Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


いちはぜん、ぜんはいち。

ヘザーランドの調理師①

ポチャッ

海辺に釣り具の垂れる音が響く。

「ウィリアムさん。釣れませんね」
少女はぼやいた。

「大丈夫さ。もう少しで釣れるって」
ウィリアム“さん”は言った。

「おぃ、ジョッシュ。餌追加で取ってきてくんねぇかな。
どうにも掛かりが悪いや、ここは撒き餌といこう」

ウィ...

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【読み切り】ホッフェンハイムの生意気娘

釣り人は今日も海を眺めていた。

釣り糸を垂れながら海の先を見つめている。


 「やぁ、何を考えているんですか?」
私は聞いた。

「ホッフェンハイムの街娘さんじゃねぇですか。
こんなところに、何の用で?」


 「私、ブレーメンさんの様子を見に来たんですよ」


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幻影の林檎5

午後3:45の日差しは―――

その夏は残酷で、ちょっとほんわかで―――

見るものすべてを凍りつかせそうな、
そんな日差し―――。

「シオリ、さっきの話―――」

「あぁ……」

「ユウトとは、長いの―――。

知ってると思うけど」

「うんうん」
アヤは頷いた。

...

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トポロジー【短編読み切り】

古都・アレクサンドリアから
西方に3日。

砂漠の隊商は、
今日も砂漠で取引していた。

「300ドゥカートだよ」
隊商の男は言う。

「ありがとな」
僕は言った。

僕は金貨の入った袋を受け取る。
隊商にはカイロから運んできた宝石を渡した。

ガーネットは金になる。

砂漠では金より価値があるんじ...

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もう一つの夏(読み切り)

窓辺には、紅茶が香っていた。

8月の、いや7月の窓際。

下では、通りの夏祭りの音が聞こえる。

太鼓・笛・気勢。

退屈そうな横顔が、
ふとこちらを見た。

「ジェニファー、この街は何回目?」
日本人よ。バカにしないで。

彼はふざけて呼んだのだ。
後で……後悔する。...

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