「ブラント、前へ出ろ」
「はい、将軍」
ブラントは前へ進み出た。
向こうのフランス人どもが
はやし立てる。
「我らがイングランドの名において、
この地を占領しに参ったー」
ブラント補佐官は
目を細めて向こうのフランス軍を
睨んだ。
「異論はないな?」
ブラントは問いただす。
フランス人...
いちはぜん、ぜんはいち。
「ブラント、前へ出ろ」
「はい、将軍」
ブラントは前へ進み出た。
向こうのフランス人どもが
はやし立てる。
「我らがイングランドの名において、
この地を占領しに参ったー」
ブラント補佐官は
目を細めて向こうのフランス軍を
睨んだ。
「異論はないな?」
ブラントは問いただす。
フランス人...
壺の中は神秘である。
壺は冥界にも
例えられる。
入ったら出られない
という類だろう。
もし、その中に本物の自由が
あるとして……
はたしてそれを見るために
手を突っ込むだろうか。
古代人はそれを禁忌と呼びならわした。
いわくつきのものは
認めないのである。
...
ベタな戦術に、
「突撃と退却を繰り返す」
というものがありますb
突撃でひるんだ相手が、
退却しても追ってこない
というやつです。
深追いすると
痛手を負うので
向こうも深くは追って来ません。
軍隊で言う
火力撤退というやつです。
賢い指揮官なら追ってきませんが、
経験...
ジョディー=ジョシュア・ハイゼンベルグは82歳だった。
夕暮れのキャプションを
手のフレームに収めると、
満足そうに笑い
ワインのグラスに口をつけた。
「おい、レベッカ。
ワインが入ってないじゃないか」
「それくらい自分で入れてよね」
レベッカはそういいながら渋々
ワインを注いだ。
「お...
南国の写真を見ながら、
書を書きしたためる。
くだらない小説だが、
読んでみて欲しい―。
―南国には、鳥がいる。
だが、その鳥は籠に飼われていない。
はたして、その鳥は自由なのだろうか。
南国という囲いに、飽き飽きはしてないだろうか。
極地には、渡り鳥が多いという。
ペンギンが...