マルケス・デミストリス-暁愁
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/06/01 20:30:51
私は首都郊外の市場に来ていた。
品物は全部傷んでいて品が悪い。
店主に聞くと、
「知りませんよ」らしい。
ああそうですか、
品物が悪くっても知りませんよか。
この男、年40過ぎの割には
せこいところがあるようだ。
手持ちはわずかな小銭しかない。
教会からはお金が出ないのだ。
わず...
いちはぜん、ぜんはいち。
私は首都郊外の市場に来ていた。
品物は全部傷んでいて品が悪い。
店主に聞くと、
「知りませんよ」らしい。
ああそうですか、
品物が悪くっても知りませんよか。
この男、年40過ぎの割には
せこいところがあるようだ。
手持ちはわずかな小銭しかない。
教会からはお金が出ないのだ。
わず...
ジョージは帰る道すがら、
こんな歌を歌っていた。
「日はまた昇る~
そして日はまた沈む~
これから見る先の景色は~
あなたにはどう映る~」
「ねぇ、どういう意味?」
私は聞いた。
「やぁ、リリー。
この歌の意味は……」
年増のおじさんか。
まだ25...
辺りを一望できるこの場所から、
海を見渡していた。
ジョージは馬から降り、
冷たい風に顔をほころばせながら
そっと前へ向かう。
私も馬から降り、
冷たい風に顔をしかめながら
馬から離れる。
ジョージはそっと馬をなで、
待っているように指示をした。
後ろのほうで馬が返事をしたのを
...
マルケス・デミストリス
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1235906&aid=50149264
対峙
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1235906&aid=501610...
ベルリンでは、食料が枯渇していた。
輸入はある。だが郊外の農作地は壊滅的な打撃を受けていた。
干ばつがあったのだった。
酒もない。豆もない。牛乳すらなかった。
市場に出回るのは、小麦だけ
だがそれでもよかった。食べるものはある。
病院は病人で一杯らしい。こないだの戦傷者もある。
郊...