~、コワイコワイ。さっさと帰りますか~」


「ふん、幼馴染の言うに知ったことではないわ」
由香は機嫌が悪かった。

「じゃ、いつもの場所ね~」

「はぃはぃ、あっそ」



―――。


「はい、いつもの」

「ありがと。助かるわ」
由香は冷えたココアを受け取ると、
ご機嫌そうだった。

「でもさ~、なんでこんなに暑いんだろね」
由香は汗こそかいてなかったが、

たぶんこの出入り口からでると
汗だーだーだろうな。


「知らないよ、太陽が意地悪なせいだろ~」

俺は言った。
「前、由香そういってたじゃん」

「あの話?あれは……」
由香はとぼけた。語っていたのも忘れたのだ。


「まぁ、とにかく、忘れるほど暑いってことだよ」

「海行きたい」
由香は言った。


「じゃぁ、行こうか」
突然の申し出に、由香は意表を突かれたものの
急にうれしそうな顔になった。


「ぅん……。行くけど。

また二人で行くの?」
由香は急に聞いた。

「ぇ?誘って行く?」


「二人がいいかな……。

でも、こういうときに誘う人いなーい!」
由香は言った。はいはい、あっそうですか。

「みんなでなんて、嫌でしょ」

「別に」


「誘ってもいいんだぞ~」

由香は急に押し黙ってしまった。

「ん……でも、今回は二人がいい~」


やった。……あれ、これってデートか?



「なによその目~」

由香は不機嫌そうだった。いや、警戒してるのか……。

まぁ、とにかく、予定が立ったわけだ。

「ぜったいやらしいこと考えてる、コイツ……」


まぁ、いい。せっかくのデートなのだ。
これで14回目だけど。


〈終〉

アバター
2013/08/14 08:27
というわけでもない気がしますがb

この作品でも、まだリズムというか間合いが足りない部分がありますノ

ひとつの作品を、二人で別々の視点で書くと
どこがどういう構造になっているのか分かるので、

作品の分析には有効かもしれませんね~b

今度サークルでやってみたいことが増えましたb
アバター
2013/08/13 19:21
こんな感じで書けば、いい感じになるのですかねっ!!
参考にします!!




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