Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


1平方ミリメートルの森

ジョンは言いました。

「エリー、この鶏は僕が捕ってきたんだよ」

ベンは言います。

「エリー、この卵は僕が採ってきたんだよ」

エリーは言います。

「ありがとう。でも鶏も卵も要らないわ」

ジョンはがっかりした様子でいいます。

「じゃぁ、夕飯にでも食べなよ」

エリーは言います。

「一緒だったらいいけど、うちでは食べきれないわ」

ベンは言います。

「にわとりさん可哀そうだよ。

食べられるかも分からないのに捕られたのだから」

エリーは言います。

「そうね。食べれば報われるのかしら」

ジョンは言います。

「食べても報われないかも。

もう死んでいるのだから」

ベンはいいます。

「そうだ。じゃぁ盛大に料理すればいいんだ」

「死者の弔いね」
エリーは言いました。

「人間だったらそうはいかないんでしょうけど」


エリーは私に言います。
「ママ、鶏でシチューをお願い」

「分かったわ」
私は言いました。

「牛乳があるから、そうしましょう」

「チーズ買ってくるね」
ジョンは言いました。

「いいや、うちにあるから大丈夫よ」
私は言いました。


鶏は報われません。

チーズも報われません。

じゃぁ、いったいどうして
人間たちは鶏を食べることを選んだのでしょう。


答えは簡単です。お腹が減ったからです。
鶏が人間よりも弱いために、食べられてしまうのです。

こんな人間が、鶏を憐れんでも仕方ありませんね。
鶏は報われないのです。ただ、希望を聞いてもらえないのです。

〈終わり〉

アバター
2013/09/18 06:55
罪悪感が理由なのかもしれませんねb

なぜ生まれてきたかがどうやって生まれてきたかに
係るのと一緒(修飾)ですb
アバター
2013/09/17 19:55
大人も子供も 鶏を「食べる理由」を話題にするのは、
ちょっとした罪悪感のようなものからきてるのかな。

少しでも不安のあるものごとには
何かしらの理由をつけると安心するのかもしれませんね。

いろいろなことを頭では分かっていながらも。





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