Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


いちはぜん、ぜんはいち。

オスカー・ブラッドレー博士の記し書き 7

人は悲惨な事故
事件に直面すると
必ず思う。

神よ、なぜあんな悪魔を
遣わしたのか、と。

結論では、神は悪魔を
遣わしていない。

それどころか、
思考の段階で
助けになっている。

いくら神頼みとはいえ、
惨事をなかったことには
できないのだ。


人は悪に敏感である。

だが悪は一過性のもの...

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オスカー・ブラッドレー博士の記し書き 6

洞窟。

真っ暗だ。

明かりをつけてみる。

目の前に立ちはだかる
岩の壁が浮かんだ―――。


人間は、たいまつ、
ランプ、懐中電灯へと

明かりを照らす道具を
変えてきた。

洞窟を照らす道具に
やがては懐中電灯を
使うようになった。

洞窟を照らす
ということは

自分の過去を
照らすことに...

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オスカー・ブラッドレー博士の記し書き 5

静かな水面に、

釣り糸を浮かべる。

やがてピンピンと引く様は、

魚たちが私を求めているようだ―――。


湖で釣りをしていると、

時折魚が浮きを引く。

その引き具合のおもしろさに

釣りがやめられないのだが、

果たして湖の魚は
私のことをどう思っているの
だろうか。


日没が来た。

...

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騎士の終わり。

「ブラント、前へ出ろ」

「はい、将軍」

ブラントは前へ進み出た。

向こうのフランス人どもが
はやし立てる。

「我らがイングランドの名において、
この地を占領しに参ったー」

ブラント補佐官は
目を細めて向こうのフランス軍を
睨んだ。

「異論はないな?」
ブラントは問いただす。

フランス人...

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オスカー・ブラッドレー博士の記し書き 4

壺の中は神秘である。

壺は冥界にも
例えられる。

入ったら出られない
という類だろう。

もし、その中に本物の自由が
あるとして……

はたしてそれを見るために
手を突っ込むだろうか。

古代人はそれを禁忌と呼びならわした。

いわくつきのものは
認めないのである。
...

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