マルケス・デミストリス-市民
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/05/19 22:42:04
フランクフルトでは、
今日も直接民主制の是非が問われていた。
この問いが愚問に終わるのはわかっている。
だが、いつかこの花が咲くことも分かっている。
全員が、だ―――。
民会に諮られたのは、地元から議会に人を派遣すること。
ここフランクフルトでも、民意は反映されていない。
戦争だの...
いちはぜん、ぜんはいち。
フランクフルトでは、
今日も直接民主制の是非が問われていた。
この問いが愚問に終わるのはわかっている。
だが、いつかこの花が咲くことも分かっている。
全員が、だ―――。
民会に諮られたのは、地元から議会に人を派遣すること。
ここフランクフルトでも、民意は反映されていない。
戦争だの...
ここ、ライプツィヒでは
今日も民が貧困にあえいでいる。
教会にはいつも大勢の人が押し寄せていた。
私は、ここの教会の者ではない。
となりの町からこの町にやってきた者だ。
お布施だの、献上品は後を絶たない。
こう貧困になるにつれ、献上が増えるのだから
不思議でならない。
知ってるか、...
ハンブルグ港には今日も人だかりが出来ている。
英国の食料輸送船が入港する日だった。
神聖ローマの支配が終わるころ、
食糧危機はやってきた。
リューベックからの食料が途絶えたのである。
対外領土以外の食料は、
全部国内で消費される。
となると、農民の食べ物はない。
ブルボン家の支配...
大統領……電話です―――
せわしく秘書が告げる。
あぁ……―――
戦争は開始された―――。
疑いの歴史
「テロはイラクによるものだ―――」
「大統領が攻撃の意思を表明―――」
「911の事件は―――」
「テロ被害者の話です...
机の上には羊皮紙
机の上には束
机の上には雑貨の山
「あぁ、置いていきたまえ」
私は、せかせかと入室する親衛隊に告げた。
手伝いはあいにく切らしていた。
私がやるしかない。
「それも置いていきたまえ」
「あぁ、それからそれも」
机の上には「難題」が山積みだった。
城門下では農民...